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円キャリートレード終焉の衝撃は1998年のLTCM破綻時のドル円相場48時間30円暴落を上回る危険あり
http://www.asyura2.com/0601/hasan46/msg/739.html
投稿者 愛国心を主張する者ほど売国奴 日時 2006 年 6 月 16 日 19:20:42: tTp1/cyvuKUmU
 

(回答先: ノーパンしゃぶしゃぶ総裁の、なぜこの時期にインサイダー疑惑が出たのか? 金融緩和解除で世界の株暴落をさせたからだ。 投稿者 TORA 日時 2006 年 6 月 15 日 14:54:56)

私は為替取引・金融派生商品取引ともに素人であるが、金融市場では愚かな素人からプロが荒稼ぎするのが恒例であり、その為に一般のマスコミには真実は報道されにくい。そこで、素人なりにこれから金融市場で起きるであろう混乱について予測してみる。

日本銀行により今春ゼロ金利解除方針の金融政策変更が発表され、その後量的緩和が急速に解除されている。ゼロ金利解除はまだ行われておらず、その是非がマスコミでも大問題となっている。しかしながら、欧州や米国で金利が相次いで引き上げられたことを考えると、日本の金利が多少引き上げられても日本と欧米の金利格差は元に戻るだけであり、何も問題がないように思われる。金利格差を利用した裁定取引(円キャリートレード)も、大きな金利格差を利用して今後も収益を上げ続けると予測される。では、何故日本の金利政策と円キャリートレードが上記のGreg Peelの記事の様に外国でも大きく取り上げられるのだろうか?


仮説1.円キャリートレードで収益を上げてきたヘッジファンドを含む機関投資家にとって、ゼロ金利解除は脅威ではないが量的緩和の解除は大きな脅威:

ゼロ金利が解除されて日本の金利が多少上昇しても、日本の貯蓄過剰を考えると金利上昇はわずかなものにとどまると思われる。従って日本と欧米等の高金利国との金利格差は継続する。しかし、量的緩和の解除により、日本の銀行は貸出金利はゼロ同然であっても、貸し出せる金額が大幅に減少してしまう。従って、円キャリートレードに新規に流入する資金が今春以降激減している可能性がある。Greg Peelによれば、円キャリートレードの真の規模は誰にも分からないがかなり大規模なものとなっているらしい。

仮説2.米国の膨大な経常赤字は、日本と米国の金利格差を収益源とする円キャリートレードによって主にファイナンスされていた:

イラク戦争開始以後、日本銀行は大規模な為替介入を行っていない。日本の銀行や生命保険会社も外貨での運用は決して急増していない。また、中国、ロシア、中東産油国などの多額の外貨準備を持つ国も、外貨準備をドルからユーロ等に切り替え始めている。この切り替えは既にかなり進行しているようである。しかし、ドルの価格は依然として堅調であり、決して暴落はしていない。ということは、誰かが膨大な金額のドルを買い支えているのである。そして、その買い支えの動機が米国の金利引き上げから来る金利収益であることを考えると、主役は円キャリートレードであったと思われる。

仮説3.円キャリートレードの拡大が停止したことで、円キャリートレードを行っている米国の投資家は対外投資を引き上げてドルを買い支え始めた:

今年5月10日頃に世界の株価は頂点に達し、その後徐々に下落し始めている。双子の赤字が懸念される米国よりも欧州や日本の方が下落幅が大きいのは奇妙なことである。また、値動きを注意深く見ると、世界的株安が進行している時間帯では貴金属、ユーロ、円もドルに対して下落している。これは、米国の投資家が欧州・日本・金などへの投資を引き上げてドルに替えており、それによって米国の経常赤字のファイナンスが行われていることを示していると思われる。しかし、米国の投資家の対外投資は有限だし、リスク分散の目的から対外投資を継続、あるいは増加させる投資家も多いと考えられる。とすれば、近い内に限界が来るであろう。

仮説4.米国の経常赤字ファイナンスが一度停止すると、円キャリートレードの巻き戻しのためにドルは加速度的に下落し、ドル暴落に至る:

ドルが下落し始めると、円キャリートレードを行っている投資家はトレード終了時に日本の銀行に返済すべき円資金がドル換算で増加するため収益性が悪化する。収益性が悪化するとトレードを止める投資家が増え、その結果ドルを売って円に換えて日本の銀行に返済する動きが加速するためどんどん円高が進む。逃げ遅れた投資家はどんどん損失が増え、最期には破綻する。1998年にLTCMが破綻したのはこの円キャリートレードの損失が原因であり、その結果48時間で30円円高が進むという劇的な為替変動が起きた。現在の円キャリートレードは1998年よりはるかに多くの投資家に一般的に行われているとGreg Peelは言っており、それが事実ならば50円、60円という劇的な円高が1-2日の間に起きて為替市場を破壊寸前に追い込む事もあり得る。

仮説5.ドル暴落のきっかけは、円キャリートレードの運用先であるドル建て債券の破綻:

1998年のLTCM破綻の時には、ロシアのドル建て債務の債務不履行が引き金となったことからも分かるように、多額のドル建て債務をもつ債券発行者の債務不履行はキャリートレードの解消を通じてドルを暴落させると予測される。現状では、石油価格上昇で燃費の悪いピックアップトラックの売り上げが激減して苦況にある米国の自動車産業(GMとFORD)が最も注目される。自動車産業はこの数十年間労働生産性の上昇により工場労働者の数が減少し続けている為、GMやFORDの労働者と定年退職者を抱える医療保険の人口構成は逆三角形であり、少数の現役労働者が多数の退職者の高額な医療費を支える困難な事態となっている(日系自動車会社は米国進出の時期が遅いため退職者数がまだ少ないが、将来はGMやFORDと同様の問題に苦しめられる可能性がある)。この医療保険問題の抜本的解決がない限り、GMとFORDの破産は避けられないと思われる。そして万一GMが破産したら、金融市場への影響だけでなく米国市民への精神的打撃も大きなものとなるであろうが、逆にそのような衝撃がないかぎりは、企業努力により労働生産性を高めるほど医療保険の負担が重くなって企業が破綻するという米国の置かれた現状は改善されないであろう。

仮説6.円キャリートレードの停止で世界の株・不動産・商品などの価格騰貴が停止し、世界的な大恐慌が起きる:

Greg Peelが主張する通り、世界の株や不動産・商品などの値上がりは円キャリートレードを通じて日本銀行が過剰な流動性を世界経済に供給している事が原因である。この過剰な流動性が消失すれば資産価格は一挙に正常化し、資産バブルに依存した米国・英国・中国・韓国・南欧諸国などを中心に恐慌が起きる。日本やドイツにも恐慌の波及は避けられないが、不動産バブルに侵されていない分、打撃は小さなものとなる。大恐慌後の世界は日本とドイツがその中心となるであろう。また、一次産品を輸出する国々では価格下落により経済的打撃は非常に大きなものとなる。ただし、石油については今後供給が減少することが予測され、それ故に天然ガスや石炭を含めエネルギー価格のみは下落しない可能性がある。

仮説7.世界恐慌は先進国のベビーブーム世代の定年退職・少子化による労働人口減少によって数年以内に軟着陸可能。

日本では1946-1950年頃に生まれた団塊の世代が今年以降徐々に定年退職し始める。一方で新卒者の就職は少子化のために減少しており、労働人口は今後数年間急速に減少する。その結果、景気後退が起きても失業者が増える事態は緩和される。これは他の先進国でも同様と思われる。ただし、米国に限っては過剰消費体質の是正のために内需が激減し、ベビーブーム期間の長さと出生率の高さのために労働人口も減らないことから恐慌が長期間継続することも考え得る。また、東アジアの製造業の過剰な生産力に関しては、中国の内乱や日韓戦争、韓国の北朝鮮への吸収合併などにより工場設備が破壊されて解消されることも予測される。

仮に2001年のハイテクバブル崩壊時にこの恐慌が起きていれば、定年退職前の壮年層が多数失業者となり世界は大混乱になったと思われる。その様に考えると、911の米国の自作自演テロとその後の中東戦争は、バブル崩壊を軟着陸可能な時期まで先延ばしにするという点では結果的に有用であったと考えられる。そして、軟着陸可能な情勢が整った今、これ以上バブルを成長させて崩壊時の衝撃を大きくすることは世界経済に有益ではなく、早期にバブルを潰すことが求められているとも考えられる。

仮説8.ドル暴落後の世界基軸通貨はユーロになるが、円やルーブル等の通貨、金なども基軸通貨の役割を分担すると思われる。

日本で中央銀行が設立された直後に日清戦争で東洋の覇権が中国から日本に移動した。
米国で中央銀行が設立された直後に第一次世界大戦が起こり、世界覇権が英国から米国に移動した。
欧州で中央銀行が設立された直後に911自作自演テロと米国の対テロ戦争が起こった。この戦争の真の原因は、イラクが石油輸出代金をユーロ建てにしたこと、イランも現在それを検討中であることにある。未来の世界の基軸通貨はユーロになると思われる。ただし、欧州は政治的には統合されておらず、ユーロ圏内でも先進地域と後進地域の格差が大きい。そのことがユーロの地位を不安定なものにしている。この問題を解決するきっかけとして、大恐慌が必要とされている。それは、1929年の大恐慌が世界で果たしたのと同様のものである。そして、欧州の政治的再編が進行するまでの間はユーロは不安定なものとなり、円やルーブル、金などが基軸通貨の機能の一部を分担すると考えられる。従って、大恐慌後早期に金価格は上昇に転じると予測される。ただし、一般国民の金地金保有が禁止される可能性もあり得る。金の購入が得かどうかは自己責任で。

仮説9.主要国の中央銀行は世界恐慌を人為的に発生させるために相互に協力するとともに、周到な準備を行っている。

世界主要国が協調して金利引き上げに転じたことで、過剰流動性による資産インフレは収束に向かいつつある。その中でも最も巨大な影響力をもつ政策変化が、主要国で唯一金利を引き上げていない日本の「量的緩和の解除」である。日銀は諸外国の中央銀行の動向を、量的緩和の解除に対する言い訳として使うことができる。1987年のブラックマンデーや1929年の大暴落と同様、株価大暴落は主要国の中央銀行によって人為的に起こされる。

4月6日の岩住氏の投稿によると、米国では2兆ドルの現金が密かに印刷されているとのこと。岩住氏によればこれは日本や中国の保有する国債を現金で強制的に償還するためとのことだが、私は日本の金融危機時の経験から、米国の銀行の取り付け騒ぎに備えたものではないかと考えている。米国では不動産担保ローンによる過剰な貸付の焦げ付きが金利引き上げと共に多発している。今後予測される不動産バブルの崩壊とともに、不動産担保ローン債権を保有する米国の金融機関で破綻が多発することであろう。日本でもドル建て投資信託に組み込まれていると言われるファニーメイ(federal National Mortgage Association・連邦住宅抵当公社)とフレディマック(Federal Home Loan Mortgage Corporation・連邦住宅金融抵当金庫)の両者の発行債券が注目される。その時に取り付け騒ぎを押さえ込むには、窓口に積み上げた多額の現金は有力な武器となる。日本でも5/22頃から、郵便局の現金自動支払機で一日に引き出せる貯金の金額が50万円に制限された。以前は一回100万円までで回数に制限はなかった様に思われる。来るべき世界恐慌時の混乱に備えているということであろう。

【関連情報】
2兆ドルの現金印刷完了 - 岩住達郎 2006/4/06 11:21:08
FRBの2兆ドル現金印刷の解釈について - 岩住達郎 2006/4/10 06:02:14

ファニーメイ・フレディマック債の持つリスクの変化

●円キャリートレードが巻き戻されるなら、今の世界は終わる:Greg Peel 2006年6月15日
http://blog.goo.ne.jp/admin.php?fid=editentry&eid=d3350144c146ac3ade11f659c229051c
http://blog.goo.ne.jp/admin.php?fid=editentry&eid=467e3f75c36fd738e6d567f7efe080c0
Greg Peel: It’s The End Of The World As We Know It, If The Yen Carry Trade Is Unwound - FN Arena News - June 15 2006

フォレックス・ディーラー物語【来年のドル円相場の見通し】 2002/12/06(金)

中長期的視野でドル円レートを見ると、1995年の1ドル=80円アラウンドで、その前後の期間での、大底をつけました。そこから、1998年年央までの約3年間に渡り、ドルは上昇トレンドの強い波動に乗ります。1998年夏の高値、1ドル=147円台ミドルを付けるまで上昇を続けます。

 3年間で、67円の上昇は非常に強烈なトレンドであった、と言えるでしょう。この時期には、『円資金を低金利で借り入れて、ドル資産に運用する』、いわゆる「円キャリー・トレード(Yen Carry Trade)」といった投資手法が、大手機関投資家や、当時、一世を風靡した大手の米系ヘッジ・ファンドによって行われました。もっと具体的に表現するのならば、『円ローンを組んで、巨額の円資金を借り入れる。そして、その円資金で巨額のドルを買う。そのドル転した資金で、T-Bond(米国国債)を購入する。』といった手法だ。当時も円金利はドル金利に比べて安いので、T-Bond(米国国債)の金利が高い分だけ、金利差を享受できる。この「円キャリー・トレード」はある種のブームであったと言っても良いでしょう。大手の機関投資家やヘッジ・ファンドにとどまらず、日本の企業も財務収益を得る目的で、運用手段として取り入れました。多くの企業も円資金を借りてそれをドルに換えてドル資産を保有したということです。

 1998年年央に147円台の高値をつけたドル円は、反転し大きく急落します。
 1999年末から2000年年初にかけて、101円台を示現します。
 100円割れは見なかったものの、約1年半でドル円は46円の下落になります。
 1995年年央から1998年年央までの約3年間でドル円は67円上昇していますから、アベレージで年22円の上昇です。

 それに対して、1998年から1999年末ないし2000年年初の約1年半で46円の下落は、1年で約30円の急落です。変化率とすれば、このドル円の下落の方が大きいことになります。この急落の原因は、先に述べた「円キャリー・トレード(Yen Carry Trade)」の失敗とも言えるでしょう。
 当時のLTCM(Long Term Capital Management)の破綻が、ドル円急落の引鉄(ひきがね)になりました。LTCMは、オプション理論でノーベル賞を受賞した有名な学者が経営陣にいたことで、一躍、時代の寵児となった、米系ヘッジ・ファンドのことです。LTCMは、「円キャリー・トレード」で積み上げた膨大な「ドル買い円売り」のポジションが含み損になり、その「損切り」を行いました。その「損切り」の取引を行った際に、資金があまりに巨額だったために、市場のバランスが崩れて、大暴落を引き起こしました。1998年10月初旬には、2日間(48時間)で30円の大暴落を見ています。

 この急激な調整を見たドル円相場は、2000年年初の101円アラウンドを大底に、2000年の1年間を通して101円から110円程度のレンジで上下動を繰り返します。いわゆる「下値持ち合い」の値動きです。そして、2000年12月に「持ち合い」をドル高方向に放れて上昇を開始します。約1年をかけて、今年の年初(2002年年初)に135円台の目先の高値をつけます。

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