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ケーブルTV、自衛策急ぐ 「黒船」NTT参入に危機感
CATV業界をめぐる動き
全国に400局近くあるケーブルテレビ(CATV)業界が揺れている。通信の「巨人」NTTが昨年12月、光ファイバーを使ったCATV型の映像配信に本格進出する計画を発表。さらにインターネットを通じてテレビと同じ番組の同時配信も近い将来予想され、業界構造を一気に変える可能性がある。CATV業界では、合併などで規模を拡大したり、独自に通信会社と融合を図ったりする動きが加速しそうだ。(西村宏治)
●規模拡大・KDDIと連携…
「NTTが実質的に放送事業に乗り出すもので、重大な危惧(きぐ)を抱いている。NTT法の下で許されるのか、検証が必要だ」。こう語るCATVの業界団体、日本ケーブルテレビ連盟の関係者の表情は厳しい。
NTT東日本と西日本がスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)とCATV型サービスの販売会社を設立すると昨年12月26日に発表した。スカパーの子会社で光ファイバーを通じた映像配信を行う「オプティキャスト」のサービスにNTTの新技術を使う。
光ファイバー回線をテレビのデータを流す部分と通常の通信部分に分け、スカパーが集めた番組をCATVと同じように送る。料金もCATVより安くしたい考えだ。
テレビの難視聴対策でもあるCATVは、番組配信でライバルがおらず、経営が安定していた。あるCATV会社幹部は「最近でも地上デジタル放送を見たいという加入動機が多い」といい、デジタル放送の広がりは追い風だった。
ところが、この同じ強みをNTTも手にすることになる。CATVは連盟に加盟するだけで373社あり、さらに小規模な局も多い。「値下げ競争になったら太刀打ちできない」という悲鳴も聞こえる。
通信技術によるテレビ番組配信について、CATV業界はネット技術による配信がいずれ普及するのは避けられないと見ていた。現在は著作権処理が難しく、事実上テレビ番組の配信はできていないが、総務省の審議会が昨年7月、映像を伝える方法として「積極的に活用すべきだ」との中間答申をまとめたからだ。
ネット技術による番組配信ができれば、テレビ用とパソコン用のデータをまとめてインターネットで送れるため、NTTにとってCATV型配信のための設備投資も不要になり、さらに有利だ。スカパーの重村一社長も「NTTとの提携は、ネット配信の広がりを念頭に置いている」と語る。
CATV側もこれまでネット配信時代の到来を念頭に、生き残り策を進めていた。最大手ジュピターテレコムは、地方ケーブル局の買収などで規模拡大を急ぐ。3月にジャスダックに上場して得た現金を元手に、9月以降これまでに相次いで4局の買収を発表した。
買収が完了すれば傘下は21社36局。契約数は200万件超となり、「早期に300万件をめざす」という。買収後のケーブル局では加入金無料サービスを始めるなど、地方局単独では財務的に難しかった施策を打ち出して契約増をねらう。
業界2位のジャパンケーブルネット(JCN)は電話やネット接続といった周辺事業の強化のため、通信企業との結びつきを強めている。この春にも、光ファイバー事業の共同展開を進めるKDDIと東京電力の傘下に入る方向で交渉中だ。
http://www.asahi.com/paper/business.html