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(回答先: 対ウクライナ 露、ガス供給を停止 ユシチェンコ政権に圧力 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 1 月 03 日 05:21:51)
天然ガス供給停止、ロシアが政策転換迫る
【モスクワ=大野正美】ロシアが新年早々、ウクライナ向けの天然ガス供給を停止したことで、フランスなど欧州諸国に影響が広がっている。ガス価格の大幅値上げを強硬に要求するロシアに、ウクライナが両国間の長期供給協定をたてに「価格で合意しなくてもガスを受け取る権利がある」とも主張している。ロシア側は、欧州向けを補填(ほてん)する方針を打ち出したが、両国の対立の構図は変わらず、紛争は長期化しそうだ。
●ウクライナは徹底抗戦
両国間の天然ガス供給協定は、03年から13年まで1千立方メートル当たり約50ドルの安い価格を適用している。当時のウクライナはクチマ前大統領政権末期で、ロシアのプーチン政権が後継大統領に親ロシア的な人物を据える狙いで優遇的な供給を約束したものだった。
しかし、04年暮れの「オレンジ革命」で親欧米路線のユーシェンコ政権が誕生したのをきっかけに、ロシアは昨年夏から「欧州向けの市場価格並みに是正すべきだ」と大幅値上げを求める動きを本格化させた。供給協定にある「価格などの条件は毎年見直す」との条項も根拠になっている。
これに対して、ウクライナ側は「市場価格への移行には応じるが、ロシアのやり方には根拠がない」としており、「圧力からウクライナの経済的独立を守り抜く」と徹底抗戦の構えだ。
強気の理由の一つには、自国産と貯蔵分を含めれば、冬が終わるまで民生面に影響は出ないという読みがある。
ロシアとの供給協定に、欧州向けのガス通過料に相当するガスを現物で受け取れるとの条項がある。「価格合意がなくてもロシアのガスの15%を通過料として受け取る権利を持つ」とのウクライナ政府の主張はここから来ている。
とはいえ、ロシア産ガスの供給停止が長期化すれば、それに多くを依存してきた冶金(やきん)工業や化学工業というウクライナの主要産業に打撃が出るのは避けられない。
ヤヌコビッチ元首相らウクライナの野党陣営は「政権の反ロ的な政策がウクライナをこの事態にまで追い込んだ」と攻勢を強化。3月末の議会選に向けてヤヌコビッチ氏率いる地域党が支持率でトップに立つなど、支持を広げてきている。
ロシアとしては、議会選後に地域党主導の内閣をウクライナに誕生させ、政策を親ロシアへと大きく転換させたい。それまでは天然ガスによる圧力を加え続ける構えと見られる。
新年からロシアは主要国首脳会議(G8)議長国になっており、プーチン大統領は、G8でエネルギーを主要議題とし、その安定供給国としてのロシアの役割を強調したい考えだ。だがウクライナとのガス紛争で欧州の混乱が深まれば、プーチン大統領が難しい立場に置かれる可能性もありそうだ。
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◆キーワード
<ロシアの天然ガス> ロシアの天然ガス独占企業ガスプロムは欧州の需要の25%を供給し、その8割に当たる年間約1100億立方メートルがウクライナ経由で運ばれている。ウクライナの天然ガス需要は年間約790億立方メートルで、ロシアからは約250億立方メートルを輸入、ほかにトルクメニスタン産約360億立方メートルと自国産約180億立方メートルでまかなう。
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