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マルチチュードなネットワークって、インターネットによってようやく現実のものになりつつあるけれどね
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投稿者 ワヤクチャ 日時 2006 年 6 月 24 日 22:53:18: YdRawkln5F9XQ
 

(回答先: 『マルティチュード』ってこんなもんかな? 投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 6 月 24 日 03:38:31)

【コソの出来事 2.0】
http://koso.jugem.jp/?cid=8

先週の朝日新聞に、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートによる「<帝国>」の続編となる「マルチチュード」の書評が載っていた。朝日の書評でほぼ唯一まともなことを書いていると言っても柄谷行人氏によるものだが、今回も秀逸。逆にこの上下巻、もう読まなくてもいいんじゃないかと思うくらい。

「<帝国>」は、安易な反米感情が高まっている中での日本語版の敢行だったので、興味を持ちつつもなんとなく遠ざけていたのでした。実際には、エマニュエル・トッドのような偏狭な主張とは全く異なるものだけれどね。11/12の日本経済新聞に掲載されていた、この間のフランスの暴動についてのインタビューで見せた、ご都合主義には正直呆れました。Fixing A Holeというブログでインタビューの概要を見つけたので、興味があればどうぞ。 

話を戻すと、この「マルティチュード」という本は、柄谷氏の評の最後のこの2段落で、完全に要約されてしまっているように思われる。
 ネグリとハートは、マルクスのいうプロレタリアートは労働者階級のように限定されたものではなく、マルチチュードにほかならないという。初期マルクスの考えは確かにそのようなものだ。その意味では、本書は『共産党宣言』(一八四八年)を現代の文脈に取り戻そうとする試みといえる。すなわち、帝国(資本)対マルチチュード(プロレタリアート)の世界的決戦。

 しかし、このような二元性は、諸国家の自立性を捨象する時にのみ想定される。こうした観点は神話的な喚起力をもち、実際、それは六〇年代には人々を動かしたのである。とはいえ、私は、このような疎外論的=神話的な思考をとるかぎり、一時的に情念をかき立てたとしても、不毛な結果しかもたらさないと考える。グローバル資本主義(帝国)がどれほど深化しても、国家やネーションは消滅しない。それらは、資本とは別の原理によって存在するのだから。
単に世界を資本主義=帝国主義あるいは多衆主義≒共産主義のどちらのネットワークに縮減して捉えるかという違いということになるのだろうけど。マルチチュードなネットワークって、インターネットによってようやく現実のものになりつつあるけれどね。それは帝国主義的なネットワークと対立したり取って代わったりするものではなくて、一部補完的な存在に過ぎないことも事実だが。

ちょっと面白そうなので、年末ばーっと読んでしまおうかと思います。色々たまっている分と合わせて(笑)。


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