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(回答先: 黒人高校生の進路で大学進学率より将来刑務所に入る確率の方が80%も高いとありました.考えさせられます 投稿者 馬場英治 日時 2006 年 8 月 14 日 15:19:40)
馬場英治さん、レス、ありがとうございました。
黒人問題については深い問題が色々とありますが、少しだけ。
まず映画の高校は「オークランド高校」ではなく、「リッチモンド高校」です(笑)。リッチモンドの方がオークランドに比べると、まだ黒人のミドルクラス、ワーキング・クラスが多く、環境はいい方です。イースト・オークランドのスラム街に行くと映画のようなものではありません。
全米における黒人人口は約13%、そのうちの約29%が警察に捕まり、全米の刑務所に収監されている者の約半数が黒人です。これは警察が黒人を犯罪者に仕立てる傾向があるということと(LAでのロドニー・キング事件など)、黒人には保釈金を支払う能力がないということも大きな理由のひとつです(白人1ドルに対して、平均的黒人の収入は60セントといわれている)。
また犯罪のやり方も、大がかりで残忍な殺人はむしろ白人の方との定説もあります(大がかりな麻薬組織のボスは白人[ユダヤ系も含める]ですしね・・・笑)。
ちょっと古い資料ですが、2003年のAFDC(母子家庭[または父子家庭]生活保護費)の受給者の人種別割合は:黒人:39%、白人:38%、ヒスパニック(メキシコ系):17%、アジア・パシフィック系:3% です。
これからするとプアー・ホワイトも多いわけですが、彼らのことはあまりメディアで取り上げられないので、目立たないわけです(しかしこの映画「コーチ・カーター」中には黒人学生と一緒にバスケットをする犯罪者の父親を持つプアー・ホワイトの白人学生が出てきます。また妊娠した女子高校生の赤ん坊の名前は「フード・スタンプにしたら?」という同級生の会話も出てきます)。
いずれにしてもアメリカでは、ミドル・クラスが貧困層にドロップして、富裕層と貧困層の2極分化のギャップが益々大きくなって入るというのが現状で、黒人問題はアメリカ社会を映す鏡となっているというのが実感です。
またバスケット・ボールについて、少し。
黒人高校生のバスケット・ボール選手がNBA選手になれる確率:7,600人に1人
黒人大学生のバスケット・ボール選手がNBA選手になれる確率:15人に1人
黒人高校生のフット・ボール選手がNBA選手になれる確率:3,800人に1人
黒人大学生のフット・ボール選手がNBA選手になれる確率:23人に1人
ちなみに主演のサミュエル L ジャクソンは「黒人大学ののハーバード大」といわれるモアハウス大学を卒業している、黒人としての誇り高い、ばりばりのインテリです(あの大学ではスーツ、ネクタイ姿で授業を受けるとかで、今でも黒人インテリ女子学生のファンが多い。映画の中でもスーツ。ネクタイで登校するようにいっていますが)。
National Urban League,"The State of Black America 2005"
Lorraine Kee Montre,"Baseball Mum After Schott's Racial Slurs", St Louis Post-Dispatch