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(回答先: 助産師 力が生かされていない 「無資格助産」摘発の背景 [毎日新聞] 投稿者 white 日時 2006 年 8 月 28 日 18:27:56)
□問われる「日本一」:堀病院・無資格助産事件 「特殊ケース」医師に問題 /神奈川 [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060827-00000093-mailo-l14
問われる「日本一」:堀病院・無資格助産事件 「特殊ケース」医師に問題 /神奈川
産婦人科病院「堀病院」(横浜市瀬谷区、堀健一院長)の無資格助産事件を受け、安全なお産を目指す市民団体「陣痛促進剤による被害を考える会」代表の出元明美さん(53)=愛媛県今治市=が毎日新聞のインタビューに応じた。助産師不足が叫ばれる中、看護師や准看護師による無資格助産は「氷山の一角」とも言われるが、出元さんは今回の事件を「助産師がいても医師が使いたがらない特殊なケース」と指摘、医師の意識改革を求めた。【堀智行】
◇「助産は専門知識が必要」−−出元明美・陣痛促進剤による被害を考える会代表
出元さんは県警による堀病院の家宅捜索前から、同病院における助産の実態について関係者から相談を受けていた。これまでに聞いた話では、同病院は助産師は内診も含めた分娩にほとんど関与させず、新生児室や出産後の相談を担当させられていたという。
一般に無資格助産は、医師や助産師の手が足りない時に看護師らが行うケースが多いが、意図的に助産師を分娩から除外したケースは「特殊」と指摘する。その理由を「助産師に比べ医学的知識が乏しい看護師や准看護師は、医師が仮に危険な医療行為を指示しても正しいか判断できず、指示通りに動くしかない。助産師に比べて使いやすかったのでは」とみる。
県警の家宅捜索を受けた堀院長は24日、「看護師でも(助産行為は)できる」と述べた。しかし、出元さんは陣痛から始まるお産の経過は医師または助産師が見守らなければならないと反論する。
「元気な赤ちゃんが生まれてくるかは、分娩監視装置の波形や子宮の収縮状況など分娩経過を見守っていないと分からない。助産師なら専門的な知識を要する分娩経過を確認できるが、看護師や准看護師ではできない」
今回の事件後、各地の助産師から、看護師による助産が公然と行われている実態を危ぶむ電子メールが届いている。「開業医のいい加減な助産現場の実態に失望して辞めていく助産師が少なくない。堀院長は助産師が集まらないと言うが、しっかりした体制であれば助産師は集まる」
日本医師会など一部の団体は、助産師不足を理由に看護師による助産行為を認めるよう求めているが、「助産師が少ないなら助産師学校を増やすなどするべきでしょう? お産の安全性を落とす理由にならない」と真っ向から反対する。
高級車での送迎など手厚いサービスで年3000人の妊婦を集めていた堀病院。出元さんは「確かにサービスや外観は素晴らしい。だから分娩も大丈夫、と思いこむのは危険。医師や助産師がきちんとお産に立ち会ってくれるかを事前に確認し、病院を選んでほしい」と訴えた。
◇サービス駆使し“独り勝ち”、「長い待ち時間でも飽きない」
堀病院が少子化の中で順調に成長を遂げ「出産数日本一」となったのは、駅に近い立地の良さに加え、高級外車や救急車による個人送迎をはじめとするユニークなサービスにあった。少子化社会で周辺の産科医院が分娩(ぶんべん)から撤退する中で地域患者を一手に集め、「独り勝ち」とも言える状況だった。
堀病院は1959年3月、当時31歳だった堀健一院長(78)が開業し一代で築き上げた。相模鉄道沿線を中心に患者を集め、入退院時の送迎や選べる食事などのサービスが妊婦に評判だった。ホームページは院内に美容室、エステルームまである様子を写真入りで紹介。数あるインターネットの出産情報サイトでも「待ち時間は長いが、子供を連れて行っても飽きない」などと利用者の高い評価を得た。
相鉄沿線で開業する産婦人科医の一人は「出産数が多いこと自体が利点だ。1日に何件も出産があると、同じ日に出産した人同士、育児の相談相手になれる。友だちがほしいからと堀病院を選ぶ人もいる」と指摘。「昔は相鉄各駅に産科医院2カ所ずつぐらいあったが、今はほとんどない。沿線で多数のお産ができるのは堀病院くらい」と話す。この医師も約15年前に分娩をやめたという。
日本産婦人科医会によると、いつ出産があるか分からない激務や、少なくない医療事故に伴う高額賠償を避ける傾向が、産科医不足に拍車をかけている。県が今年3月に実施した調査では、03年度に181あった分娩施設数は今年度は165まで減少する見通し。県産科婦人科医会は15年までに県内医療機関の分娩受け入れ可能数が現在より約1万人落ち込むと試算している。
県立足柄上病院(松田町)が今年3月、分娩予約を一時休止するなど県西部で産科医不足が顕在化しているが、県医療課によると、今後は横浜、川崎の大都市部でも医師不足が本格化する可能性があるという。
横浜市内の医療関係者は「事件の影響で分娩をやめる産科医がさらに増えるかもしれない。そうすれば、堀病院のような大きな病院への患者集中がさらに進む」とため息をつく。事件は産科医療の現場に重い課題を投げかけている。【伊藤直孝、野口由紀】
◇横浜の出産の10%担う
横浜市によると、年間出産数約3000人の堀病院は同市内の出産の10%近くを担っている。「あそこが機能停止になったら、市の産科医療はパンクする」。ある市内の医療関係者は同病院の存在の大きさを語る。
堀院長は無資格助産を続けていた理由に「助産師不足」を挙げていたが、同市内の病院の助産師数は増えている。市医療政策課によると▽03年度329人▽04年度330人▽05年度387人▽今年度は395人――となる見込み。今年3月、市内の産科・産婦人科のある医療機関に実施した「産科医療及び分娩に関する調査」によると、病院側が今年度に必要と考える助産師数は374人で、数としては足りていると言えそうだ。
ただ、実際は助産師が不足している医療機関が市内にも少なくない。助産師が偏在しているとみられ、赤岡謙課長は「医師と助産師のパートナーシップがうまくいっていなかったり、助産師にとって働く魅力のない医療機関があるからではないか」と分析する。
市の電話相談窓口には26日にも、堀病院に関する計38件の相談が寄せられた。このうち転院に関するものは21件で、12件に対して転院先の情報を案内した。過去に堀病院で出産した人が「出産時に出血が多かったのは無資格者の助産行為に関係があるのか」と相談してきたり、「転院希望者が相次いでいる」と訴える病院からの電話もあったという。【鈴木一生】
◇捜索後も待合室は混雑
堀病院には県警の捜索後も連日、多くの親子連れや妊婦が来院している。土曜日の26日も駐車場はいっぱいになり、待合室も混雑した。
「陣痛が来ると救急車で迎えにきてくれるサービスがいい」(27歳主婦)と言われる同病院。26日も数台の救急車が出入りした。ベビーカーを押して来院する父親も。受け付けに掲げられている今年の出生数は、捜索を受けた24日は「2036人」だったが、この日は「2062人」に変わっていた。
訪れていた主婦(31)は「2年前、ここで出産したけど本当に良くしてもらった。法律より、多くの人が産めるようになるよう行政は考えてほしい」と病院を擁護。病院近くに住む主婦(35)は「許せないけど、(助産師や看護師が)プラカードをつけているわけじゃないから。近くはここしかないから、仕方なく通っている」と言う。
一方、堀病院への通院をやめ、転院する妊婦も現れ始めた。転院するための紹介状を書いてもらったという旭区の主婦(22)は「お母さんに言われて不安になった。もう妊娠9カ月だから、新しい病院が見つかるか不安」と話した。【池田知広】
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■人物略歴
◇でもと・あけみ
元看護師。84年、陣痛促進剤による計画分娩で出産した3人目の子を亡くし、「陣痛促進剤による被害を考える会」を発足させる。安全なお産を求め、陣痛促進剤の副作用問題などを調査するとともに厚生労働省との交渉を続けている。04年に無資格助産による死産や子どもに障害が残る医療事故が全国で15件あったことを独自に調べ上げ、同省に是正を申し入れた。
8月27日朝刊
(毎日新聞) - 8月27日15時1分更新
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