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(回答先: 戦後は1961年から開始。黒人とプアー・ホワイトの地位向上のため 投稿者 Sun Shine 日時 2006 年 8 月 11 日 08:29:16)
資料のご紹介ありがとうございます.
米国農務省の「フードスタンププログラム小史」大変興味深く読みました.
最初のFSPの試みは1939年〜1941年の正味4年間でしたが,成功裏に終わっ
たと評価されています.先日私は私のブログのコメントに「一方には国民全体に分配し
てもあり余るほどの食料があり(毎日廃棄されています),他方では餓死する人がいる
という現状があります.」と書きましたが,その答えがここにあります.
"We got a picture of a gorge, with farm surpluses on one cliff and under-nourished city folks with outstretched hands on the other. We set out to find a practical way to build a bridge across that chasm." (Milo Perkins)
時のUS農務省長官ミロ・パーキンスの言葉です.「農村には過剰農産物の危機があ
り,都会ではそれに手を伸ばしながら得られない栄養失調の市民がいる.このような
難問を前にした我々はこの断絶に橋渡しする実際的な方法を見つけることを始めた」
最初のFSプログラムが終了してから1961年のプログラムが開始されるまでの18
年間には相当の研究活動が行われ,報告書にまとめられ,また繰り返し法制化が模
索されたようですね.1959年には女性議員レオナ・K・サリバンの活躍でようやく法制
化されたようですが,ケネディ政権の誕生を待ってようやく実施に移されます.この後
の動きは基本的に制度の拡大と改良と見てよいと思います.
私が注目したのは,この制度で購入できる品目が国内産品に限られているということで
す.これは一種の農業保護政策であり,食糧自給率を高める効果があると思います.
グローバリズムに対するオルタナティブとして「地域通貨」という提案がありますが,
その考え方とも親和性があるような気がします.つまり,健全な地域経済を再建するこ
とに資するのではないかと思います.ある意味でこれは北朝鮮の先軍政治に匹敵する
アメリカの軍需依存経済を裏側から下支えするものであったかもしれません.いずれに
しても私は日本でも否応なしにこのような制度を導入するしかない時期が到来するもの
と見ています.少なくとも今から真剣に研究・検討すべきテーマであると思います.