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(回答先: 色々と・・・ 投稿者 考察者K 日時 2006 年 8 月 08 日 21:51:58)
米経済学者WW.ロストウが経済成長説を唱えました。投資率が10%上昇する過程において、生産性も上がり、一人当たりのGNPも拡大するということですが。この経済学者のバックにOSS(現CIA)のドノヴァンがいて、絶大なる後ろ盾を背景に、この経済成長説は支持されてきました。
そして、これらの産業革命はイギリスから始まり世界中に広まりました。主体にあるのは貿易による通貨差利益です。
国会議事録より
第051回国会 大蔵委員会 第28号
昭和四十一年六月二十四日(金曜日)
午前十時三十七分開会
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/051/0284/05106240284028c.html
アメリカの外交政策は、御承知のように、ダレスの反共一点ばりの政策からロストウの融和政策――融和というのは変ですけれども、共産主義あるいは共産主義国の工業近代化政策というものについては一応認めつつ、いわゆるテークオフ理論というのですか、そういうものを中心にしてアメリカは後進国開発の基本的な政策を出している。で、アフリカ銀行構想あるいは米州銀行構想、そういう構想のもとにアメリカの低開発国に対する政策が展開されているのですし、アジアにおけるアメリカの後進国援助計画も、そうしたロストウ的な考え方に基づいて展開されておるのですよ。ですから、ロストウ理論というものは単なる理論でなく、これはアメリカの対外経済政策の非常に重要なバックボーンになっているのです。そういうものを明らかにしなければなりません。
それから、一体日本の政府として、このアジア銀行ばかりじゃないのですが、インドネシアに対する緊急援助等もあるわけですが、一体このアジア、極東等において政府は低開発国を援助するにあたってどういう基本的な姿勢で、方針で行動しているか。前に福田大蔵大臣が、国民所得の一%程度援助するということを言われましたが、その金額もさることながら、これは諸外国から、日本の援助というものはいままではコマーシャルベースで、もうけ主義である、しかも金額も少ないと、いろいろ批判があったと言われて、福田大蔵大臣は金額については、前向きの姿勢で、国民所得の一%くらい、大体まあ五億ドル以上になると思うのですが、もう少し多くなるかしれませんが、しかし、それもさることながら、やはり基本的な考え方に基づいてやりませんと、国民のやはり税金負担になってきます。
たとえばインドネシアに対する三千万ドル緊急援助をやって、これはインドネシアのほんとうの開発に役立つのかどうか。どぶに金を捨てるような形の援助ではいけないんじゃないか。特にインドネシアの基本的な経済再建、今度ハッタという前の大統領が出てきて従来と違ったような経済政策をやるようでありますけれども、しかし、軍事費が四〇%も占めている、まあ韓国と同じような状態で、そうして経済再建なんていうことも、これ一体できるのかできないのか、三千万ドルくらいの援助で。もちろんこれは当面の、あのものすごいインフレでありますから、それを安定さして、人心を安定さして、それから本格的な再建にいくまでのつなぎ資金かもしれませんけれども、いろいろ専門家に聞いてみますと、一体この日本の政府はどっちを向いてだれに援助しようとしているのか。三千万ドル、しかもこれまでインドネシアへずいぶん各国が援助してきているんですよね、スカルノのもとへ。一体それが経済再建に役立たないで、最近見るようにものすごいインフレでしょう。そういう状態になっちゃった。そういうところに日本政府がなぜ三千万ドル緊急援助をするのか。国民の税金であります。しかし、これは協定に基づけば国会審議の対象になるのですけれども、あれ協定じゃないんですからね。条約、協定と違いますから、国会の審議の対象にならぬというような状態です。
したがって、そういう点についてももっと掘り下げて、この際アジア銀行に日本が加盟するにあたりまして、従来の日本のこの低開発国援助に対する基本的な考え方、方針というものをはっきり承り、間違っている点についてわれわれとしてははっきりわれわれの意見を述べて、それをたださなきゃならない、こういう状態にあるわけです。
それだけに、このアジア銀行への加盟及び出資の問題は、いろんな点で非常に重要な問題をはらんでいるわけですから、こういう点について、私もその点についてもっと詳しく具体的に質問をしてまいりたいと思うのですが、まあ社会党の基本方針としては、世界各国が軍備のためにたくさんむだな金使ってるんですから、軍縮をやって、そうしてその金を節約して、そうして東南アジアあるいは低開発国に思い切った援助を行なう。そうした世界的な、平和的な基礎のもとに、軍縮によって節約されたものすごいたくさんの金であります。そういうものを援助するという姿勢にならなければ、これは低開発国の開発は軌道に乗らないと、こういうまあ社会党の方針です。ですから、これは社会党の軍縮に関する考え方、平和に対する考え方と切り離すことができない、そういう立場にあるわけです。
そういう点についてはこれからまた同僚の議員からも詳しく質問があると思うのです。私はまあこの点についても質問いたしますが、さしあたり一般会計への外為会計からの繰り入れ、それとアジア銀行に対する出資、それから韓国とのオープン勘定における債権処理に関連して、外為会計の運営に今後かなり大きな変化が生じてくるんじゃないかと思いますので、まずその点から質問してまいりたいと思うのです。
そこで、今度のこの改正法によりまして、外為のインベントリー・ファイナンスとして積み立てた資金が少なくなるわけですね。その結果、外為の運用益というものは非常に減ってくる。つまり、利息がつかない、資金がそれだけ減ってくるわけですから。そこで、外為会計の採算に大きな変化が出てくるわけですね。たとえば四十一年度特別会計予算でわれわれに配付された予算参照書に外為の損益計算書が示されておりますが、これを見ましても、三十九年度の特別会計の利益が三十八億九千万円、約三十九億であった。それから、四十年度が三十六億四千五百万円。ところが、四十一年は一億六千六百万円に激減しているわけですよ。どうしてこんなに外為会計の利益が激減するか、その理由いかんということを伺いたいのです。
それに関連して、私の要求した資料を大蔵省当局が出されましたから、すなわち、私の要求しました四十一年度外為会計の採算につきまして資料を出されましたから、この資料に基づいてなるべく詳しく、なぜ四十一年度においてこの利益が激減するに至ったのか、その事情を詳しく説明していただきたい。その説明に基づいてまた質問をしてまいりたいと思うのです。まず、四十一年度外為会計の採算について詳しく説明していただきたい。
○政府委員(村井七郎君) 三十九年度、四十年度までは三十数億の益を出しておりましたことは事実でございますが、四十一年度においてそれが激減しておりますのは、いろいろ理由がございます。
まず、歳出の面でございますが、この増加要因といたしまして、今後貿易規模がますます増大してまいりますので、わが国の外貨準備約二十億ドルをもっていたしますれば、やはり場合によってはその振れに対する対策というものを講じておかなければなりませんので、IMFに万が一の場合を想定いたしまして当然の権利でございますいわゆるゴールドトランシュを借りるという計算をいたしますと、それの手数料、それから金利というものを一応安全弁として予算上は見込んでおるわけでございます。これが四十一年度におきましては十五億を一応見込んでおりますが、従来はそういった支出は、三十九年度、四十年度におきましてはなかったわけでございます。
それから、第二の理由といたしましては、先ほど来先生が御指摘になっておられますインベントリーの取りくずしの関係でございますが、これによりまして、やはり外為証券の発行増加が見込まれますので、借り入れ金利子の支払いが増加いたします。それをさらに内容を申し上げますと、百六十一億円は、すでにこれはことしの三月の末でございますが、二十五日でございましたか、IMFの増資払い込みでもってインベントリーを取りくずしております。これが四十一年度に全面的に期間的にかかってくるという点が第一点。それから、第二点といたしましては、アジア開銀の出資の一年度分の払い込み現金分一千万ドル相当の三十六億円というのが、これもインベントリーから払い出すということに相なっております。それから、一般財源充当分といたしまして百七億円、これは従来のインベントリーの千二百五十億円の分からいろいろアジア開銀、IMF、それから過去におきますインドネシアの債権棒引き等、それから日韓の二年度分を差っ引きまして、結局インベントリーとして残る残余でございます百七億円というものをインベントリーからくずすようにしております。そういったインベントリーの関係がございまして、外為証券の利子の支払いが増加する。
それからなお、国庫余裕金も、近来の状況に照らし合わせまして、余裕金が見込めませんので、四十一年度としてはそういう無利子の金をゼロと見込まざるを得ないという事情がございます。
それから、さらにもう一つの理由といたしましては、四十一年度におきまして外貨が、大蔵大臣勘定の外貨の手持ちは三千万ドル増加する、外貨準備が増加するという想定をいたしますと、この分は百八億円の円資金をさらに要しますので、その外為証券の発行増加による利払いの増加というものを見込まなくちゃならない。
これが歳出面におきます増加理由でございます。
歳入の面におきましては、これは近来外貨利子の若干の増加等がございますので、若干は増加いたしますが、歳出増の部分が何ぶんさように大きくございますので、従来の実績に比較して利益が非常に激減した数字しか見込めないという状況でございます。
○木村禧八郎君 ただいまの説明をもう少し詳しくしていただきたいと思うのですけれども、予算参照書に出ている数字と、それから資料として提出された数字との間に開きが出てきているわけです。その点も説明していただきたい。
○政府委員(村井七郎君) 御指摘の点が、必ずしも私は了解し得なかったのでございます。たとえば、予算書に出ております面と四十年度におきます違いというものは、実は一つございます。予算書では、四十年度の話でございますが、三十六億の予算上の利益を見込んでおりましたが、実際上はこれは五十二億という益が生じまして、この分が、決算の結果でございますが、生じましたので、積み立て金利子が予定より四十一年度におきましては、その分だけ、八千八百万円でございますが、ふえるという計算になるかと思いますので、予定より毛若干これを上回る、四十一年度における利益は上回るということになろうかと思います。
○木村禧八郎君 要するに、四十一年度の予算書のほうでは、利益が一億六千七百万ドルであるけれども、見込み額が二億五千五百万ドル、それが先ほどお話ししたように、運用益、アメリカで金利が高くなったということから、当初見込みよりも運用益が多くなる、要するにそういうことなんですね。
○政府委員(村井七郎君) その部門も若干はございますが、主として、四十年度の予定額におきましては、IMFの関係で実は五億四千九百万円見込んでおりましたが、これを実際上は借り入れを行ないませんでしたので、その分だけがふえてきた点がございます。それからさらに、いろいろな支出増その他ございまして、若干の変化が、増加・減少要因、両方に働いたということでございます。
○木村禧八郎君 それから、インベントリーの関係は、結局、前にドッジ・ラインのときに、外為証券で調達していい分を、インフレを急速にストップさせるために、税金収入で外為の短期資金をまかなう必要があるというのでやったわけですね。これは外為だけではなく、貴金属特別会計、食糧管理特別会計、全部そうです。それで、さっきお話を聞きますと、インベントリーとして積み立てた税金、これはなくなるということになるわけです。そのほかの、食糧証券のほうはなくなったように思うのですが、それから貴金属特別会計もやったわけです。それはどうなっているか。もう食管のほうはないのかどうか。そういうことと、それから千二百五十億のインベントリーが、結局その後、さっき説明がありましたように、インドネシアに対する援助とか、それから一MF投資払い込み等々で、結局幾らになるのか、そうしてそれが今後結局どういう形でなくなっていくのか、その点を計数的にちょっと説明してください。
○政府委員(岩尾一君) 最初に、インベントリーの関係でございますが、先生御指摘になりましたように、ドッジの際にインベントリーを行なったわけでございます。その際のインベントリーの対象にいたしましたのは、この外為会計と、それから貴金属特別会計、それから食管、この三つでございます。そこで、外為のほうは、いま御審議いただいておりますように、二十六年以前に百億ほど入れた金がございますけれども、二十六年以後の金を合わせまして千二百五十億というインベントリーが入っているわけでございます。それから、貴金属は七十六億でございましたかの金を入れております。それから、食管には二十四年から二十六年の間に二百七十億の資金を入れておるわけでございます。
そこで、このインベントリーがどうなったかというお話でございますが、インベントリーというのをどういうふうに解するかということになるわけでございますけれども、われわれはいわば手持ちの資産というものをふやすために一般会計の金を入れていくというような意味に解しておるわけでございます。そういう趣旨でいいますと、外為の円資金の不足ということに対処いたしまして、その円資金を入れるために一般会計の税金を入れてきた、こういうことで千二百五十億の積み立てができたわけでございます。それから、貴金属のほうは、実はこの会計につきましては繰り戻しつきで金を入れているわけでございます。そういう意味におきまして、厳密にはこれはインベントリーと言えるかどうかという点に多少疑問がございます。われわれといたしましては、事務屋の段階ではインベントリーではないんじゃないかということで、現実にもう七十六億の金の中で実際にその法律の繰り戻し条件に基づきまして繰り戻されているものが三十六億ぐらいございます。したがって、若干貴金属には残っておりますけれども、これはインベントリーじゃないんじゃないか。それから、食管の二百七十億でございますが、これは先生御承知のように、最初はいま申しましたようなインベントリーのつもりで入れたのでございますけれども、その後は損失補てんということで食管の赤字を一般会計から埋めていくというふうに転化したわけでございます。そういう意味合いで、この食管の分についても厳密な意味でのインベントリーとは言えないんじゃないか。あと、やや似ておりますのは、この前御審議いただきました農業近代化資金でございます。これは二百七十五億の繰り入れを行ないまして、その資金の運用利子をもって補助に充てるという形にしたわけでございます。これは御審議いただいたように、十億を残しまして全部取りくずしたわけでございます。したがって、今回千二百五十億の外為会計につきましてのインベントリーを取りくずしますと、いわゆるインベントリーというふうに私どもの申しておりますものにつきましては、農業近代化の事業を除きまして、全部取りくずされているというふうにわれわれは解しております。
それから、外為の千二百五十億でございますが、これは先生のお話しになりましたように、まずインドネシアの債権を放棄いたしました。この分で元本を落としております。これが六百三十六億でございます。それから、アジア開銀につきまして百八十億の出資をいたしております。それから、昨年御審議をいただきました一MFにつきまして百六十一億の出資をいたしております。それから、今回御審議をいただいております日韓のオープン勘定につきまして百六十四億六千万という数字を落とすわけでございます。さらに、それだけ落としますと、残ります金が百六億九千万でございますが、この百六億九千万を一般会計に入れていくということで、数字といたしましては全部なくなるわけでございます。ちょうど。ただ、アジア開銀の百八十億と申しますのは、これは五年間に出資をするわけでございます。それから、日韓オープン勘定のみなす財源を落としますのは、これは十年間でございます。したがって、その五年間あるいは十年間がたった後において完全になくなる、こういう意味でございます。
○木村禧八郎君 わかりました。そこで、大蔵大臣に、せっかくおいで願っておるんですから、御質問しないのも失礼ですから。このインベントリー・ファイナンスですね、さっき岩尾さんからもお話がありましたが、これはいろいろ意見があると言いますけれども、これは理屈としてはいろいろあるでしょうけれども、しかし、経過から見るとはっきりしているんですね。ドッジが、短期証券で泳げばいいものを、なぜ税金でわざわざ資金を調達しなければならなかったのか。あの当時の説明では、急速にインフレをストップさせるには少しブレーキをかけ過ぎるくらい超均衡の政策をとる必要があるというので、従来は食糧証券とか外為証券で泳いでいたものまでも、税金でその資金を調達したということなんです。資産見合いの資金と言っておった。そういうところを見ると、それがインフレに対するいろいろな影響等から考えてみると、資産見合いの資金、ファイナンスでしょう。ですから、貴金属特別会計に幾らあるというけれども、あれを売れば金が入ってくるのですから、だから、やはりあれは税金でもあり、そこのところは非常に議論があるでしょうが、やはりインベントリーの私は経過から見てみるべきだと思うのです。そこのところ、大蔵大臣、ここでインベントリーは、さっきの貴金属特別会計のインベントリー・ファイナンスを若干残して全部なくなるわけです。そうすると、今後インベントリー・ファイナンスというものは、大蔵大臣はここでやめてしまうのかどうか。ことにこれは金繰りとしては短期的なものです。これをやめるなら、どうしたって外為証券を多く発行しなければならぬでしょう、どうしたってそういう場合。それから、まあ外為の運用管理からいっても、利息のつかない金がなくなるのですから、それにかわって外為証券、五分八厘ですかの利息のつく外為証券を発行しなければならぬ。そういう外為会計の運用にもいろいろな影響あるでしょうけれども、特にこの点は、公債発行に踏み切られて、今後インフレの歯どめですね、歯どめというのはいろいろ考えていかなければならぬわけでしょう。われわれは公債発行について反対したのですが、発行してしまった以上、またわれわれが反対しても今後発行されるでしょう。そういう場合、私はやはり歯どめとしてそういう機能というものは残しておいたほうがいいようにも思うのですけれども、全然これはやめてしまうのかどうか、その点を大蔵大臣に。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ、未来永刧の議論といたしました場合に、私はインベントリーというものを廃止するのがいいのだとか、存置するのがいいのだとか、そういう一方的な考え方は立てにくいと思うのです。結局、これはそのときの財政経済の事情に即してやっていかなければならぬものと考えます。当面一体、それじゃここ数年間一体どうだ、こういうことになれば、これは御承知のように、これは公債政策が採用されていくというそういう事態において、租税収入があり余るということは私はないのじゃないか。まず公債の発行額が減る、こういうことになる。それから、なお余剰があれば減税というものもしてみたい、こういうふうに考えるわけであります。したがいまして、現実の問題として考えました場合におきましては、インベントリーは当分考えられない、こういうことになろうかと思います。まあしかし、資産、負債、これは見合う状態には置いて、外国為替特別会計の運営が健全に行なわれる、こういうことは堅持していきたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 実際問題として、大蔵大臣御答弁になったのですけれども、このインベントリー・ファイナンスの考え方はドッジの着想であったわけです。そうでしょう。ですから、そういう食管会計でも、資産見合いの金融の場合は、原則として従来は金融でやっていたわけでしょう。というのは、農民から買い上げたお米を売れば、あとでお金が入ってくるわけですからね。それが通貨膨張になっていろいろ影響を及ぼすのは、期間としてはかなり短期間ですよね。米を買って、そして売るまでの間、通貨が膨張するわけですよね。だから、ドッジは、その短期の通貨膨張までも押えなきゃならぬと、二十三年のあのインフレを押えるには――そういう考え方であったわけですよね。それ以前は食糧証券で短期資金を調達して農民から米を買ったんだし、それから、外為会計でも、為替の調達資金は外為証券でやっていたわけだ。ですから、原則として税金によってインベントリー・ファイナンスを行なうという考え方は、超均衡予算になるわけですよね。そういう関連で質問してるんですよ。ですから、当分やらないとか、そういうことではなくて、じゃ、大蔵大臣は、これを存置したということは、将来悪性インフレが起こる可能性があるかもしれない、そういうときにはドッジがやった超均衡予算的な措置としてインベントリー・ファイナンスという制度を残しておくというお考えなのかですね。ですから、これは制度的に私は非常に変則だったと思うんです。それについてのお考えを承りたい。まあ実際問題としては、当分インベントリー・ファイナンスをやるような事態はちょっと考えられないと思うんですけれども、そういう点はどうなんです。
○国務大臣(福田赳夫君) だから、理論的に申しまして、超均衡予算がいいとか悪いとか、これは私は一がいには申し上げられないと思うんです。そういう手段としてのインベントリー、現に、為替資金とは違いますが、農林公庫に対しまして政府は金融の財源を租税財源から賦与していますね、ああいう行き方もあるわけなんです。そういうようなことを考えて、理論的にどうもこれは悪だ、そういう行き方は悪なんだという考え方はとりませんけれども、当面、予見し得る時点におきまして、私は超均衡予算ということは考えておりません。また、これがためのインベントリーということは考えられないと、こういうことを申し上げておるわけなんです。
○木村禧八郎君 次に伺いたいのは、さっき岩尾さんからもお話がありましたが、貴金属特別会計の一部は残っていますが、これは議論があるとしまして、インベントリーの資金は大体なくなる。そうなると、四十一年度は百七億ですかね、一般会計に繰り入れましたが、来年はこれはないんですよね。繰り入れがなくなるということになると、いままで大蔵当局は方々からいろいろかき集めて、そうして税収不足を調整しようとしたようですが、今度はインベントリーがなくなってしまうと、公債に依存する度合いが大きくなるんじゃないかというふうに思うんですが、どうなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、政府の歳出を、投資的経費という建設勘定ですね、そういうものと、行政勘定というものに当面分けて考えていきたいと、こういうわけです。そうして建設勘定、投資勘定は公債財源によることができる、こういうたてまえにして、行政勘定のほうは租税収入でこれをやっていく、余裕があれば建設勘定のほうにもこれを使う、こういう考え方をとるわけです。それで、これからの財政ははっきりそういうふうに二つの系統に分けて考えていきたいと、こう考えるのであります。
そういうことで、租税収入の推移、また行政費のふえ方、また建設勘定、つまり投資的経費のふえ方というものの趨勢を考えてみまするときに、まあ租税収入は、その場合大体において行政勘定の財源になります。それから、その行政勘定の租税を財源とする収支を考えてみるときに、昭和四十二年、いま御指摘のインベントリーとかなんとかはございません。そういうようなことを考えると、非常に窮屈になる。で、四十三年度も同じような趨勢が続くように思います。四十四年以降になりますと、だんだん楽になってくる、こういうふうに考えておるわけであります。四十二年という年は、そういう見方からいたしまして一番窮屈な年になるので、この窮屈な年をどういうふうに切り抜けるか、いま頭を悩ましておるところでございます。
○委員長(徳永正利君) 速記をとめて。
(引用終了)
このロストウの経済成長説は債権放棄という形を取り、なんとIMFの金立て商品にまで手を広げ、まんまと貸付を焦がした(税金入り)。投資が持続的に成長する過程では運用益は上がるがインフレが巻き起こり、金庫内資金が空になることがこのとき既に証明されていたのです。
しかしまあ、この金本位制まがいのインフレ商法は一向に消滅しない。これはつまり、専制国金融法として、正当な運用と定められているからであり、金庫内資金を空にしたとき、その国の銀行を買収しやすくなるという買収理論でもあり、植民地支配法に則った金融法ではと考えています。
なぜ、金庫内資金不足、債権放棄になるのかはずばり、通貨差益を利用した非不胎化政策だからです。こうした運用は安値で買って高く売却してますから、顧客は利益を得ますが、通貨益を出す側の損失となります。そして、ドル高で債券価格が高騰しても、円をドルに変えてドルを買い、ドル建て資産を売却して、円で受け取るものならば、やはり、円で利益を得たことになり、銀行は顧客を儲けさせたことになります。そして、逆に銀行が率先して、通貨差利益を受け取る場合も、市中に撒かれた円で利益を得てるわけですから、金が金を生んだのではなく、金を奪ったと理解したほうがよさそうです。
しかし、往年の価値観では、この奪った金を、民間に貸付け、それで生産が上がるなら良しとしてますが、インフレ蔓延で、暴落を恐れ、民間からの資金需要(借り入れ)が激減すると、盗んだままの状態に陥り、市中に紙幣が不足し、国内債権が取り立てにくくなります。
この決定的に欠陥がみつかったインフレ商法がなぜ、今、政策として蘇るんでしょう。私が危惧してるのもこれですね。マネーゲームを全て廃止にすべきではないが、この暴落危機に瀕して、預金を守るために、銀行を選べますと言っても、殆どの場合において、信用の創造で自己資本を膨らます、口座内の預金を膨らます行為は、どの銀行もやっているのです。信用の創造後に待ち構える運命は破壊です。
戦争の後に待ち構える運命は戦時国債の債権放棄です。
こういった危機にどう対処するか、こういった局面では富が寡占化していますから、暴落株を買うことは、富の寡占化を助長します。そうではなく、盗まれた側の地方の経済活性に勤めるべきです。こういった局面の舵取りで、地方に分配金を運んだのは、田中角栄ですが、建設など、どうみても更なるインフレを呼びそうな業種へ貸し付けたことが最悪の結果を呼んだように思えます。いずれにしても、投資の総量を上げる政策は、銀行の口座を満たすことになりますから、悪連鎖を起こすことは免れません。
やはり、必要なのは、銀行の設立だと思うんですよね。利息がいらないから、非不胎化政策をしない銀行に預けたいと望む声は少なくないと思います。今は銀行も少なくなりましたが、預金者の連帯責任を問うための統合だったのではとも思うんですよね。
利益を大企業が受け取り、国が贅沢を働いた代償の責任を国民に問うのでしたら、本当に市場参加者は少なくなり、益々、経済は縮小していくでしょう。経済縮小してでも、勝ち組でいたいっていう人が、民主主義における国民選挙でマジョリティを占めるとは思いません。
持続的に経済成長が続くにはどうしたらいいか、寡占化を招かない成長が求められると思います。
地方の活性の例ですが、投資が倍々ゲームに膨れ上がる過程において、債務超過に陥ることはあれど、利益がまったく上がらない、売れない状態が持続することは稀です。
なぜ、債務超過に陥るのか、いつだって無茶な運用を誰の手引きか知りませんが、出てくるものです。自己資金でおおよそ買えないだろうと思われるローンを組んでいるような方々です。つい最近では、1兆円口座で、10兆の資産を持つと言われる創価SGIをピック・アップしましたが、彼らのようなキチガイじみた信用の創造を繰り返すものたちのツケをこの先も支払わされ続けるんじゃたまりませんからね。
統一金利を使用しても、信用の創造度合いにも明らかなる開きが。これが、弱者と強者の違いでもあるんですけどね。比較的圧倒人口がこの弱者に広く分布しています。日本はこの弱者を基準に政策を考えるべきなんですよね。