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(回答先: 日経【日本漁船銃撃1人死亡・ロシア警備艇が拿捕 】 投稿者 木村愛二 日時 2006 年 8 月 16 日 17:10:54)
□[露漁船銃撃死亡]「危険操業」常態化が浮き彫りに|毎日新聞
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2329821/detail?rd
[露漁船銃撃死亡]「危険操業」常態化が浮き彫りに
北方領土・貝殻島付近の海域で日本漁船がロシア警備艇に拿捕(だほ)され銃撃で乗組員1人が死亡した事件は、カニ資源が枯渇する中で危険と隣り合わせの操業が続く北の海の厳しい現状を浮き彫りにした。ロシアの資源監視強化を背景に指摘する声もあるが、同海域でロシア側の銃撃で死者が出たのは50年ぶりなだけに、地元のショックは大きい。領土問題に展望が開けない中で起きた事態に日本政府は強く抗議すると同時に、今回の事態で日露間の信頼醸成が後退することを懸念している。
◇カニ激減、輸入増で…露は取り締まり強化
「銃撃されるほど緊張が高まっているとは思ってもみなかった。領土はいつまでたっても返らないし、この街はもう沈没しそうだ」。北海道根室市内のサンマ刺し網漁船の乗組員(46)は、あぜんとした表情を浮かべた。
根室半島周辺海域で花咲ガニの漁獲量が激減する一方、ロシアから“輸入”されるカニの攻勢を受け、危険覚悟で操業せざるを得ない――。今回、拿捕されたカニかご漁船「第31吉進丸」がどこでどのような操業をしていたかは不明だが、こうした日本漁船の事情を背景として指摘する声は多い。
根室市によると、根室半島周辺海域の花咲ガニ漁の水揚げ量は、93年の441トンをピークに翌年から激減し、ここ10年間は30〜120トンと低迷を続ける。それを補うのが、ロシア漁船が主に北方領土周辺海域で水揚げし、花咲港に運んで来るカニ。同市で9月上旬に開かれる「カニ祭」ですら、こうしたカニなしに開催できない。市内の業者(53)によると、今年はこのロシア産が「多い日で50トンも入ってくる」と話す。
そのあおりを受けるのが地元・根室の漁業者。先月末ごろから中間ラインを越えて操業する漁船が増え始めた。「次から次へと越境する船が増えたことは、水揚げ量で一目瞭然(りょうぜん)」(同業者)。半島の沿岸では1航海でわずか500〜600キロしか漁獲できないはずなのに「多くの船が6〜7トン持って来るようになった」(別の業者)という。
漁業を巡るロシア側の変化を指摘する声もある。漁業資源が枯渇することへの警戒から、当該海域での取り締まりや監視を強化している、との指摘だ。特に昨年から厳しくなり、今年はいったん緩和されたというが、今回の事件で強硬路線に変わりのないことが改めて示された。例年なら6月1日に解禁される貝殻島のコンブ漁も、今年はロシア側がなかなか交渉に応じず、解禁が1カ月近く遅れるという事態も発生。地元市議の一人は「原油価格の高騰などを背景にロシアが国力をつけ始め、再び強い姿勢に出てきている。転換期を迎えているようだ」と話している。
地元の衝撃は大きい。根室湾中部漁協の番匠悦雄参事(53)は「人命が失われたことについて厳重に抗議する」と語気を強め、歯舞漁協幹部は「越境する、しないの問題ではない。国民の命を守りきれなかったことについて国や行政は責任を感じるべきだ」と訴えた。【本間浩昭】
◇信頼醸成、後退を懸念…日本政府
「なぜ死者が出るような銃撃をする必要があったのか」。ロシア警備艇による漁船銃撃を受け、日本政府内には怒りと戸惑いが広がった。外務省はロシア側に強く抗議したが、日露双方が「領海」と主張する海域での事件。責任を追及しようにも北方領土問題の壁が立ちはだかる。ロシア側は昨年来、プーチン大統領が北方四島の領有を「第二次世界大戦の結果」と明言するなど領土問題で強硬姿勢を強めており、周辺海域で緊張が高まることへの懸念も出始めている。
麻生太郎外相は16日夕、ロシアのガルージン臨時代理大使に抗議後、「我々も領海内を主張するので、言い分はハナから違う。立場は異なることをきちんと向こうに言ってある」と記者団に語った。領土問題に絡めた議論は平行線になるため、銃撃の不当性主張に抗議の重点を置くが、漁船や乗組員がロシア側に拿捕されている状況で事実確認もままならない。
北方領土交渉は小泉政権になって「空白の5年間」といわれるほどに停滞。ロシアはその間に北方四島の開発推進と国境警備の強化による領有の既成事実化を図っている。2010年までの漁獲量倍増などを目指し約760億円相当の投資を計画。国境警備は03年11月からKGB(国家保安委員会=旧ソ連時代の政治警察)の後身、連邦保安庁(FSB)の管轄に移され、プーチン大統領自身の号令で最近、貿易分野にも監視網を拡大する政策決定がなされた。
そんな中で起きた今回の銃撃事件は、これまで築いてきた日露間の信頼醸成措置を後退させる恐れもあり、日本側は「プーチン政権が強い国家を目指す一環として発生したと言えるかもしれない」(外務省幹部)と警戒感を強めている。「領海内の密漁取り締まり」と主張するロシア側から陳謝や再発防止策などの前向きな対応を引き出せるかどうか。日本企業の経済進出などで相互依存関係も深まりつつある日露双方の外交努力が問われる。【モスクワ町田幸彦、大貫智子】
2006年08月17日00時03分
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