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政府発表の「いざなぎ景気に並ぶ」は、どこか、何かおかしい、胡散臭いと感じになっておられる
方も多いと思います。ごまかしを数字で実証します。
結論を言えば名目GDPからみると、いったん急落したGDPが小泉政権成立前のレベルに戻った
にすぎません。
下記表の名目GDPの数字をご覧ください。現在の「いざなぎ景気」のスタート地点は2002年2月
です。
小泉政権誕生は、2001年の4月です。実は小泉政権誕生して1年目に、景気は大きくガクンと落
ちたのです、意図的に景気を谷底へ突き落としたという見方さえできます。その谷底を景気回復の
起点にしているのです(2002年の名目GDPは、ここ10年間で最悪の年でした)。
小泉内閣成立前の5年間(96年〜2000年)の平均名目GDPは502.8兆円であり、成立後の
5年間(01年〜05年)では、平均495.2兆円です。
そして2005年の名目GDPは502.9兆円になっている。名目GDPで見る限り、小泉政権になっ
て谷底へ落ち込んだGDPが2005年になって、やっと10年前の状態に戻ったに過ぎないと言うこ
とを、「いいざなぎ景気並み」という大本営発表のごまかしの実態です。
GDPの推移(GDP単位:兆円)
暦年 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05
名目GDP 502.6 512.2 502.9 495.2 501.1 496.8 489.6 490.5 496.1 502.9
実質GDP 489.9 496.8 488.1 486.9 501.3 503.3 503.9 512.8 524.6 538.9
GDPデフレータ 102.6 103.1 103.1 101.7 100 98.7 97.2 95.7 94.6 93.3
(実質GDP、GDPデフレーターおよび日本以外のGDPについては、その2をご覧ください)
マスコミに登場する専門家やコメンテーターも、自民党の景気回復の大本営のごまかしに同調し
ています、まったく勉強不足です、そうでなければ、政権与党に媚を売っているのどちらかです。
これらの数字は内閣府が公表しているものです、野党の先生方も全く勉強不足というしかありま
せん。
この5年間で起きたことは、多くの中小企業が潰れたり、より小規模化した。また中流層に属して
いた階層の人々が、改革(人件費の節約)の美名?のもとに首を切られて、もの凄い数の人が失職
して低所得化した。
11月1日のNHKクローズアップ現代では企業の非正規社員の増大をとりあげていた。今や、企業
の非正規社員は1600万人いるとのこと、そのうち78%は年収199万円以下だという。この5年間
にリストラされた人たちが、再就職先では前職時の賃金の半分とか、三分の一が当たり前になって
いる。それでもなお、高齢失業者は就職口さえ閉ざされた人が多い。
生き残った企業は、収益が元に戻ってリストラ(首切り)による人件費のコスト削減効果が出て、空
前の利益をあげるに至った。だが、その利益は、死屍累々の犠牲者たちから、吸血したものです。
竹中氏の言う「努力したものが、報われる社会にする」というのは、嘘だったのです。小泉ー竹中
の改革路線を信じた国民が馬鹿だったのです。今も尚、多くの国民がそのごまかしの改革から目を
覚ましていない。