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(回答先: 公的年金基金の積み立て不足、米主要都市で深刻に 【日経金融新聞】 投稿者 hou 日時 2006 年 8 月 19 日 12:24:36)
確定拠出シフト加速も
【ワシントン=藤井一明】ブッシュ米大統領は企業年金の立て直しを目的とした年金改革法案に近く署名する。法案は企業に年金の積み立て不足を七年以内に解消するよう求め、経営再建中の航空会社の年金を保護する特例も含んでいる。法案成立で、企業が管理する伝統的な年金より、従業員が自己責任で運用する確定拠出の年金が一層優勢になるとみられる。
法案は一九七四年に企業年金を規制する法律ができて以来、三十二年ぶりの大改正。二〇〇〇年以降の米国の株安や低金利で運用環境が悪化し、企業年金の財政が苦しいことが背景にある。
制度改正の主な対象は、企業が加入者に受取額を約束する確定給付の年金。株投資の失敗などで運用が振るわない年金が続出している。
法案は〇八年以降、基金の積み立て不足を解消する期間を現在の最大三十年から七年に短縮し、企業の積み立て義務を強化する。債務の評価方法を見直したり財務状況が悪い企業には積み立てを厚くしたりする措置も採用した。半面、経営が厳しい航空会社には解消期間を十七年まで認める。
改革により、確定給付の企業年金が株式からより安全な債券などに運用先を切り替える可能性がある。安定運用が求められるはずの確定給付の年金がリスクの大きい株式運用を広げて財政が悪化した経緯があるためだ。運用実績で受取額が決まり、退職しても資産を引き継げる401kと呼ばれる確定拠出の年金への移行も加速しそうだ。
米国では、破綻した年金を企業から引き継ぎ政府が支払いを保証する米年金給付保証公社(PBGC)の財務状況が急速に悪化し、昨年九月末時点で二百二十八億ドルの債務超過に陥っている。今後、四六年から六〇年代半ばに生まれたベビーブーマーが続々と退職を迎え、年金のやりくりはさらに厳しくなる見通しで、ブッシュ大統領は年金改革の必要性を議会に働きかけてきた。
制度改正の狙いは年金の破綻を防ぐとともにPBGCの財務悪化に歯止めをかけることだが、航空や自動車関連など年金の破綻予備軍とされる企業はなお目立ち、国が救済を迫られる懸念は消えていない。
▼企業年金 米国では受取額があらかじめ決まる確定給付型に対し、運用の実績で受取額が変わる確定拠出型の年金が着実に増加してきた。従業員福祉調査研究所(EBRI)によると、二〇〇五年の資産は確定拠出の二兆九千三百七十億ドルに対し確定給付は一兆九千八百五十億ドル。ほぼ六対四の比率だ。
米国では政府の年金制度が弱く、老後の生活で企業年金が果たす役割は大きい。確定給付の先行きへの危機感は根強く、議会や政府が法改正に取り組む原動力になった。
日本でも一九九〇年代後半に確定給付の年金の積み立て不足が懸案に浮上。米国の401kにならって確定拠出の導入が進み始めたが、非課税枠の制限や安定運用志向もあり伸び悩んでいる。
【表】米年金改革法案の概要
○ 基金の積み立て不足を原則7年間で解消
○ 財務が悪化している航空会社は例外として17年間で解消
○ 市場での価値を適切に反映するよう年金債務の評価方法を見直す
○ 確定拠出型年金への自動加入を拡大
○ 年金資産の情報開示を拡充