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(回答先: 原子力空母配備「計算不可能な危険性を背負い込むのは紛れもない事実」(東京新聞社説) 投稿者 heart 日時 2006 年 6 月 16 日 21:12:44)
原子力空母母港化と上空飛行制限(米軍機編)
【写真】
空母入港時の護衛のヘリ。原子力空母でこれをやったら日本の原子力安全措置違反だ(05.12.12 横須賀航路)
原子力空母は動く原子炉であり、動く飛行場だ。位置関係から言えば、原子力発電所の屋根が滑走路になっているようなものだ。
日本の「航空機の墜落に対する安全施策」については、別稿(自衛隊・民間機編)で述べたとおりだが、ここでは「1988年版原子力安全年報別冊、Q&A」から引用しよう。
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問4 航空機の墜落に対して,原子力発電所等原子力施設ではどのように安全評価が行われているのでしょうか。
答1.原子力施設については,航空機による災害を防止するため,民間機と自衛隊機はともにできる限りその上空の飛行を行わないこととするとともに,その付近における一定高度(航空法に基づく最低安全高度)以下の飛行が許可されないこととなっています。また,在日米軍も,同じ飛行制限を遵守する旨表明しています。
このように,原子力施設に航空機が墜落するような事態が発生しないような措置が講じられています。
2.一方,原子力施設の設置許可申請等を受けてその安全性を審査するに当たっては,原子力施設への航空機の墜落についても検討が行われています。
具体的には,周辺の飛行場の状況,定期航空路の有無等から,必要があれば原子力施設への航空機の墜落確率の評価を行い,その結果墜落する可能性が十分低いことを確認できれば,設計上航空機の墜落を考慮する必要はないと判断しています。
航空機の墜落が想定される場合には,原子力施設への航空機の墜落の影響に対して当該施設の安全上重要な機器等の安全機能が保持され,重大な事故に至ることがないことについても審査が行われます。
3.なお,昭和63年6月伊方原子力発電所付近に米国ヘリコプターが墜落するという事故が発生しましたが,この事故を踏まえ,原子力施設の安全規制を担当する行政庁から関係省庁に対し,米軍も含め飛行制限の一層の徹底方を依頼しました。
米国側は,このような日本政府の申し入れに対し,今回の事故を契機に改めて在日米軍に飛行制限を徹底するよう措層する旨,回答しています。
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88年は、愛媛県の伊方原発のすぐ近くに、岩国から沖縄に向かう米海兵隊のCH53重輸送ヘリが墜落した年だ。ちなみにこの年報は内閣府原子力委員会が作成する原子力安全白書の前身だ。
当編集部で太字にした部分が、在日米軍も日本の安全措置を遵守するとしている部分だ。当然、この措置は原子力空母にも適用されなければならないから、米軍ヘリは日本の領海や横須賀基地などで、原子力空母の2海里(約3.6キロ)以内に近づけなくなる。ましてや原子力空母の甲板に着艦するなんて、もってのほかだ。
【図】武装ヘリが飛びまわって警護する(写真上)
空母が横須賀基地に出入りするとき、チャネルガードといって、空母の通る水路の両脇の陸地や空母の周りを武装ヘリが飛びまわって警護する(写真上)。これも原子力空母に代わったら出来なくなる。
原子力空母の在港時は、横須賀基地内の米軍ヘリポートの離発着も出来ないし、横須賀基地に入港している艦船のヘリも、離着艦できない。駆逐艦ラッセンが港内からヘリを飛ばしたときに、誘導電波が羽田の着陸誘導波を妨害したことは記憶に新しいが、今度はヘリを飛ばすこと自体が安全措置遵守違反となる。
原子力空母を横須賀に配備すると発表した駐日合衆国大使のシーファーさん、合衆国を代表して、在日米軍に原子力空母に航空機でもって近づいてはいけないという「飛行制限を徹底」するのでしょうね?
【写真】
ヘリを積んだまま入港したブルーリッジ。後に原子力空母がいたら、このヘリは離艦できない..(05.4.4 横須賀基地)
ヘリが運用できない空母なんて、ナンセンスな存在だ。そんな制限をせざるを得ないのは、空母と原子力推進の組み合わせが、日本の原子力安全措置に合わないからだ。
それじゃあ、日本の安全措置を見なおせばいい、なんて声がどこかからかかるかもしれない。いや、空母だけ適用除外にしてしまえばいい、と別の声がささやくかもしれない。
そんなことをすればどうなるか。安全措置を見なおせば、これまで原発が安全だといってきた根拠が崩れる。空母だけ適用除外したら、横須賀市や神奈川県がそんな原子力空母を受け入れられるはずがない。
通常動力空母で行ってきた航空機の運用も継続することを含めて、日本政府は原子力空母の受け入れを決めたようだが、それはこれまでの原子力安全政策が崩れていくことと同義だ。
飛行制限という安全措置を堅持したまま原子力空母を受け入れたいならば、「原子力空母の2海里以内の飛行禁止」を米軍に守らせるしかない。そんなことを米軍に約束させることができますか?
それが出来ないなら、原子力空母の横須賀母港化はやめるしかない。
(RIMPEACE編集部)
【写真】
06年6月8日、空母出港前に上空を警戒飛行する米海軍のSH60。この日、空母のすぐ近くに原潜が入港していた
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