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(回答先: Re: (livedoorニュース)ジダンの頭突きとOECD対日審査報告書。(5) 投稿者 どうして? 日時 2006 年 7 月 25 日 13:55:44)
ジダンの頭突きとOECD対日審査報告書。(6)
【PJニュース 07月26日】− (6)「サッカーよりも大切なものが人生にはある」
(5)からのつづき。ジダンは「移民の子」だ。そして「移民国家フランス」にあって国民的英雄であり、フランス社会統合の「希望の星」でもあった。
「フリーター」も希望とともに語られる単語だった。かつて、フリーランサーという言葉があった。自由契約者、特に無専属の映画俳優やジャーナリストのことを指していた。これをベースに、明確な「夢」と「意思」を持ち、努力する若者を応援したいと、20年ほど前に「フロムエー」編集長の道下氏が命名したのが「フリーター」だった。若者のモチベーションを鼓舞する言葉だった。もう一度原点に、原義に帰りたい。どうしたら良いのか。
「殻の保護」より「翼の補強」へ。殻で守る(=給付金)より、その人が飛び立てるよう、翼(=仕事の力)を補強すべきだ、というのが欧州での労働政策の、今の基本だ。日本に準えるとこうなるだろう。
「殻の保護」より、つまり、現在の「正規社員」への処遇が「是」だとしたうえで、「非正規社員」を「正規社員」並に、「引き上げ」ようとするのではなく、「翼の補強」へ。モチベーションの再生に向かって「正規社員内の多元化」と「非正規社員内の多様化」をはかること。これを今後の労働政策の基本に据えるべきだ。
例えばスーパー業界では、マネージャーを務める「正規社員的パート」が登場(多様化)する一方、転勤のない「パート的正規社員」の制度が設けられ(多元化)ている。これは、非正規社員が従業員全体の過半を占めるようなったスーパー業界において、彼・彼女達のモチベーションをいかに引き出すかが企業のパフォーマンスを大きく作用するようになったからである。企業にインセンティブを感じさせるものでないと、現実は動かない。変わらない。
「正規社員内の多元化」と「非正規社員内の多様化」は、それが企業にとって経済合理的だから起きている。「経済合理性」、これがキーワード、企業にとってのインセンティブだ。企業と組合と、そして政府は、「モチベーションの再生」へ向け、「経済合理性」をキーワードに、今度は意識的な共闘を組むべきだ。
「同一価値労働に同一賃金を」は欧州での潮流だが、日本の「特異性」を考えるなら、「正規社員内の多元化」と「非正規社員内の多様化」を通じた能力格差是正こそ重要だろう。そして能力格差是正の旗印は「モチベーション再生」につながり、「夢」と「意思」を持ち、努力する若者を応援する「希望の星」となる。無論「母子家庭」にも。
現場では既に、「正規社員内の多元化」と「非正規社員内の多様化」という二つの方向の変化が生じており、これらが同時に進んでいけば、結果として正社員と非正社員の区分、隔たりは解消していくに違いない。見えない壁、乗り越えられない溝は霧消するだろう。
2006年FIFAワールドカップドイツ大会決勝戦。フランスはPK戦でシュートを外してしまい、結果5−3でイタリアに敗退した。シュートを最初にはずしたのがダビド・トレゼゲ選手。その彼が、あのジダン事件についてこう語った。
「あいつ(マテラッツィ)はカップを勝ち取ったかもしれないが、胸を張ることはできないだろう。サッカーよりも大切なものが人生にはあるってことだ」。ジダンはサッカーでの栄光を捨て、「家族」の誇りを守った、とされている。
リクルートワークス社によると、2010年に正社員比率は5割を切り、日本は「正社員時代の終焉」を迎える。「モチベーションの再生」を通じて私達は、「正・非」の区分、隔たりを捨て、「仕事」の誇りを取り戻したい。「殻の保護」より「翼の補強」へ、を合い言葉に。【了】
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2242912/detail