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(回答先: 【元警察庁亀井静香の逆襲】 ホリエモン逮捕は、やはり「反小泉の反撃」 【岸田 徹 】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 2 月 17 日 19:02:29)
誰かは、闇か。
岸田 徹 【岸コラ】
2006年1月23日(月)
http://www.kishida.biz/column/2006/20060123.html
ホリエモンの特捜部捜査を動かした本当の理由について前回の【岸コラ】で探った。考えられることは3つ。(1)ホリエモンにやられた財界勢力と地検の恨み、(2)ポスト小泉をにらんだ、反小泉勢力の逆襲、(3)闇世界と株式市場との断絶。
さらに探ると、見えない勢力が浮かび上がる。
ホリエモンの企業研究の中で、去年の3月からライブドアはいんちき企業だと指摘し続けていた人がいた。公認会計士の山根治さんという方だが、「ホリエモンの錬金術」というブログで研究調査の結果を発表していた。ライブドアの有価証券報告書を2期分精査され、膨大な数字の中から、つじつまの合わない怪しい数字の指摘から、利益が出ていない会社の疑いが濃厚だと指摘したのだった。
このブログを見たマスコミからは取材の申し込みが殺到。ところが、山根さんはそのすべてを断ったという。9年前に山根さんご自身が架空の土地取引を装った脱税事件で当事者となり、検察とマルサがリークした情報をそのまま記事にしたマスコミの態度に疑念を持ち、傷ついたのが理由だった。
ライブドアの有価証券報告書からの類推と、ホリエモンの著書からの背景推察は見事だ。
その山根さんのブログは20回にわたるが、第3回目に注目すべき記事があった。去年の3月29日のものだ。ライブドアの手法には寝ぼけたコメントが多い中、この記事は鋭い指摘だと山根さんが太鼓判を押したもの。引用させていただく。
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株券の印刷が間に合わず、売り手が株券の受け渡しができないことを見越して、百対一の株式分割を繰り返したのが今話題の企業である。百対一の株式分割をすれば株価は百分の一になるはずが十八倍にもなる。下がる時期も分かっているから往復で大もうけだ。こんなのはたった今でも違法に決まっているようなものだが、現実には適法とされ、しかし問題だから改正が必要とのことだ。 ・・・
金融弁護士と金融庁に任せておくと、今やっていることは皆、適法とされる。米国は不公正取引を網羅的に捕まえる包括規定が大活躍するため、やましい行為に対する抑止力が働く。日本にもある包括規定を活用すれば、こうした行為はたった今違法だ。
「適法だが問題だから法改正」との見解は、害されている被害や損われている価値の回復や救済は行なわないことを意味する。司法が勇断を示さない限り、日本の資本市場、企業社会の劣化はとどまるところを知らないだろう。
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山根さんによれば、この記事は2005年3月15日の日本経済新聞「大機小機」の“盤側”氏のもの。このコラムは各分野の実務のスペシャリストが匿名で書いているようですとコメントしている。
実は、この「大機小機」という日経の欄は官僚が書いているものがほとんどだ。旧大蔵、旧通産の官僚が多いはずで、自分が担当する事柄について書くものだから、監督官庁の立場上匿名になっている。
私の推測では、この記事は旧大蔵官僚のものだ。省庁再編前は、大蔵省が銀行や証券会社を認可し、監督、検査をするというすべて行なっていた。ところが、自分で認可し監督するのでは天下りの温床となるとの指摘から、アメリカのように、認可するところと監督するところを別々にし、監督する部門として金融庁ができた。大蔵省は解体され財務省となった。
その後、金融庁は竹中さんの独壇場となり、アメリカ並みのこと細かい指導が行なわれるようになった。この記事からは、旧大蔵官僚の恨み節が聞こえる。大蔵省がしっかり監督する体制の時にはありえないことだと言いたげだ。
脱税調査の関係から、旧大蔵省と法務省の官僚の関係は割と深い。よく情報交換の懇親会も行なわれている。この「大機小機」の著者が、検察を動かした一人と見ることができる思いだ。
さて、もうひとつの闇の世界では、不思議な事が起きていた。「自殺」した元ライブドア管理部門の役員だった野口英昭氏の動向だ。
夕刊フジの記事によれば、野口さんは2002年の6月には現在のエイチ・エス証券に勤めだしている。エイチ・エス証券は安売り航空券で有名になったHISの澤田秀雄氏が山一證券系列だった協立証券を買収したもの。澤田さんが社長を務めている。澤田さんは「ベンチャーの雄」と言われ、自らも起業する青年には最大限のバックアップをしたいと語っている方だ。そのため、エイチ・エス証券もベンチャー企業のために株式上場の幹事証券会社として動くことを使命としている。
澤田さんのやる気を実務面から支えていたのが野口さんだった。多くの若い会社を上場させているが、気になる取引があった。それは去年の7月のことだった。
九州の熊本で経営再建中の九州産業交通のスポンサー企業としてエイチ・エス証券が決まった件だ。
九州産業交通は業績が思わしくなく、産業再生機構の支援の下で再建中だったが、その甲斐あって黒字化の目処がついた。そこで、スポンサー企業を再生機構が募っていた。それに名乗りを上げたのがエイチ・エス証券だった。旅行会社としてのHISが九州の交通網を持つ九州産業交通を取得できるのは有益だというのが名乗りをあげた理由だ。実際、買収後の10月にはHISから社長を派遣している。
その株の取得が気になる。産業再生機構は、九州産業交通の株式を67.03%持っていた。これをスポンサー企業に譲渡して、産業機構の手から外れることになっていた。九州での公共交通事業に理解を示し、しかもなるべく株を高く買ってくれる先を再生機構は望んでいた。そこに手を上げたのは、エイチ・エス証券ともうひとつ、地元熊本の有力企業である再春館製薬所を中心とする地元企業軍だった。
HISグループと再春館製薬軍との一騎打ちとなったが、地元では地元の有力企業が地元の公共交通網を維持してほしいとの要望が強かった。県知事もそのような陳情に沿って動いていた。
しかし、再生機構はHISグループに九州産業交通の経営を委ねた。第一の理由は、再春館製薬軍よりも株式買収額が高かったという事だが、別の理由もちらついたのかもしれない。
実は、再春館製薬所には暴力団が絡んだ事件が起きていた。
再春館製薬所には、2000年の5月に暴力団による嫌がらせの発砲事件が複数回あった。裁判では、発砲事件の動機を暴力団に厳しい姿勢で臨む再春館製薬に嫌がらせをしようとしたとされた。しかし、そこには謎がある。再春館製薬所の社長は九州警備保障の社長も兼務している。警備保障会社はもともと警察となんらかの関係がないと設立が難しい。明らかに再春館製薬は警察と良好な関係にあると判断できる。
そんな良好な関係先に暴力団が嫌がらせをするだろうか。しても仕方がないことだ。何らかの利権があるから嫌がらせをするわけで、暴力団だってむやみに人の嫌がることはしない。そんな疑惑が、妨げになったのかもしれない。九州産業交通は、HISグループの手に渡ることになった。おかしいと思うことは、その株式取得に際して起こった。
エイチ・エス証券はHISとともに投資組合をつくったのだ。その投資組合が株式公開買い付け(TOB)を行い、再生中の九州産業交通の株式の93.69%を取得した。取得額は約44億円。
HIS側は取得した株式の一部を第三者に譲渡することにし、HISグループは過半数を維持する予定だとそのときの読売新聞西部版に書かれてある(2005年10月8日)。
これは、不思議だ。もともとHISグループが過半数の取得を目指していたのならば、産業再生機構が持っている67.03%の株をそのまま譲り受ければいい話だ。わざわざ全株に近い株を買いつけ、その後に第三者に半分売却するというのはどういう事なのか。そこに投資組合をかませるやり方は、ライブドアの企業買収時のやり方と同じだ。
投資組合を間に入れるというのは、誰が金を出したのか分らないようにするためだと考えられるので、野口さんはその金を出した誰かと接触するために沖縄に飛んだのではないだろうか。九州の人が野口さんを沖縄に呼ぶことは想像できる。東京の人が沖縄には誘わないだろう。
野口さんの「自殺事件」には、投資組合の仕組みを明らかにされると困る人が、熊本にいたのではないかという疑惑を持たせる。
http://www.kishida.biz/column/2006/20060123.html
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