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(回答先: 【関連】武力行使禁止 『綱渡り』裏付け―「東京新聞」 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 7 月 19 日 09:06:22)
社説:陸自撤収完了 サマワの経験どう生かす?
イラク南部のサマワに駐留していた陸上自衛隊のクウェートへの撤退が17日に終わった。隊員600人は近く帰国する。
「戦地」での2年半の活動にもかかわらず、1人の犠牲者も出さずに任務を終了できたことは、国民にとって何よりの朗報である。1発の銃弾も発射しなかったことも評価したい。
隊員が酷暑の下で極度の緊張を強いられたことは想像に難くない。任務にあたった計5500人の派遣隊員の労をねぎらいたい。
実際には、何回か隊員の身に危険が迫ったことがあった。宿営地を狙ったとみられるロケット弾などによる攻撃は13回に及んだ。路肩に仕掛けられた爆弾で陸自の車が損傷を受けたこともあった。
こうした危機も、日ごろの訓練の積み重ねがあったからこそ、乗り越えることができたのだろう。
人道復興支援では、医療支援活動に277回出動した。途中で打ち切られたが、市民への給水は5万3500トン。学校や公共施設、道路などの補修は133カ所にのぼり、その際、現地住民延べ48万8000人を雇用した。
この陸自の活動に地元からは感謝の言葉もあれば、不満の声もあった。日本国内では「自衛隊のイラク派遣は対米協力」との見方がなお根強い。
しかし、陸自の隊員以外の日本人が現地で活動することは困難だし、陸自にしても平和憲法の下で武力行使を禁じられ、多くの制約を受けながらの活動だった。
イラク軍に引き渡される宿営地から最後の部隊が撤収する16日、地代の確保などで不安を抱く地元の地権者らが宿営地前に座り込み、イラク軍の兵士が出動する騒ぎがあった。陸自には治安活動の任務がなく、隠れるように宿営地を後にするしかなかった。
クウェートで隊員を出迎えた額賀福志郎防衛庁長官は「自衛隊は世界の平和建設部隊として高い評価を得た」と語ったが、陸自の任務終了でイラク支援がすべて終わったわけではない。
航空自衛隊がなおとどまり、任務は拡大される見通しだ。空自はいつ、どのような形で引き揚げることができるのか。
陸自の支援を引き継ぐODA(政府開発援助)による火力発電所の建設などをどう進めるかも今後の大きな政治課題である。
いずれにしろ、陸自の活動が日本の国際協力にとって大きな体験であることは間違いない。
さっそく自衛隊を国際協力のために随時海外に派遣する恒久法の制定論議が浮上した。だが、陸自が無事に撤退できたからといって、恒久法に直接結びつけるのは飛躍し過ぎではないか。自衛隊の海外での活動は憲法の制約を受けることを忘れてはならない。
国際協力といえば、民間やNGO(非政府組織)も各国で地道な活動を続けている。自衛隊とNGOなどの協力をどう調和させるかも重要な問題だ。
政府はサマワの経験をさまざまな観点から検証し、国際協力のあり方を総合的に検討すべきだ。
毎日新聞 2006年7月19日 0時14分
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060719k0000m070152000c.html
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