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(回答先: 東京地検、村上ファンド幹部を任意で事情聴取 【読売新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 6 月 02 日 07:39:23)
時代の寵児窮地 村上氏聴取へ 東京地検
村上世彰（よしあき）氏（４６）率いる投資ファンド（通称・村上ファンド）についに検察が動き出した。ライブドアによるニッポン放送株の大量取得をめぐり、村上ファンドが大量取得の情報を事前に知りながら同株を買い増していた疑いが浮上。証券取引法が禁じたインサイダー取引の可能性があり、東京地検特捜部は村上氏にこうした経緯の説明を求めるため、２日午後に任意で事情聴取する方向で調整を始めたもようだ。ヒルズ族のもう一つの顔が追いつめられている。
特捜部は証券取引等監視委員会と合同で捜査。すでに村上ファンド幹部らの任意聴取に着手しており、複数のライブドア関係者は、村上氏にニッポン放送株の大量取得を事前に伝えていたことを認めているという。
ニッポン放送株をめぐっては、フジテレビが昨年１月１７日、５０％超の取得を目指した株式公開買い付け（ＴＯＢ）の実施を発表。これに対し、ライブドアは同年２月８日の時間外取引などで発行済み株式の約３５％を取得した。
一方、村上ファンドの投資顧問会社「ＭＡＣアセットマネジメント」（平成１６年６月にエムアンドエイコンサルティングから名称変更）の大量保有報告書などによると、同社は１５年に発行済み株式総数の７・３７％を保有。その後も同株を買い進め、昨年１月５日時点で６０９万株（１８・５７％）を保有していた。
関係者によると、村上氏は前年の１６年１２月ごろから複数回にわたり、ライブドアの前取締役、宮内亮治被告（３８）＝証券取引法違反罪で公判中＝らから同社によるニッポン放送株の大量取得の意向を聞いていたとされる。それ以降、少なくとも昨年１月５日まで連日のように同株の買い増しを進めていた。
その後、ライブドアが２月８日にニッポン放送株の大量取得を公表してから、株価は急騰。２月末までに保有株の約８割を売却し、保有比率は３・４４％に下がっていた。
特捜部は、証券会社から村上ファンドの株売買記録などの任意提出を受け分析を進める一方、村上氏にインサイダー取引の疑いがあるかどうか見極めるため、村上氏本人の事情聴取が不可欠と判断したもようだ。
村上ファンドは「法令を順守しており、問題はないと考えている」とコメントした。
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≪モノ言う株主 インサイダー疑惑≫
時代の寵児（ちょうじ）に何が−。「モノ言う株主」として名だたる企業を震え上がらせてきた村上世彰氏。株主の存在価値を高めたと評価される一方、「違法スレスレの手法」との指摘もあがっていた。新拠点を置くシンガポールにいったん渡航しながら、突如帰国した村上氏。巨額の資金を動かして次々と仕掛けた企業買収の裏側が明らかにされようとしている。
「僕はしゃべりませんから」
先月３１日、シンガポールから中部国際空港に降り立った村上氏は、集まった報道陣を振り切るように足早に車に乗り込んだ。
今年３月、同国で投資会社を新たに設立し、拠点を移転。帰国は阪急ホールディングスによる株式公開買い付け（ＴＯＢ）が始まった阪神電鉄との交渉に臨むためとみられた。
旧通産官僚出身の村上氏は退官後の平成１１年、「村上ファンド」の母体となるエムアンドエイコンサルティング（現ＭＡＣアセットマネジメント）を設立。その後、上場企業の経営陣に直接面会して経営刷新を求める「アクティビスト活動」を分離、Ｍ＆Ａコンサルティングを設立し、村上ファンドグループを形成した。
平成１２年に不動産・電子部品会社「昭栄」の敵対的買収を仕掛け、一躍注目を集めた。１４年には婦人服大手「東京スタイル」の筆頭株主となり、大幅増配などの株主提案を行うなどして、国内初の議決権委任状争奪戦（プロキシーファイト）に発展。投資する企業の株式は「村上銘柄」と呼ばれ、村上ファンドが投資するだけで高騰するという現象も起きている。
「マネーゲームといわれても守銭奴といわれても、それが私の使命」と公言し、ニッポン放送、ＴＢＳ、阪神電鉄などの株を次々と買い進めた。
一方、ライブドア前社長の堀江貴文被告（３３）とは不透明な関係も指摘されてきた。
元会長が業務上横領容疑で逮捕された中古車販売のジャックホールディングス（現・ライブドアオート）は村上ファンドが一時、大株主だったが、昨年にライブドアが買収。
さらに堀江被告が昨年３月、日本外国特派員協会で行った講演で、ニッポン放送株の買い占めをめぐり、事前に接触したかを問われ「私が言ったことは『もし高い値段がついたらニッポン放送株をどうするつもりか』。彼（村上氏）は『売るのは当然だ』というふうに言った」というやりとりを説明。市場関係者らからはインサイダー情報にあたるのではとの指摘もあがっていた。
≪阪急「ＴＯＢ継続」≫
阪神電気鉄道の筆頭株主である村上ファンドに対し、東京地検特捜部が捜査を進めていることについて、阪神電鉄株の公開買い付け（ＴＯＢ）を進めている阪急ホールディングス（ＨＤ）は２日、「阪神電鉄の企業価値を毀損（きそん）するものではない。既定の方針通り、引き続き（阪神電鉄株の）ＴＯＢを継続して、経営統合を目指していきたい」とコメントを発表した。
阪急ＨＤのＴＯＢに賛同している阪神電鉄も、「引き続き阪急ＨＤとの経営統合に向け、協議を続けていく」とコメントした。
≪村上ショック 東証乱高下≫
２日の東京株式市場は、村上ファンドに対する東京地検の捜査が明らかになったことから、同ファンドが大量に保有しているとされる銘柄が軒並み大幅に下落した。この影響で日経平均株価も乱高下し、一時、１万５２００円台まで値下がりする場面があった。
このうち、同ファンドが９・９％保有するとされる松坂屋には売り注文が殺到し、午前中から値がつかない状態が続いている。他の銘柄は午後１時現在、ＧＭＯインターネットが前日の終値に比べて１８１円安の１２２９円、ＴＢＳは２００円安の２８６０円、大証ヘラクレス上場のＵＳＥＮは１９５円安の１５９０円などとなっている。
市場関係者は「村上ファンドの大量保有で値上がりを期待して購入していた個人投資家が見切り売りに出ているらしい」（大手証券）という。
阪神電気鉄道も値下がりしたが、阪急ホールディングス（ＨＤ）による株式公開買い付け（ＴＯＢ）価格が下支えとなり、１１円安の９３０円。一方、阪急ＨＤは村上ファンド側が阪神電鉄株のＴＯＢに応じるのではという思惑が働き、１１円高の６０３円と上昇した。
こうした村上ファンド関連銘柄の急落で平均株価は不安定な値動きを示した。朝方は、前日の米国株式市場の上昇を好感して平均株価は１００円以上値上がりしたが、その後、１万５２００円台まで下落した。
午後１時現在は、前日の終値に比べて６円５０銭高の１万５５１０円２４銭。東証１部全銘柄の値動きを示す東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）は７・５５ポイント安の１５７７・０１となった。
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【用語解説】インサイダー取引
会社内部の重要情報を知り得る立場の役員や取引先などの関係者が、その立場を利用して公表前に情報を入手し、株式や社債などの有価証券を売買する行為。証券取引法第１６６条は会社関係者の同取引を禁止、第１６７条は公開買い付け（ＴＯＢ）やそれに準じる行為での関係者の同取引を禁じている。違反者は３年以下の懲役または３００万円以下の罰金、またはその両方が科される。
http://www.sankei.co.jp/news/evening/03iti001.htm
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