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6月4日付・読売社説(1) [共謀罪]「本来の目的を見失っては困る」
http://www.asyura2.com/0601/senkyo22/msg/797.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 6 月 04 日 21:03:05: YdRawkln5F9XQ
 

(回答先: こんなにばらばらならば 共謀罪【西日本新聞社】 投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 6 月 04 日 20:57:09)

6月4日付・読売社説(1)
 [共謀罪]「本来の目的を見失っては困る」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060603ig90.htm

 政党が提出した法案の成立をその党自らが妨害するなどというのは、前代未聞の珍事だ。

 「共謀罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案を巡る民主党の動きのことである。

 混乱のきっかけは、与党がこれまで批判してきた民主党の修正案に突如賛成すると言い出したことだ。民主党は“丸のみ”するとの与党の提案を蹴(け)って、自身の法案の採決を拒否した。結局、法案は継続審議となる流れとなっている。

 与党も民主党も、犯罪の計画段階の謀議に加わっただけで処罰できる共謀罪の必要性は認めている。

 政府の法案に関する修正協議を通じ、与党は、民主党の修正案では「国際組織犯罪防止条約」を批准できない、と批判してきた。

 民主党案は、共謀罪の対象になる罪の範囲を「懲役5年超の罪」で「国際的な犯罪」に絞っている。だが、条約は「懲役4年以上の罪」と明記し、国際的犯罪に限定しないよう義務づけている。

 自民党の細田博之国会対策委員長は、民主党案賛成の理由を「条約の大命題はテロ防止だ。法律がいつまでも出来ないよりはいい」と言う。だが、麻生外相は「これでは条約は批准できない」と指摘し、政府・与党の対応はちぐはぐだ。

 与党が野党の主張を“丸のみ”した例はある。1998年秋に成立した金融再生法だ。しかし、これは、直前の参院選で自民党が大敗し、参院では法案が通らない「少数与党」状態だったからだ。

 与党は現在、衆参両院とも多数を占めている。自分たちの主張が最善だと思うなら、与党が用意する修正案を粛々と採決すればいいだろう。

 与党以上に不可解なのが、民主党だ。「対案路線」の趣旨からすれば、自分たちの対案を与党が“丸のみ”するなら、喜んで採決に応じるのが筋だ。

 だが、小沢代表は拒んだ。与党との対決姿勢を優先したのだろうが、対案は政略の道具なのか。それとも法案の成立阻止が真の狙いで、対案は形だけ用意したということか。理解しがたい対応だ。

 修正協議の混乱の責任は、“不完全”な法案を国会に出した政府にもある。

 政府の法案は、共謀罪を適用する「団体」の定義が曖昧(あいまい)だった。与党は、最初は「犯罪の実行が目的である団体」、次に「組織的な犯罪集団」と何度も修正を余儀なくされた。

 条約はすでに121か国が批准を終えている。日本が、テロや組織犯罪を未然に阻止する国際ネットワークの“穴”になってよいのか。本来の目的を、与党も民主党も見失っては困る。

(2006年6月4日1時32分 読売新聞)

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