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これはSun Shineさんの投稿
Re: もっと突っ込めば、こういうことになるのでしょうか。NWOというような・・・。
http://www.asyura2.com/0601/idletalk20/msg/635.html
投稿者 Sun Shine 日時 2006 年 10 月 29 日 18:19:02: edtzBi/ieTlqA
へのレスです。下に沈んでしまったようなのでこちらに投稿します。
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Sun Shineさん、レスありがとうございます
現在の教育の諸問題を考えるにあたり、センター試験や前身の共通一次試験が教育にもたらしたものをあえて一言で要約するとすれば、「教育の市場化」ということでしょうか。「教育の市場化」を言い換えれば、学校の価値が偏差値や東大合格者数といった数字でしか語られなくなり、そのような学校に入る生徒の価値も(人格や個性より)偏差値のような数字で決まるようになった、ということです。
この「教育の市場化」の流れは、日本で新自由主義が大手を振って歩くようになった中曽根時代以前からすでにありましたが(共通一次試験は1979年より実施)、新自由主義が国民を階層化し、国民の連帯をズタズタに引き裂き、今日のモラル崩壊の一因となったように、教育の市場化は学生を受験戦争に駆り立て、偏差値を使い階層化し、学生間で相手を蹴落とすことを強要することで学生間の連帯をズタズタに引き裂いてしまったことは、小室直樹博士をはじめとする碩学が指摘している通りです。さらに学生の方も自分の「市場価値(=偏差値、学歴)」を高めることのみに汲々として、本来10代で学習しておくべき哲学やリベラルアーツなどをなおざりにして、結果日本に民主主義や市民社会などが根付かない一因となっていることは言うまでもありません。もちろん、現在問題になっている単位未履修問題も、「教育の市場化」の流れの中で問題にしない限り、単なるババ抜きや犯人探しで終わってしまうでしょう。
(余談ですが、ヨーロッパでは未だに盛んな学生デモが日本では何故起こらないかという疑問を抱く方も阿修羅にはおられるようですが、その答えとしては、日本では教育の市場化によるアノミー現象が少なくとも学生の間に蔓延してしまい、学生が分子化してしまったのに加え、学生も自分の「市場価値」向上に何ら寄与しない哲学や真善美、政治問題を一切考えなくなった結果であると考えるのが妥当であるような気がします。Sun Shineさんご紹介の資料のような、恐らく世界最高の知性が集まって立案されたかもしれない計画を(ドアの向こうから漏れ聞こえてくる声をもとに)推測したのではないか、と思える資料までいきなり飛躍するのはいささか大げさかもしれませんが、このような学生の総ヘタレ状態は、やりたい放題したい政治屋にとっては好ましいことは言うまでもありません。)
さらに現在俎上に上っている教育基本法改正問題にも、教育の市場化への悪しき流れを加速させようとする意図が透けて見えるように感じる箇所があります。その箇所を現行法と改正案を対比させるとこうなります。
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http://seijotcp.hp.infoseek.co.jp/edu0604.html
現行法 −(教育行政)第10条
1 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
改正案 − 第3章 教育行政 (教育行政) 第十六条
1 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
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これを見ると、改正案では教育は誰に責任を負って行うのか、という視点が欠落しているのが見て取れます。これを企業統治にたとえれば、現行法では「会社は株主のもの」と言っていたのが、改正案では「法律でお咎めが無ければ、何をしても構わない」と言っているような違和感があります。勘ぐれば教育基本法改正は、ウヨサヨが争点にしている愛国心などは目くらましで、本筋は企業や外資に学校法人経営に参入する道を開き、さらなる教育の市場化を促進し、学生の階層化分子化を徹底的に進めることで政府批判を封殺し、かつ植民地にふさわしい程度まで社会を劣化させる目的で行おうとしているのかもしれません。(うーむ、やはりSun Shineさんご紹介の資料と日本の動きは、関係があるのでしょうか…)