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(回答先: Re: (livedoorニュース)ジダンの頭突きとOECD対日審査報告書。(4) 投稿者 どうして? 日時 2006 年 7 月 25 日 13:54:26)
ジダンの頭突きとOECD対日審査報告書。(5)
【PJニュース 07月25日】− (5)非正規社員の悲惨
(4)からのつづき。 非正規社員の悲惨は、ひとつに賃金格差であり、二つ目に能力格差である。そしてこの二つの格差が結果する「貧困の固定化」である。平成17年度の「賃金構造基本調査」によると、15〜34歳の正社員の平均年収は397万円。一方、派遣、契約社員のそれは258万円、パート、アルバイトのそれは111万円。これが賃金格差の実態。この格差がふたつのパスを通って「固定化」されるところに、日本の「特異性」の原因がある。
正規社員から非正規への道は広いが、逆は狭い。一つ目のパス。日本の企業には「忠誠心」への憧れがある。この憧れゆえに、ないし憧れを具体化したいがために、一度やめた人間をなかなか再雇用しない、また中途採用者と新卒採用者との間に見えない壁、乗り越えられない溝がある。日本の企業が企業内訓練を受けた離職者を再雇用しないのは、企業への忠誠心を重んじる文化での懲罰的意味合いが大きい。だが、人材活用の観点からすると合理性がない。憧れが「合理性」を度外視させている。結婚、出産に伴う女性の離職、再雇用の場面でこれが特に顕在化する。
そしてもうひとつ。仕事のスキル、能力の点において、時間が経てば経つほど、正規社員と非正規社員との差は開いていく。これが能力格差であり、二つ目のパスである。企業の人事担当者は、自身が良く知っている。自社の内部で、どういう仕事が正規社員に与えられ、非正規社員に与えられるかを。そして職業能力の「育成」について、どれほどの「差別」がそこにあるかを。だから、正規社員の経験を持たない人材の「正規」採用には、決して積極的になれない。この結果、一度「非正規」の道を歩み始めたものの前に、「正規」への門は遠く、狭い。限りなく。
賃金格差がふたつのパスを通って「固定化」されると、要は「結婚できない」一群が、「結婚しても子供をつくれない」階層が、日本社会に累積、増長していくことになる。一度「非正規」の道を歩み始めたものは、そのまま「非正規」のコースを辿り続ける可能性が高い。それではその時の生涯賃金カーブはいかなるものか。正規社員は「生活給」レベルを保障されたうえ、年齢とともに、また加齢に伴うスキル、能力の向上に伴い、賃金は50代のピークへ向け上昇していく。しかし非正規のそれは上昇も微々たるものだ。
三菱UFJ証券の試算によると、正規社員の生涯賃金が2億円に達するのに比べ、派遣、契約社員は1億円、約半分。パート、アルバイトは5700万円、約1/4である。そうして子供にお金をかけることができる層が、結果的にかなりの教育費を支出し、正規社員予備軍を産出する一方で、高騰した「教育費」を支払えない「非正規の子」が「教育格差」に甘んじることになる。低スキル=低賃金の連鎖の輪、再生産の循環の中に、所得格差、人生格差がビルトインされるのが怖い。【つづく】
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2238393/detail