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(回答先: マスコミを信用してはならない(3)【森田実の言わねばならぬ】 投稿者 天木ファン 日時 2006 年 9 月 24 日 18:51:28)
2006.9.22(その2)
森田実の言わねばならぬ[370]
マスコミを信用してはならない――日本のマスコミは政治権力と合体し国民を支配し圧迫する凶器と化した【2】
9月21日の各紙社説にみる大新聞の批判精神の欠如と大局観の喪失
「財産の貧乏を治すことはやさしいが、精神の貧乏を治すことはできない」(モンテーニュ)
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自民党総裁に安倍晋三氏が選出された翌日の各紙朝刊の社説を読んで、新聞社の知的能力の低下を感じた。 まず読売新聞社説から取り上げる。社説はいう。
《安倍氏の最大の勝因は、世論調査で一貫して見られた高い人気である。来夏の参院選などで“顔”としての期待感が安倍氏支持を広げたのだろう。安倍氏の掲げた理念、政策が強い支持を得たとは必ずしも言えない。》
安倍氏の人気は、マスコミによってつくられたものである。北朝鮮への強硬な姿勢をとりつづける安倍氏をバックアップしたのはマスコミである。マスコミ自身が北朝鮮への強硬な態度を主張し、安倍氏というタカ派のリーダーをつくり上げたのである。
繰り返す。安倍人気はマスコミの演出によってつくり出されたものである。いまさらマスコミが、安倍氏は人気頼りで理念や政策が支持されたわけではないというのは、自己矛盾であり、無責任である。
世論調査での政治家の支持率がマスコミへの露出度に比例することは、もはや常識である。小泉首相の支持率が高いのは、毎日毎日テレビに姿を現し、首相の名が新聞の見出しに出ているからである。小泉人気も安倍人気もテレビタレント的人気である。このテレビタレント的人気度の高さを、政府与党とマスコミは民主主義の名を使って政治に悪用しているのである。小泉・安倍政治があたかも国民に支持されているかのように大宣伝をし、それによってつくられた高い人気を利用して、苛酷な政策を国民に押しつけてきた。
読売新聞は、小泉人気と安倍人気を高めるための報道を毎日のように行ってきた新聞である。いまさら「安倍氏の掲げた理念、政策が強い支持を得たとは必ずしも言えない」というのは無責任の謗りを免れないであろう。
しかも、いま日本にとって最大の問題である安倍政権の国際情勢の中での位置づけ、日本の政治における位置づけが、一言も語られていない。知的荒廃を感じざるを得ない。
安倍政権の登場を最も歓迎しているのは極右新聞の産経新聞である。「産経」社説は次のように主張する。
《安倍氏が主張する「新たな国づくり」こそ、戦後日本が取り組むべき最大の課題である。その核心は、占領期に策定された憲法と現実との乖離をどうとらえるかであろう。》
《安倍氏はこうした変化(北朝鮮問題など――注・森田)に十分対応できるよう、戦後のシステムを総点検するとともに国づくりの青写真をまとめ実行する責務がある。》
「産経」社説は安倍氏の「戦後システムの総点検」を支持している。
ここに安倍政治の根本問題がある。安倍氏は「日本の戦後システム」を全面的に改変しようとしているが、これを許すか、それとも阻止するか――これが、現在の日本の最重要の政治課題である。
安倍氏と産経新聞などの右翼ジャーナリズムが主唱する「戦後システムの見直し」(「日本政治の軍国主義化」)を阻止することなしに、日本の平和と安全を守る道はない、と私は思う。産経新聞の論調はきわめて危険である。
次に日本経済新聞の社説を紹介する。「日経」社説が論じているのは、(1)自民党内の世代交代、(2)政治のリーダーシップ確立(首相官邸の機能強化、日本版の国家安全保障会議(NSC)の創設など)、(3)組閣、(4)財政再建と歳出削減、(5)外交面(日中、日韓関係の改善)の5点である。外交問題はただ抽象的に「アジア外交立て直しの好機」と述べているだけである。
いまの日本の最大の問題は、小泉政権の5年5カ月を通じて日本の国際的地位は低下し、孤立状況に陥っているところにある。しかも、安倍政権は「極右政権」と見られ、世界中から警戒されている。日本は世界の孤児になっているのだ。この問題が、今日の日本の政治が取り組むべき最大の課題なのだ。
歴史認識問題についての安倍氏の発言は安定せず、中国、韓国に警戒感が強まっている。
「日経」社説はこれらの問題になんら触れていない。最も大切な問題を避けているのは大新聞として無責任である。(つづく、以下明日掲載)
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02921.HTML
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