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プロテスタントとの闘い
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投稿者 隣人 日時 2006 年 11 月 29 日 12:26:00: vTRc6NquZFvI6
 

(回答先: 「あらゆる者に対してあらゆるものに」 投稿者 隣人 日時 2006 年 11 月 28 日 12:31:43)

イエズス会にとって、増大するプロテスタントの力と闘うための主要な武器は教育と告解でした。
偶然と言ってもよいくらいですが、王や貴族たちにカトリックの教義を教え込むのに、新たに創設
した質の高い学校が、どんな布教活動よりもずっと効果的であることに彼らは気づきました。
16世紀には、領土内の宗教を決定する力を持っていたのは貴族階級でした。*
*(1555年のアウグスブルクの和議では、ラテン語でクイウス レギオ エイウス レリギオ[人民は
君主の宗旨を採用しなければならない]という規定が確立されました。)

ロヨラ自身も、「この修道会がローマの大義を促進するために行なえる善は、布教よりも我々の大学
での教育にかかっている」と述べました。イエズス会のエリート主義の学校は、将来、ヨーロッパの
支配者となる人々をおおぜい教育し、教化しました。彼らはひとたび権力を握ると、プロテスタント
信者を圧迫しようという気持ちになりました。初期のこの成功に勢いをつけたのは、告解に対する斬新
な取り組み方です。歴史家ポール・ジョンソンは次のように説明しています。「告解において、イエズ
ス会と告解を行なう権力者の間には、弁護士と依頼人の関係が存在した」。新しい取り組み方がより
人気を博したとしても驚くほどのことではありません。やがて、多くのヨーロッパの君主は専属のイエズ
ス会聴罪司祭を持つようになりました。それらの司祭は、自分たちが助言を与えるあらゆる有力者に
対してあらゆるものになる点で秀でていました。

イエズス会の聴罪司祭は道徳に関する事柄については寛大でしたが、“異端者”を扱うときには冷酷
でした。フランスのルイ15世についたイエズス会の聴罪司祭は、「体面を保つために」王の寝室と愛人
の寝室の間に秘密の階段を作るよう王に勧めました。一方、その曾祖父ルイ14世はイエズス会の聴罪
司祭に説得されてナントの勅令(フランスのプロテスタント信者、つまりユグノーに制限付きながら
崇拝の自由を与える法律)を廃止しました。このため、ユグノーに恐怖の波が押し寄せ、多くのユグ
ノーが虐殺されました。

ポール・ジョンソンは自著「キリスト教の歴史」の中でこう述べています。「とりわけ、イエズス会
はカトリックの権益が脅かされる場合には何らかの方法で道徳律は棚上げにできるという見解を持っ
ていることで広く知られていた。……イエズス会は、高い教育を受けて強固な動機づけを持ち、宗教的
対立による緊張のために道徳的な価値規準を混乱させてしまったエリート集団の際立った例である」。

二面性を持つ道徳観念にもかかわらず、いや、むしろそのために、イエズス会は反宗教改革運動の中で
主要な役割を演じました。創設後わずか41年で、教皇グレゴリウス13世はこのように書いています。
「現在のところ、異端者の撲滅のため神が形作られた手段の中で、あなた方の聖なる修道会以上に強力
なものはない」。柔軟性と高い地位にある人々に対する影響力は、“異端者”との闘いでは効果を上げ
ることが実証されました。

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