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(回答先: 検事の前で黙っていられるのはヤクザだけ 吉次弘志デスク 【日経金融新聞】 投稿者 hou 日時 2006 年 1 月 29 日 16:55:19)
http://www.nikkei.co.jp/ks/desk/20060127b191r000_27.html
毒を愛せとは言わないが(1/27)
木村貴デスク
本日の紙面は「ライブドア株」と「個人の外貨建て金融商品投資調査」の二本立てです。
司法当局の強制捜査が入る前に700円前後だったライブドア株は、26日終値で113円に下落してしまいました。8日間で84%の大幅な下げです。しかしほとんど売買の成立しなかった事件発覚直後に比べ、ここ2日間の取引は取引時間中に売買が何度も成立するようになり、ようやく通常の株取引らしい姿を取り戻してきました。26日は一時105円まで下げる場面もあったのですが、その後やや戻しました。「105円なら買ってもいい」と考える投資家が出てきたわけです。ライブドア株は1株から買えますから、文字通り、105円出せば買えます。
いくら100円そこそことはいえ、「上場廃止の可能性をはらむ株を買って値上がり益を狙うとは何と投機的なんだ」とまゆをひそめる人が多いかもしれません。その感情はある意味で健全です。最近のメディアではそうした健全な意見があふれかえっています。しかし一方で、投機を過度に排除すると健全な経済を阻害すると警鐘を鳴らす人は少ないようです。バランスを失した言論は危険です。
例えば外国為替取引のうち、貿易など実物取引の裏付けがあるものはほんの一部で、大半は投機だといわれます。取引規模を考えれば株式市場以上の「バクチ場」だと言っていいかもしれません。しかし外為市場に投機取引が少なかったら、例えば外貨預金という商品はどうなるでしょう。あなたがドル建ての預金を持っていて、それを円に替えて即日引き出そうとしても無理です。膨大な量の投機的取引が存在するからこそ、あなたの売りたいドルを買ってくれる相手が市場ですぐに見つかるのです。外為市場で投機が規制されている世界では、そもそも個人向け外貨預金という商品そのものが成立しないでしょう。
株式も同じ事で、もしもあなたが持っているライブドア株を急いで処分したいのに、買ってくれる相手が存在しなければ、売れないまま損が膨らむのをじっと耐えているしかありません。たとえその相手が株取引にのめりこんだデイトレーダーだろうと、いかがわしい「ハゲタカファンド」だろうと、買い手が現れてくれた事をあなたは心から喜ぶことでしょう。
人間は投機を必要とするのです。シェイクスピアは戯曲の登場人物に「毒を必要とする者も毒を愛しはしない」と見事なせりふを言わせましたが、投機という「毒」の必要性を忘れてひたすら敵視するような愚は避けたいものです。