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千葉県木更津市の山林で「B29」搭乗員の慰霊祭  JanJan 2006/08/12
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投稿者 Kotetu 日時 2006 年 8 月 16 日 00:36:20: 7m23/iYy5J8l2
 

千葉県木更津市の山林で「B29」搭乗員の慰霊祭 2006/08/12

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 千葉県木更津市畑沢で8日、「B29搭乗員の慰霊祭」が執り行われた。あいにくの台風がらみの雨の中だったが、主催者側の予想より多い90名以上が参列したようだ。

 「B29搭乗員の慰霊祭」が、千葉県の田舎の片隅で行われたことには、説明が少し必要だろう。昭和20(1945)年5月29日、横浜大空襲に参加し、帰投中のB29爆撃機が木更津海軍の高射砲弾を受け、そのうちの一機が現在の君津市との境に近い当地の山林に墜落、搭乗員12名全員が死亡した。戦後の昭和26(1951)年になって、墜落地点の山林の所有者である影山金次氏(故人)が思うところあって個人で墜落地点付近に「B29搭乗員之墓」と刻んだ慰霊碑を建立したのだ。

 このことは、ごく親しい人の間だけでしか知られていなかったようで、影山金次氏のご子息、順一氏も父親の亡くなる数年前(昭和56年ころ)に初めて連れられて慰霊碑に参り、その存在を知ったらしい。このときには鎌で生い茂った草や蔓を刈り払いながら歩を進める状況だったという。 こんな状況だったのだが、どういういきさつからかアメリカ側はこのことを(どの程度かはともかくとして)承知していたらしく、戦後、「駐留軍」から慰霊碑の場所を案内するように求められた近所の人もいたという。また今回の慰霊祭について、アメリカ大使館に話を通じると、「この件については記録もあり、承知しているので慰霊祭には是非とも参加したい」との返事だった、とのことだ。

 「道無き道の奥の山林の中のこと」なので、慰霊碑の存在はほとんど知られることがなかったのは先述の通りだが、近年、高速・館山道の開通のために山林が開かれることになり、数年前に地元の山菜採りの人が偶然発見して、慰霊祭をという話しに発展した、とのことだ。

 影山氏宅敷地内で行われた仏教式の慰霊祭では、実行委員会の挨拶の中で「当時の敵国の戦死者の慰霊を行うことについて、日本遺族会の方々のお気持ちを思うとき私たちも躊躇を感じましたが」という裏話が明らかにされた。また順一氏は「父親の本当の気持ちは今となっては知りようがありませんが、私にとっては叔父である弟を戦死で失っているので、この人たちも同じ戦死者、戦争の犠牲者という思いがあったのでしょう」と述べられた。

 慰霊祭の後に車に分乗して、あるいは徒歩で慰霊碑の現場へお参りしたが、現在では雨の日でも容易に近づける状態になっていた。慰霊碑はごく普通の「小さめのお墓」という感じだった。
 実は影山氏は自宅に続く敷地で野外バーベキュー施設を経営しており、当日はそこを借り切る形で慰霊祭が行われたのだが、『お墓参り』のあとにはバーベキューを食べながらの『偲ぶ会』が行われた。そこでの話し合いの中では「(慰霊碑建立などは)時代を考えればなかなか出来ることではないよねえ」というのが大方の共通の気持ちのようだった。当時現場へ駆けつけた人の発言もあり、「予想以上に大きい飛行機だというのが第一印象だった、飛行機の胴体は半分にちぎられたようで翼も片方折れていた、放り出されるように外に出ている人もあり全員死んでいた」というような内容を淡々と話していた。
 
 今回の慰霊祭には地元の多くの人々に加え、アメリカ大使館駐在武官の空軍大佐、地元木更津駐屯の陸・海・空の自衛官なども参列した。多くの来賓が話していた「人種・民族・国籍を問わず慰霊する心」、そして中心となって慰霊祭を企画した実行委員会事務局長、後藤秀氏の「戦争の悲惨さ、平和の尊さを一緒に語り継ぎましょう」という気持ちは伝わったものと思われる。

(相澤学)
http://www.janjan.jp/area/0608/0608089265/1.php

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