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(回答先: <労働契約法>ホワイトカラーエグゼンプション,ついに制度化へ動き始める〜これも絶対阻止!(情報流通促進計画) 投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 14 日 20:04:55)
SAFETY JAPAN
森永 卓郎 第46回
残業代なしでただ働きを強制される時代の到来
〜 ホワイトカラー・エグゼンプションって何? 〜
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/46/index.html
トップ http://www.nikkeibp.co.jp/sj/index.html
ホワイトカラーの労働時間ルールを変えようという動きが進んでいる。その名を「ホワイトカラー・エグゼンプション」という。
エグゼンプションとは「除外」という意味。つまり、ホワイトカラーを労働基準法の労働時間規制から除外する制度である。
これまで、管理職でない限り、工場労働者もオフィス労働者も定められた一定の勤務時間を超えたり、休日出勤などをした場合は会社側が割増賃金を支払わなければならなかった。
現在の労働基準法では1日8時間・週40時間を超えた労働には、通常賃金の25%増、休日出勤では35%増の賃金を支払うことになっている。この規制対象から非管理職のホワイトカラーも除外してしまおうというのがホワイトカラー・エグゼンプションである。
昨年6月、日本経団連が発表した「ホワイトカラー・エグゼンプションに関する提言」では、ホワイトカラーにおいて“労働時間”と“非労働時間”の境界があいまいになり、ホワイトカラーに適した労働時間制度の構築が必要であると述べられている。
つまり、建前では、サービス産業化が進んだいま、サラリーマンの働きを時間だけではとらえきれないので、従来型の時間評価はやめて、成果評価でいこうということだ。
一見、なるほどと思えるが、そこにはおそろしいワナがある。経団連は規制除外とするホワイトカラーを年収400万円以上と提言しているのだ。つまり、ほとんどのサラリーマンが含まれてしまう。
経団連側の本音はホワイトカラー・エグゼンプションによって、残業代を払わずにすむことにあるのだろう。そうなると、深夜12時までただ働きで残業をさせられるおそれがある。サービス残業どころの騒ぎではない。
経団連は「残業代不払いや労働時間の長時間化が目的ではなく、裁量ある働き方を目指すのがホワイトカラー・エグゼンプション導入の狙いである」といっているが、そう簡単に納得できないほど課題が多い。
もし、ホワイトカラー・エグゼンプションが裁量労働制に対応する賃金制度なら、大半の社員が納得する成果管理システムが必要になるが、現状ではそれは難しい。多くの企業で成果主義がうまく機能しないのも、成果評価の納得性が低いからだ。
次に、ホワイトカラーといっても職種は事務、企画、ソフトウエア開発などさまざま。すべての職種に適応するのは無理がある。
そして、長時間残業させても残業代を支払わなくてすむならば、必然的に残業が増え、社員の健康面や精神面に負担がかかる。
また、共働きの場合、家事や子育てを担っている女性への負担が大きくなる。子供を産もうという意欲が失われ、ますます少子化に拍車がかかるおそれもある。
私はこの制度に関し、個人的には反対ではない。というのも、確かにクリエイターやマーケッター、デザイナー、インベストメントバンカーなどの専門職の仕事を労働時間で測ることは難しいからだ。
だが、彼らの収入は400万円という水準ではないだろう。1000万円〜2000万円以上という年収の専門職にはホワイトカラー・エグゼンプションを適用すればいいが、年収400万円のサラリーマンと一緒にするのは乱暴な話だ。
厚生労働省はホワイトカラー・エグゼンプションを実現するために、来年、労働基準法の改正を目指しているが、経済界と労組が対立して、まだ合意には至っていないようだ。
労基法の改正では、もう一つの議論もある。これはいい話だと思うが、大半の企業で就業規則に盛り込んでいる「兼業禁止規定」を無効にする改正だ。無効にすることはほぼ確定だという。
これまでも企業側が兼業した社員を処分し、社員が処分取り消しを求めて争う裁判が何度か行われてきた。その中で、一定の条件が満たされれば処分の取り消しを認める判例も生まれてきた。それは「ライバル企業で働かない」「勤務時間中に働かない」「本業に悪影響を与えない」という3条件である。
とはいえ、判例が確立していたわけではない。中には兼業禁止規定は無制限で適用できると考える裁判官もいる。したがって、法律で正式に兼業禁止が無効になり、自由になるのはサラリーマンにとっていいことだろう。
しかし、問題はホワイトカラー・エグゼンプションとセットになっていることだ。終電まで働かされても、給料が減る分、土日に兼業して取り返そうとしたら、それこそ休みはなくなる。
だから、この制度は年収の少ないサラリーマンを痛めつける制度なのだ。これからどのような改正案がまとまるのか注目しなければならないが、私は年収1500万円以上のホワイトカラーに適用すればいいのではないかと思っている。
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