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(回答先: “任意”で16時間の取調べで“自供”? [観劇レビュー&旅行記と日記] 投稿者 white 日時 2006 年 6 月 05 日 12:13:06)
□報道 [愛*的*財*産]
http://reborn.aitekizaisann.babyblue.jp/?eid=259952
2006.06.05 Monday 12:00
報道
なんつう事件だ、と思った。
一人の母親が(しかも自分の子供を失ったばかり)、近所の子供を殺した容疑で逮捕された。
ネット上の一部だが、いろいろな方のブログなどを拝見していると、
「やっぱり!そうだと思ってた!」という意見が多くて驚く。
そんなにもこの人、疑われていたのか。
週刊誌で騒がれ始めた時、「ええ〜そんなことあるのかぁ? つか、これで違ってたらどうすんだろう」と思っていたのだが。
以前、松本サリン事件で最初に容疑者として実名報道された河野さん。
当初はマスコミがこぞって河野さんの経歴と人となりを、「悪意を持って」報道し尽くした。
「ほぉ〜らこういう人間だから、こういうことしたんだぞ」と言わんばかり。
が、あの後まったくの冤罪と判明。
河野さんは事件そのもので家族を傷つけられただけでなく、尊厳すらも二重に傷つけられた。
この時私は、「へえ〜こういう経歴の人なんだあ。じゃあこういうことやっちゃうのかなあ」と、報道をまるっきり鵜呑みにした。疑いもしなかった。
それが冤罪と分かった時。
人を悪意の先入観で見ることの恐ろしさを知った。
そして自分の浅慮さを本当に恥じた。
マスコミを通じた河野さんの言葉を見るたびに、
「与えられた情報は、決して鵜呑みにはするまい。まずは自分で考えよう」と思わされる。
これは今でも自分に課している。
今回の母親も、ずいぶんと人となりが書きたてられている。
が、私は自分で彼女を見ていない。話をしていない。
育児放棄といわれていた彼女の行動。これがどの程度のものだったのか。マスコミ的には「虐待」のレベルにまで引き上げたいのであろう。
だが、考えて欲しい。
私自身、集中してモノを書いている時。横からペー吉に話しかけられると、
「うるさい! あっちに行け! 私を一人にしろ!」
と怒鳴っている。
この先私が事件を起こし、誰かがこのエピソードを報道したら、おそらく私は立派な「虐待母」であろう。
一人の人間の「一点」のみにスポットをあて、「世間が望む人物像に仕立て上げる」。これは怖い。
もちろん、本当に殺しているのであれば決して彼女の所業は許されない(現時点では殺人については否認と聞いた)。
が、宅間守の時も思ったが、「モンスター」に仕立て上げることでは何も解決しない。
この一人の人間の成り立ちをちゃんと見据えねば、と思う。
彼女は決して特異な人物ではない。
彼女が抱えていた闇の要素は、私にも絶対に潜んでいる。