★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK26 > 465.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□憲法って、ほんとに必要? [PJニュース]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2425041/detail
憲法って、ほんとに必要?
【PJニュース 09月09日】− 「憲法って、ほんとに必要?」なんて言えば、必要に決まっているでしょうという声が聞こえてくるようだが、最初から自明の理ということはない。憲法学者の百地章氏が著した「憲法の常識 常識の憲法」を読んで驚いたことが3つある。
何とイギリスには成文化された憲法典がないのだ。イギリスのような伝統のある国では、必ずしも成文憲法がなくとも民主国家は成立・維持できるということが驚きだった。もちろん、憲法以外のいくつかの重要な成文法が存在するとのことだが。
次に驚いたことは、世界で最初の憲法典は1787年に制定されたアメリカ合衆国憲法であること。つまり、アメリカが憲法制定の最初の国であったこと。アメリカの場合、伝統がないからこそ、国を形作るための規定が必要だったのだ。となると、日本は憲法制定の老舗の国から直接憲法制定の手ほどきを受けていたことになる。
そして最後に、世界の約190ヶ国中、憲法典(成文)を持たない国はイギリスなどの数10カ国に過ぎないこと。国家の統治が憲法にもとづいて行われるのが立憲主義で、今や世界のほとんどの国が立憲主義を採用していることについても改めて世界の統治の現状を再認識させられた。
そもそも憲法はなぜ必要で、何を目的としているのか? フランスではフランス革命(1789年)のあと、憲法を制定することによって、国民の権利を保障し、君主の専制的な権力を制約するようにした。明治憲法制定時、伊藤博文も「そもそも、憲法を創設するの精神は、第一君権を制限し、第二臣民の権利を保護するにあり」と明言している。
つまり、憲法は本来は独裁者から国民を守るためにあるのだ。にもかかわらず、時の政府が憲法の意味を勝手に解釈を変えて形骸化し、事実上無視するようなことがあるならば、それば憲法そのものの存在意義を大きく侵害しているばかりか、違憲ではないと言い張って正当化する口実にさえ使われるようならば、むしろ憲法などなかったほうがいいということになる。事実、過去の大戦時のドイツ、あるいは日本にも憲法は存在していたわけだが、はかなくも独裁政治を前にして何の効力も発揮し得なかった。
どんなにすばらしい憲法を制定しても、それを遵守する仕組みを作らなくては何にもならない。国民の総意を無視して恐慌(強行)採決で(国会決議が)押し通されてしまったり、それに対して国民がまったく為すすべがなかったり、そのような傾向が昨今顕著になってきているが、これは非常に危険な状況だ。
イラク派兵の直前に小泉総理はアメリカの軍事行動を支持すると言ってのけた。当時の日本のマスコミはこの発言に大きな反応を示さなかったが、この小泉総理の世界に向けての宣言は自衛隊を派遣したこと以上に大きな意味を持っていた。軍事行動を支持するということは軍事行動を行っていることに等しく、それは自衛隊を派遣するとかしないとか、自衛隊が軍事行動をしているとかいないとかということにかかわらず、戦争に参加していることに等しい。そして国民は当然そんなつもりは毛頭なかったのに、国民の総意であるかのように世界に宣言されてしまった。時の指導者の暴走を事前に阻止する仕組みを作ることこそが大切だとそのとき痛感した。
憲法の改正もいいが、同時に憲法を勝手に解釈しないような確固たる仕組みを作らなくてはならない。解釈が違えば全く違うものになってしまう。でなければ憲法ですら絵に描いた餅と化してしまうのだ。成文というものはそれほどはかないものだということを認識しなくてはならない。でなければいっそうのこと、ほんとうに大事なことは成文せずに不文にしておくか。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJニュースはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 和田牧夫【東京都】
この記事に関するお問い合わせ
パブリック・ジャーナリスト募集
2006年09月09日08時24分
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK26掲示板