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核武装は戦争を起こさせない為と、外交的圧力を排除するために必要だ。
http://www.asyura2.com/0601/senkyo26/msg/500.html
投稿者 TORA 日時 2006 年 9 月 11 日 08:46:31: CP1Vgnax47n1s
(回答先: アメリカは東アジア核戦争を望んでいるのだろう。 投稿者 たけ(tk) 日時 2006 年 9 月 10 日 23:04:38)
へのレスです。
>@ 米英仏ロ中と核武装国家同士はどことも戦争をしていない。
>A 日本が非武装だとかえってアメリカの言いなりになり、代理戦争させられる。
>B ロシア中国北朝鮮と、日本は核武装国家に囲まれているから核武装せざるを得ない。
>C 核武装の目的はあくまでも自主独立を守るためであり、どこにも中国と核戦争せよとは書いていない。
TORAさんの主張する核武装の「目的」がアメリカへの発言力の強化と中国等への核抑止力であることは分かった。
しかし問題は、それを行った場合の実際の「結果」はどうなるか、だろう。
「A 日本が非武装だとかえってアメリカの言いなりになり、代理戦争させられる」とのことだが、アメリカの言いなりにならないための核武装ということは、アメリカに対する核攻撃力をもつ場合である。
【アメリカは、日本にアメリカを攻撃できる核武装を許すことはあり得ない】
アメリカが無条件の核武装を日本に許すというのは、日本を完全に信頼したときだろう。しかし、http://www.asyura2.com/0601/senkyo26/msg/672.html のマイケル・グリーン氏のようなナイーブな日本擁護論者ばかりではない。日本の対米戦争はアメリカの経済制裁に対する自存自衛の正当な戦争である=すなわちアメリカの方が悪い=とする靖国史観をもつ靖国神社に日本の政治指導者が参拝している、という認識が広まれば、アメリカが日本を無条件に信頼することはあり得ないだろう。
そもそも、アメリカは唯一の原爆投下国であり、日本は唯一の原爆被爆国である。アメリカが「日本はその記憶を忘却した」とは思わないだろう。
【核武装を許すとすれば、安全装置が条件だろう】
しかし、巧妙な仕組みのもとでは、アメリカが日本の核武装を許す可能性がある。というのは、日本に核武装を許す条件として、たとえば、慣性誘導装置はアメリカ製を使うことを義務づけ、その装置には「アメリカ本土を攻撃できないような安全装置」を付ける、とか、情報通信はアメリカに依存するような仕組みを作る、とかの条件の下であれば喜んで日本の核武装を許すだろう。要するに、日本がアメリカの脅威にならなければ、日本の核武装はアメリカにとって好ましいことなのだ。アメリカの戦闘機には友軍機を誤爆しないような装置がついているという。アメリカの友軍不沈空母に過ぎない日本の核武装にもそのような装置を付けるのは当然だろう。
【安全装置付きの核武装ではアメリカに対する発言力は強くならない】
そのようなアメリカを攻撃できないような安全装置がついた核武装では、当然ながら、アメリカに対する発言力は確保されない。
【安全装置付きの核武装は抑止力ではなく核戦争の誘発力となる。日本がアメリカの鉄砲玉になることを意味する】
核武装によっても、日本のアメリカに対する政治的発言力が確保されず、日本がアメリカのコントロール下にある状況が変わらないのであれば、日本の核武装によって、アメリカの政治的手段として日本の核攻撃力が使われる可能性が高まる。日本という別の国の攻撃力を使うメリットはアメリカにとって絶大である。日本が中国・北朝鮮を攻撃しても、アメリカは反撃を受ける心配が無くなるからだ。日本による攻撃に対する反撃がアメリカに及ばないようにするためには、アメリカが日本を非難していればよいのである。非難しつつコントロールしていれば、アメリカは安全に日本の核軍事力を使うことができるのである。反撃の心配がなければ、それを使いたくなるというモチベーションはあがるだろう。従って、日本の核武装によって抑止力が働くどころか、むしろ核戦争を誘発する危険が高まるだろう。(もちろん、アメリカが東アジア核戦争を現実に有用であると判断する状況になった場合の話である。アメリカに協力した揚げ句に、アメリカの都合でハシゴを外されて攻撃されたビンラディンやフセインを想起せよ)。
【議論の分かれ目】
従って、議論の分かれ目は、
1 日本の核武装が、アメリカにたいする攻撃力をもった核武装であり得るか、ということになる。つまり、安全装置を付けさせられるかどうか、外せるか、ということになる。
2 また、アメリカは東アジア核戦争を望んでいるか、将来望むような状況になるかどうか。
3 また、日本の軍隊が、アメリカの情報操作に対抗して、自国の利益のために適切に核兵器を運用・管理し、核戦争を回避するための政治的手腕を発揮することができるようになることを期待することができるか、
という3点が議論の分かれ目になるだろう。
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