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(回答先: ビラ配り無罪(東京新聞社説)【住民のプライバシーを口実に左翼や反体制を狙い撃ちしていることを曖昧な表現ながら的確に批判】 投稿者 heart 日時 2006 年 8 月 29 日 07:57:20)
ケッタイ(変)なことを言っていると感じた部分を赤字にしました。
http://www.asahi.com/paper/editorial.htmlより転載。
08月29日(火曜日)付社説
ビラ配り無罪 うなずける判決だ
マンションの各戸に政党関係のビラを配って回ることが、住居侵入の罪にあたるかどうか。これが争われた裁判で、東京地裁が無罪判決を言い渡した。
見知らぬ人間が出入りすることに住民が不安を抱く気持ちは分かる。立ち入り禁止を掲示したり、やめるよう言ったりしても効き目がなければ、警察を呼ぶのも手だろう。だが、ビラを配った人がそれで逮捕され、さらに23日間も拘束されるほどのことなのか。
今回の事件にはそんな驚きと違和感を禁じ得なかった。それだけに、罪にはあたらないとした判決にはうなずける。
判決によると、被告の住職、荒川庸生さん(58)は、オートロックのないマンションに玄関から入り、最上階から順に各戸のドアのポストにビラを入れて回った。配ったのは共産党の区議団だよりや都議会報告などだった。
マンションの管理組合は、部外者が共用部分に立ち入ることを禁止していた。1階には「チラシ・パンフレット等広告の投函(とうかん)は固く禁じます」などの張り紙もあった。荒川さんを見つけた住民は、呼び止めて抗議し、警察に引き渡した。
東京地裁は、次のような考えで無罪と判断した。
ビラを配るためにマンションの共用部分へ入ることが住居侵入罪になるとは、まだ社会通念にはなっていない。今回の場合、住民側は、政治ビラの配布も含めて立ち入り禁止であるとははっきり表示していなかった。
もちろん、配る側に節度が必要なのは言うまでもない。腕章など身分を示すものを着けるといった配慮があっていいし、嫌がられるなら1階の集合ポストに入れるしかあるまい。反感を抱かれるようでは元も子もないだろう。
しかし、そうした節度の問題と、配布していた人をいきなり逮捕して刑事罰を求めることとはまったく別の話だ。
自衛隊のイラク派遣に反対するビラを防衛庁官舎で配った市民団体のメンバーが逮捕され、75日間も拘束された事件を思い起こさせる。
この事件は一審で無罪だったが、二審で罰金刑の有罪判決が言い渡され、上告中だ。
政治ビラなどの表現の自由にかかわる行為をむやみに罰すると、言論自体が萎縮(いしゅく)しかねない。この種の事件が続くとそれが心配だ。
検察の中には、住居の安全性を重視するのが時代の要請だという考え方があるようだ。しかし、表現の自由は民主主義の基本であり、それを制限することにはよほど慎重でなければならない。
今回の事件にしても、そもそも荒川さんを拘束し続ける必要があったとは思えない。逃走や証拠隠滅の恐れがあったと言えるのか。住民が迷惑がっていると諭して釈放し、必要があれば任意で事情を聴けば済んだはずだ。
勾留(こうりゅう)を認めた裁判官も、その妥当性をもう一度振り返ってもらいたい。
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