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(回答先: 【日経・神奈川】“町田ショック”市政襲う=横浜の実像=第4部 躓く中田改革・上 投稿者 どうして? 日時 2006 年 8 月 09 日 17:06:50)
躓く中田改革の全3回のうちの2回目です。WEBに掲載されていないようなので
全文転載いたします。
スピード重視でひずみ・揺らぐ「革新」イメージ
(転載はじめ)
横浜市の中田宏市長の肝いり施策であるゴミの減量策「G30」。ゴミの削減目標
を五年前倒しで達成し、焼却炉の新設も不要にした――その華々しい成果に汚点を
残す出来事が発覚した。
市は七月下旬、古紙や古布の買い取り業者ニ社を神奈川県警に詐欺容疑で告訴。
ニ社は市からの買い取り量を過少申告し、約二千五百万円の損害が発生したという。
現場では「業者の自己申告任せ」が常態化していた。
市は業者に引き渡す古紙や古布を正確に計量するため、このほど十三カ所ある
すべての集積所に計量器を導入。それまでは約半数の集積所にしか計量器はなかった。
市全域で古紙や古布の分別収集を始めたのは二〇〇五年春。一年以上にわたって
「甘いチェック体制」(落合昇・分別推進担当課長)が続いていた。
「一年でできないことは四年かけてもできない」。
中田市長の口癖だ。一期目から改革のスピードを何より重視してきた。だが、
態勢が整わないままの見切り発車が、あちこちでひずみを生んでいる。
五月。横浜市は保育園への入所を希望しているのに入れない待機児童数(四月一日
時点)が、三百五十三人と前年比で四五%減ったと発表した。待機児童数の解消は
改革の柱の一つだ。
しかし、それから一週間もたたないうちに、待機児童数の減少などを目的に市が
進めた市立保育園の民営化に「違法」判決が下った。市が段階的民営化を発表した
のが〇三年四月。社会福祉法人への業務の引き継ぎ期間はわずか三カ月だった。
横浜地裁はこの手続きについて「特に急ぐべき理由があったとは認められない」と
指摘した。
市は判決を不服として東京高裁に控訴したが、中田流のスピード改革はここでも
躓(つまず)いた格好だ。
中田市政への批判はこれまでの支援団体にも広がっている。焦点は、住民基本台帳
ネットワーク(住基ネット)。市は七月から市民約八十三万人のデータ送信を
始めた。希望者だけが参加する横浜方式から全員参加型に切り替えたためだ。
全国横並びに反旗を翻した中田市長の姿勢はその改革イメージとも重なって支持を
集めただけに、突然の方針変更に戸惑いの声は絶えない。
「市長の判断は納得できない」。三月の市長選で中田市長を支援した地域政党の
「ネットワーク横浜(ネット横浜)」など一部の市議が反発。市民団体からも批判の
のろしが上がる。
実は住基ネットに関して、中田市長のスタンスは終始一貫していた。「横浜方式は
安全性が担保されるまでの緊急避難的措置。法律で定められている以上、条件が
整えば全員の情報をつながざるを得ない」。市の審議会が四月に安全宣言した以上、
市長として従うのは当然、という。
国に対してもの申す中田市長の姿勢は“行き過ぎた”革新派のイメージをつくり
上げたのかもしれない。「中田さんは本来、自民党の穏健派より保守的な部分がある」。ある自民党市議はこう語った上で、二期目の中田市長と支援組織のあつれきを
予想する。
スピード改革の躓きと一人歩きしたイメージ。二期目の中田市政は、一期目の成果が
目立っただけに、その反動に悩まされている。
(転載おわり)
2006年(平成18年)8月10日日経・神奈川/29面神奈川・首都圏経済より