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(回答先: 徳川家から見た近代日本 幕府と長州の「戰ひ」は今日まで連綿と續いてゐる 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2006 年 8 月 27 日 03:45:01)
『明治よさらば 還ろう美の聖域へ』 荻野宏幸 著
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4895142272/
以下引用
>どうやらこの国は、ペリーの来航このかたアングロサクソン連合の極東戦略にはまり続けてきたらしい。日本の満州、支那大陸への野望を見てアメリカが描いたオレンジ計画という大規模な東アジア戦略が想定していた日本占領の後は、マスコミから、文部行政の深層にまで自己喪失の毒が廻った。そして茶髪の時代を招くや.藁でもつかむ思いなのか、維新政府の錯誤にしがみつき、靖国詣でを繰り返しては、民族の比類ない資質を、食いつぶそうとしている。
>立ち直る手だては、維新以降の人脈や「洋楽の徒」が拒絶し、見過ごしてきた江戸期以前のこの国に固有の営み、それを支えた価値の意識に立ち返り、選択の上で、その時代にふさわしい様式による復活に取り組む事である。利潤動機にゆがみ、自然環境を破壊して恥じない、これまでの粗末な工業化に寄りかかり、効率の走狗となって精神を消耗する事に見切りをつけて、完璧を求めて飛翔した感性、それが磨いた伝統の技法やデザイン資産に新しい命をかよわせ、粋を楽しむ洗練の気風などを取り戻す事である。猿真似と笑われても仕方ない模倣の時期をこえて、独自の文化を創造する世紀を切り開いてゆくことにしたい。
http://www.chukoji.co.jp/hanbai/mokuroku/mokuroku12.html
『明治よさらば 還ろう美の聖域へ』 荻野宏幸 著 A5判 300頁上製本 定価4,500円(本体4,286円)
現代日本の礎を築いたのは、戦後の民主主義と米国主導になる経済成長主義、さかのぼれば明治維新で始まる近代化の成功だとする主張が大手を振るっている。西欧発の工業技術・知識は確かに日本を豊かにさせはした。だが、江戸末までの民族の文化的伝統・礼節は地に堕ち、利益追求を至上とする公徳心のない輩が自然破壊と公害のばら撒きに邁進する。その姿は醜悪とさえ言える。どうしてこうなってしまったのか。
本書は、「明治維新以後の近代化」についての鋭利な批判・論考と、著者持論の「通信一般理論」の序説及び好評を博した「デザイン論」の改稿を併載。
【目次・内容紹介】
1.人類の視野で慰霊を
──軍国明治の象徴、靖国神社の性格を検証。現在の自民党一部首脳たちが、いまだに犯す過誤の根幹を鋭く指摘する。
2.吉田松陰と軍国日本の回顧
──維新政権の思想的拠り所となった松陰。その著作は若気と、時代が要請した狂気に彩られていると逐一検証。その危うさが現代に影を落としていると警鐘を鳴らす。
3.上杉神社に思うこと
──神仏分離令から廃仏毀釈に至る無節操な宗教政策は、維新後の国体思想とあいまって国家神道へと結実する。その結果がどうなったかを、上杉神社を実例にして論ずる。
4.荀子の性悪説を考える
──荀子の性悪説は、社会契約説や市場経済の裏にある功利主義に筋道が似ている。荀子を検討することで功利主義の功罪を明白にし、性悪説を今に生かす方法を探る。
5.瀬島龍三著『日本の証言』に反論する
──元大本営の参謀・瀬島による戦争責任の身勝手な弁明を論駁。彼の論拠の多くが「旧帝国憲法」にあることから、法そのものの歪みも検証。
6.通信一般理論序説
──絶対的信仰や先験的な悟性にはもう頼れない。最新科学の成果をもとに「新しい世界観」を試論として提示。1〜5章に至る考え方のバックボーンの表明でもある。
7.デザインと美の原点
──美醜の要件とは何か。前著『文明としてのデザイン』の内容を改めて推敲。功利主義が蔓延させた醜悪さを捨て「本当に美しいものは何か」を求めるべきとの痛切な主張。
著者紹介:荻野宏幸(おぎの・ひろゆき)
1928年東京生まれ。東京大学経済学部卒。日本航空で11年間勤務の後、博報堂に招聘されて社長室長、同社取締役(3期)を歴任し、依願退任。1974年以後、獨協大学、拓殖大学で広告論、デザイン論の講師を務めるともに、画家として4回個展を開催。
著書に、『文明としてのデザイン』『誰がための文明─荘厳な嘘を超えて』。絵本に『若い木霊』『祭りの晩』(いずれも文は宮沢賢治)。現在は画業に専念。