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(回答先: 謎の投資ファンド「スティール・パートナーズ」 [1] 【ネットIB】 投稿者 愚民党 日時 2007 年 5 月 24 日 23:38:22)
謎の投資ファンド「スティール・パートナーズ」[2]
村上ファンドを意識した戦略
この当時のスティール・パートナーズは明らかに村上ファンドを意識し、ある程度意思を通じていた。スティールは03年11月、明星食品の株式を10%取得したことを表明し、代表の黒田が明星の永野博信社長と面談。後に黒田は大株主として明星の社外取締役につき、資産の有効利用や株主価値の増大を助言していくことになるのだが、実はこのときスティールが手にした株とは、それ以前、村上ファンドが買い進めていた分を買い取ったものだった(村上が市場で放出したのをスティールが拾ったとみられる)。
村上は明星食品が資産リッチである半面、株価が安いことに気づき、明星食品株を買い進めて経営改善を提言していた。このとき(04年7月)村上がクレディ・スイス・ファースト・ボストン証券をアドバイザーにして構想していたのは、明星(チャルメラ)、サンヨー食品(サッポロ一番)、東洋水産(マルちゃん)の3社が合併するというラーメン業界大再編だった。東洋水産の井田純一郎社長は村上側と数度の秘密交渉を持ち、明星を飲み込む形で再編に乗り出すことにゴーサインを出したといわれるが、最終局面になって井田の実父の会長が猛反対し、再編構想は挫折している。
こうしてみると、スティール・パートナーズが昨年11月に明星にTOBを仕掛け、最終的に日清食品がホワイトナイトとして傘下に収めた経緯は、その出口戦略(イグジット)を含めて、村上ファンドを相当程度真似ているといえよう。
あるいはスティール・パートナーズの別働隊リバティ・スクエアは大阪の朝日放送の株式を大量取得したが、これも村上がニッポン放送株を買い進めていることを見習ったものだろう。日本の放送局は資産リッチな半面、株価は低迷。経営陣の能力も低く、攻めやすかったからである。
あくまで攻めの姿勢食品業界大再編か
ところが、06年1月のライブドアへの強制捜査が始まった後、スティールの内部では、今後の戦略をめぐって激論が戦わされたようだ。在日代表を務めてきた日興証券OBの黒田は、あまり戦闘的なことをすると、自分たちが真似てきた村上ファンドのように当局の目をひき、つぶされかねないと穏健な意見を主張したとされる。
黒田は、明星の社外取締役を務めていたことから分かるように、投資対象企業と一緒になって企業価値をあげること、つまり長期保有による投資を力説したのだが、リヒテンシュタインとニーダーマイヤーは違った。「村上ファンドがなくなった以上、日本でアクティビストファンドとして活動できるのは我々しかない。
むしろ敵対的買収を辞さないで積極作で行くべきだ」。結局、黒田は放逐され、現在ハワイに脱出し、自ら普賢キャピタルマネジメントを設立している。スティールは村上ファンドのこわもての遺伝子を継承することになったのだ。
この黒田追放後の06年夏以降、スティールの攻撃が本格化した。明星食品、そしてサッポロビール。次に狙われるのは、以下の保有銘柄の中からであることは間違いないだろう。アデランス(25%)、ノーリツ(15%)、江崎グリコ(14%)、シチズン時計(10%)、ブルドックソース(10%)、キッコーマン(5%)、ハウス食品(7%)。保有銘柄から見て、ソースと醤油の合併や食品業界の再編あたりが今後話題になる可能性が高いと思われる。
(おわり)
日時: 2007年03月11日 09:01
http://www.data-max.co.jp/2007/03/2_23.html
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