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(回答先: 消費者は知らない食の舞台裏 連載D 欧米ではカジキに厳しい摂取制限・メチル水銀の蓄積を懸念[ゲンダイ] 投稿者 feel 日時 2006 年 9 月 30 日 03:11:24)
2006年9月27日号 日刊ゲンダイ
http://gendai.net/
消費者は知らない食の舞台裏 連載E
垣田達哉
マグロの握り寿司は1週間6個まで!?
厚労省の摂取基準の秘密
食べすぎ?
あるテレビ番組のスタッフからこんな話を聞いたことがある。
「健康のためにトンカツは週に×回、それぞれ1枚ずつにしましょう」と番組で紹介をした。もちろん、トンカツはあくまで「動物性脂肪」の代名詞として使ったのだが、「トンカツはX回にして、あとは焼き肉や鶏の空揚げを食べることにしよう」と思った視聴者が多かったというのだ。
メチル水銀が含まれる魚介類の摂取基準も、こうした誤解を招きやすい。厚労省は妊婦の摂取量を「クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、キンメダイ、メ力ジキなどは1週間に80cまで」「ミナミマグロ、マカジキ、キダイなどは1週間に160cまで」としている。
これは「クロマグロを80cに抑えれば、他の魚をどれだけ食べてもいい」ということではない。あくまでもメチル水銀の摂取基準を、クロマグロに置き換えた数字である。たとえば、キンメダイを80c食べたら、「その週はもうクロマグロもメバチマグロも、メカジキ、ミナミマグロ、マカジキも食べてはいけない」ということなのだ。
では、80cとはどのくらいの分量か。厚労省は次のように推定している。
★寿司 1貫15c程度
★刺し身 1人前80c程度
★切り身 1切れ80c程度
★鉄火丼のマグロ 100c程度
もちろん「シャリが見えないくらいネタが大きい寿司」や「ご飯が見えないほどマグロがいっぱいのった鉄火丼」は別である。厚労省の注意事項を守ろうとすると、満足に食事もできないことがわかる。
寿司屋で「本マグロの中トロを1皿(2貫)、赤身を2皿食べれば、15c×6貫で90c」になる。それだけで10cオーバーだ。本マグロやメバチマグロの鉄火丼を食べると、それだけで1週間分の基準値を上回ってしまう。厚労省はマグロなどにメチル水銀の蓄積が多いことを知っているから、こうした数字を出しているのだが、消費者に積極的に注意を呼びかけているとは思えない。
しかも、摂取に注意しなければならない魚介類はマグロだけではない。メカジキを1切れ80c食べると、その週はもうマグロは食べられない。
厚労省のメチル水銀に関する注意事項では、子供は対象になっていないが、今の子供は家庭での食事だけでなく、回転寿司などの外食でマグロを食べる機会が多い。妊婦の安全値から推定すると、体重20`の子供ならクロマグロやメバチマグロの寿司は「1週間に2貫程度」になる。これはあくまでも仮定の計算だが、子供が好きだからと、回転寿司でマグロばっかりというのは考えものである。 (つづく)
◆かきた・たつや 1953年岐阜県生まれ。慶応大学卒業。消費者問題研究所代表として、食品表示や食の安全についてアドバイスを続けている。近著に「テレビじゃ絶対放送できない『食』の裏話」(リヨン社)。
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