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WEB版には掲載されていないと思われますので、以下に全文転用いたします。
（転用はじめ）
“町田ショック”市政襲う ５３の公約議案提出ゼロ
自治体改革のモデルとのいわれる横浜市の行政改革が中田宏市長の二期目にして
躓いて（つまず）いている。懐刀といわれた東京都町田市の石坂丈一市長らの
略式起訴に加え、交通局の補助金の不正受給など不祥事が続発。保育園の民営化を
巡る裁判でも敗訴した（控訴中）。逆風が強まるなか、中田市政は足踏み状態から
抜け出せるのか。
「私自身の身近で業務を行っていた幹部職員が起訴されたという事実を大変重く
受け止めている」。町田市長選の政治資金パーティーを巡る問題で、北園義広・
前市長室長と町田市の石坂市長（前横浜市港北区区長）の二人が略式起訴された
八日。夏休みを返上して臨時会見に臨んだ中田市長はこう言って、深々と頭を下げた。
市は十日に開く市議会の調査特別委員会で内部調査の結果について報告する。月内にも
関係した幹部職員らの処分を決めるが、市政への痛手はこれだけではない。
神奈川県警から事情聴取を受けた市職員は百人規模に上る。内部調査や全職員を
対象にした組織風土のアンケート調査の取りまとめなど関連業務に追われた職員も
多い。本来の行政サービスに割くべき時間をとられ、「市は機能不全に陥っている」
との声が内外から聞こえてくる。
緑地保全のための新税導入、区役所窓口業務の民間委託、数年ごとに条例を見直す
ことを定めた条例の創設……。三月の横浜市長選で中田市長は五十三項目の
マニフェスト（政策綱領）を掲げた。一期目の改革の成果と自身を基に斬新な施策を
数多く盛り込んだ。
「二〇〇六年度中にマニフェストにすべて着手する」。再選直後の記者会見で、中田
市長はこう言い切った。
だが、町田問題で状況は一変。二期目で初の定例会となった六月議会でマニフェスト
に関する市当局の議案提出はゼロだった。ある有力市議は「市長は議会でOKになる
前提でしか議案を出さない。今は時期が悪いとみているのだろう」と指摘する。
「この一年はマニフェストを実行できないかもしれない」。中田市長は親しい市会
議員らにこんな弱音を吐いてもいる。
停滞しているのは市当局にとどまらない。横浜市の幹部経験者の指定席とされる
横浜商工会議所の専務理事職。五月末に市OBだった前専務理事が退任して二ヶ月以上
経つが、空白のままという異常事態が続く。
実は有力候補の市幹部が町田市長選の政治資金パーティーで発起人に名を連ねていた。
今回の騒動が一段落するまでは「動かそうにも動かせない」との見方が専らだ。
さらに、ここへきて市職員の変わらぬ意識まで露呈してしまった。市営バス事業の
補助金不正受給問題。交通局職員が、一定の条件を満たす不採算路線に対して市が
赤字を補てんする制度を悪用していた。
今後約十三億円が一般会計に返還されるが、関係者の処分が決まった今月二日、中田
市長は「公金に対し、実に軽い意識を持っていると言わざるを得ない」と嘆いた。
折しも市営バス事業は〇七年度での営業損益の収支均衡を目標に経営改革に取り組ん
でいる最中だ。
市は不正請求で中心的な役割を果たした二人を減給など懲戒処分とした。だが一人は
改革推進本部長という要職に残り、もう一人は降格とはいえ、バス事業の経営改善策
を調査・研究する担当部長に就いた。
魚谷憲治・交通局長は「不祥事を起こした人を全部外して仕事ができるかといわれれば
、私はできないと思う」と苦しい釈明に追われる。職員の間からも「世間から理解を
得られるのか」との声が相次ぐ。
開始以来、四年以上が経つ中田改革。不祥事の後処理に追われる今の姿には、改革に
奔走していたころの面影はない。
（転用おわり）
２００６年（平成１８年）８月９日日経・神奈川/２９面神奈川・首都圏経済より
阿修羅関連スレ
『改革』に揺れる横浜市立大 [東京新聞]
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/852.html
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