★阿修羅♪ > 国家破産46 > 671.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 日本債券(終了):大幅高、株底割れは利上げの足かせ−短中期に買い (ブルームバーグ) 投稿者 愚民党 日時 2006 年 6 月 08 日 18:29:20)
【経済面】2006年06月09日(金曜日)付
一時的か、景気減速か 東証1万5000円割れ
8日の東京株式市場は、世界的な株安連鎖のなかでの全面安となった。「日本経済は回復軌道に乗っている」(小泉首相)と静観する見方の一方で、市場には消費や設備投資など実体経済への悪影響を懸念する声も出始めている。不安定さを増す株式市場の動きは、ゼロ金利政策の解除(利上げ)の時機をうかがう日本銀行の判断にも、影響を与えそうだ。
株の大幅安を伝える証券会社の店頭ディスプレー=8日午後、東京・丸の内で
世界の株価指数の推移
●頼みの米経済不透明
「企業の業績は悪くない。株価下落は一時的な現象」(小島順彦三菱商事社長)、「今までの株価が高すぎたから調整しているだけ」(御手洗冨士夫・日本経団連会長)。8日、政財界からは株価の大幅下落を静観するコメントが相次いだ。
足元の日本経済は好調で、上場企業全体では3月期決算が4期連続の増収増益となり、輸出の増加などでさらなる業績拡大を見込む。野村証券金融経済研究所の北岡智哉ストラテジストは「7月下旬からの第1四半期決算発表で、業績見通しが上方修正されれば、日経平均は年内に1万7000円台を回復する可能性がある」とみる。
しかし、頼みの米国経済は不透明さを増している。住宅販売や雇用統計の伸びが景気の鈍化を示す一方、原油高騰でインフレ懸念も高まる。
市場には「現在5%の政策金利が、9月までに5・5%に引き上げられる可能性が高い」(イアン・モリスHSBC証券チーフエコノミスト)との見方もある。米金利の引き上げはさらなる世界的な株価下落の材料になるだけでなく、「景気減速を通じて日本の輸出産業にも影響を与える」(藤戸則弘・三菱UFJ証券投資情報部長)リスクをはらむ。
国内では、個人消費の低迷を招く可能性がある。大手証券関係者は「4月7日の高値から計算すると、個人資産は20兆円程度減少しており、心理的な影響はあるはず」と懸念を示す。大和住銀投信投資顧問の門司総一郎・チーフストラテジストは「米国の景気動向がはっきりする夏場までの2、3カ月間は、日経平均は1万4000円から1万6000円の間でもみ合う」との見方だ。
●日銀の利上げ判断に影
「投資家が『ややリスクを取りすぎた』と考える部分についてポジションの調整をしている。市場はやがて安定性を取り戻すのではないか」。日本銀行の岩田一政副総裁は8日の秋田市内での記者会見でこう語り、足元の株価動向は、ゼロ金利解除の時期に直接影響しないとの認識を示した。
日銀は景気拡大と物価上昇が続くなかで、「ゆっくりと金利を調整していく」というゼロ金利解除のシナリオを崩していない。06年度の設備投資や企業業績は引き続き高水準が見込まれ、民間銀行は5月まで4カ月連続で貸し出しが前年に比べて増加。日銀は「再びデフレに戻るようなことはない」という認識だ。
日銀は、3月に終結した量的緩和政策で誘導目標としていた当座預金残高の削減を進めている。当初の30兆円台から10兆円台にまで迫り、ゼロ金利維持に最低必要な6兆〜8兆円は目前。足元の景気をにらみながら、慎重にゼロ金利解除のタイミングをうかがう。
最近の株安については、福井俊彦・日銀総裁も「次の均衡に向けたプロセス」と強調してきた。だが、米国の景気減速やインフレ懸念観測が強まり先行きの不安定さが増すにつれ、日銀内では「株安は利上げの障害となる」(幹部)との声も漏れ始めた。
安倍官房長官が8日の会見で「日銀はゼロ金利政策の継続で金融から経済を十分に支えていただきたい」と述べるなど、もともとゼロ金利解除に慎重な判断を求めてきた政府が当面、牽制(けんせい)を強めるのは必至。「利上げするかどうかはもう少し先を見た方がいい」(日銀幹部)という意見が支配的になりつつある。
◆1万4000円割れも 上野泰也氏
相場は「複雑骨折」とも呼べる状況で、万能の処方箋(せん)は見当たらない。米国の追加利上げによる米景気減速への懸念が、世界同時株安の引き金を引いた。国内でも企業業績の伸びが鈍化の兆しを見せており、ポスト小泉を巡る構造改革路線の先行き不安も売り材料。インドなど新興国市場も総崩れだ。
株価暴落で為替・債券の両市場は日銀のゼロ金利政策解除の先延ばしを織り込み始めており、日銀が強硬姿勢を見せれば、日経平均株価1万4000円割れもあり得る。(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト)
◆実体良く底値近い 芳賀沼千里氏
企業収益など日本の実体経済は引き続き良い方向に進んでおり、株価は今週末から来週にかけてが底値になると考える。ただ、一本調子で上昇する局面は、当面ないだろう。
今起きているのは、世界的な金利上昇と、日本の株式市場で強すぎた楽観的な見方の修正の両側面。株価の調整は今後、企業心理や為替相場に影響をもたらす可能性もあり、予断を許さない状況だ。日本銀行は市場をみながら柔軟に、ゼロ金利解除の時期を決めることになるだろう。(野村証券金融経済研究所投資調査部長)
http://www.asahi.com/paper/business.html