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数日前に2兆ドル現金印刷の事だけを御報告しましたが、その解釈について私個人の見解を以下に述べたいと思います。
先ず、その前に、FRBとは何かという事を皆さんに理解して貰わねばなりません。アメリカの通貨は憲法の決めるところによれば政府が発行する事になっております。
THE CONSTITUTION OF THE UNITED STATE OF AMERICAのArticle 1, Section 8には"The Congress shall have Power To.....To coin Money, regulate the Value thereof, ....と書いてあります。FRBに勝手にお金を作らせるとは何処にも書いてありません。FRBの成立過程については詳しく書いた本(The Creature from Jekyll Island, by G.E. Griffin)を読んでいただくとして、要するに欧州から来た銀行家数人が集まって当時の政治家を買収し強引にFRBを作らせたのです。勿論、表向きは1907年の恐慌の再発を防ぐため、という口実ですが、真意は銀行家による国家乗っ取り作戦だったのです。(だから、グリーンスパン元議長はイギリス女王から爵位をさずかったのです。しかし女王はロンドン・シティーの命令に従っただけです。)
ここで最も重要な事はFRBは純粋に私企業であって国営では無い事です。これは日本銀行の様に半官半民で形式的にでも国有であるのと全く違います。この事がアメリカ以外の中央銀行の挙動がFRBと決定的に異なる理由です。
欧州の中世期から銀行家は金儲けの為に王侯貴族に金を貸し、戦争をさせて、その費用は国民から税金を取り立てて、お金を返して貰う事を繰り返して来ました。この手法は21世紀になった今でも同じです。政治家を買収して金持ちがもっと儲かる様に法律を作らせるのは昔からどこの国でもやって来た事で、本当に権力を持っているのは政治家では無く、彼らの後ろに居る金持ちです。ヒトラーやスターリンや毛沢東などの独裁者を育て、戦争させたのも勿論ウオール街の銀行家や麻薬取引で大儲けした資産家達です。
1930年代には又恐慌に見舞われて、アメリカ政府は完全に破綻し国の全財産は実質的にFRBの所有となってしまいました。信じられないことですが、アメリカ政府には全く財産はありません。あるのはFRBからの借金だけです。日本政府の様に数百兆円の財産があるのと訳が違うのです。ニューヨーク連銀の地下にある金の延べ棒もFRBの物で国家の物ではありません。ニクソンがドルの換金制度を停止する迄は、ニューヨーク連銀の地下にある金の山を国毎に分け、通商の決済は金の延べ棒をカートに載せて実際に国から国へと動かしていたのです。日本の通商黒字が増えるにつれ日本への金塊移動が目に見えて増えて来たので、これは大変という事になったのです。
ニクソンの前にケネディ大統領とその弟の司法長官ボビイが暗殺された理由は色々取り沙汰されていますが、私自身はケネディ兄弟が協力して憲法違反であるFRBを閉鎖しようとしたからであると信じております。
さて本題に入り、今回の2兆ドルの現金印刷について、不動産バブル破裂で恐慌が起こるのに備えるという意見がありますが、現在のアメリカは貯蓄がマイナスですから、恐慌が来ても、銀行に取り返しにいく貯金がそもそもありません。それに今は買い物は殆ど全てカードですから、アメリカ国内では現金は僅かしか必要なく、殆どの現金は外国で使われています。
ですからFRBがアメリカ政府の為に国内で使うお金を貸してやるのは極めて簡単で、コンピューターに数字を打ち込むだけで済みます。しかし対外貿易の赤字はそうは行きません。今までは米ドルが基軸通貨である事を良いことに、日本や中国が対米貿易黒字で得た米ドルでFRBの発行する米国債を買わせる事が出来ましたが、それも限界に近づきました。問題は最早アメリカには世界の国々に売れる物が無くなった事で、アメリカ商品の競争力減退はFRBとしては如何ともし難い事です。従って唯一の赤字解決手段はアメリカ人が外国製品を買えないくらい高価にする事しかありません。
経済理論では貿易赤字の国の通貨が貿易黒字の国の通貨に比べて安くなっていずれ均衡が取れるはずなのに、貿易黒字国の中央銀行が貿易赤字国の国債を買って為替介入を行い、人為的に黒字国の通貨を安く保つところに問題があるのです。それで貿易黒字国の中央銀行を脅して為替介入を止めさせる事が出来ないのであれば、その中央銀行を痛い目に遭わせる方法を考える事になります。
アメリカが他の貿易赤字国と違う点は米ドルが基軸通貨である事から、借金を返すのも米ドルを使える事です。そこでFRBは借金を返すに必要なドル札を刷り、それを相手国の中央銀行にいっぺんに返せば良いのです。何故なら、外国中央銀行の米国債は全てFRBが保管しておりますからいつでもFRBの一存で償還を実行できるのです。
アメリカの紙幣はどの金額でも重さは1グラムより少し軽い程度ですから、100ドル札で払うとすれば、100万ドルは10Kg、1億ドルは1トン、8500億ドル(日本銀行の保有量)は8500トンとなります。これだけのお札を米軍のC-5 Galaxyカーゴ機で運べば40回で済むのです。100ドル札でなく、1000ドル札にすれば十分の一の重さになります。それで、2兆ドルをグアム島まで軍艦で運び、そこから中国、日本、台湾、韓国まで(2006年2月時点で中国8530億ドル、日本8500億ドル、台湾2570億ドル、韓国2160億ドル)C-5で空輸し空港の貨物処理場に置いてくれば、借金を全部耳を揃えて返した事になります。
ドル札の山を空港に置いて行かれたこの四カ国の中央銀行がその後どの様にお札を処置しようとアメリカの知った事ではありません。ドル紙幣で借金を返して貰った中央銀行は取りあえず守備万全の倉庫に運び、どうやってそれを使うかに頭を悩ます事になります。その結果は当然、当該国通貨に対するドルの暴落です。中国がドルを売ってユーロに替えようとしたときが、この作戦実行の好時期でしょう。
FRBに限らず、日本人は欧米系の金融業者は極めて悪質である事を肝に銘じて覚えておく必要があります。欧米系の外資金融会社と保険会社は口先では勿論顧客サービスを唱えますが、彼らの歴史的行動は常に国民を食い物にして自らの強欲を満足させる事でした。彼らが日本に進出したのも全く同じ動機によるもので、日本国民の福祉に貢献しようというものでは絶対にあり得ません。実際、彼らが日本に進出してからのやり口を見ても解りますように、日本の性善説に基づいた法律を完璧に利用し、あらゆる法の隙を潜ってインチキをやっています。そして彼らはインチキをやられたく無ければ法を整備せよと嘯いているのです。
この様な彼らの行動を見ながら悲憤慷慨しても始まりません。日本国民には実力を行使する手段があるのです。それは外資系の金融会社と保険会社には一切関わり合わないという選択肢です。外資系の方が利子が少し良い、とかサービスが良い、とか目先の事で惑わされてはなりません。彼らはダークサイドに属する人達で、そのような近視的行動が将来彼れらに国家権力を譲り渡し、挙げ句の果てに日本人は彼らの奴隷にされてしまうのです。
あなた方の将来は今あなた方が彼らに如何に対応するかに懸かっています。口先の議論では無く、黙って実力を行使してください。