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(回答先: 【中国経済時評】 向こう5年間(2006−10年)中国経済の10大変化 【沈 才彬】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 1 月 07 日 07:16:16)
【中国経済時評】
中国には2つの「毛沢東」
(沈才彬新著『検証 中国爆食経済』)より
中国には、2種類の「毛沢東」がいる。1つは革命思想を完成させた毛沢東であり、その巨大肖像画が今も中国の政治中心地である天安門広場の城壁に飾られている。まさに社会主義制度の象徴的な存在である。
もう1つは、中国の最高額紙幣100元(約1400円)札に印刷された毛沢東であり、市場経済のシンボルともいえる。
この2つの「毛沢東」が今の中国を理解するには極めて重要である。
実は、紙幣に印刷された毛沢東はカネが大嫌いであった。彼の秘書の回顧録によれば、革命中国樹立後、毛沢東は自分の手で紙幣やコインを触ったことが一度もなく、給料・印税などはすべて秘書が管理していたという。なぜならば本人はカネを嫌うからだ。
それでは毛沢東はなぜカネが大嫌いだったか。
理由は毛沢東の政治的信条にある。彼は忠実なマルクス主義者であり、マルクスがその代表作『資本論』の中で述べた言葉−「資本というものは生まれた日より頭から足まで汚い血液が流れている」−を確信していたからだ。言い換えれば、共産主義者の毛沢東は「カネ」を汚いものと思って、それを大いに嫌っていた訳だ。
ところがカネが大嫌いであった毛沢東は、亡くなった十数年後、彼の顔写真が中国の最高額紙幣100元札に印刷された。歴史の皮肉と言わざるを得ない一方、歴史の大変化とも言える。
中国共産党指導者として国家体制を確立した「毛沢東」。紙幣の顔でもある「毛沢東」。いまの中国国民は、どちらの「毛沢東」を必要としているのだろうか。
3年前、筆者が中国へ出張し、北京市内でタクシ−を利用した際、運転手と会話した。
「あなたにとって、一番好きな人は誰か」。筆者が聞いた。
「毛沢東だ」と、運転手は思考せずに答えた。
「なぜだ?」
「100元札が欲しがるのだ」。運転手は素直に答え、豊かになりたい気持ちを隠さなかった。
実は、中国では豊かになりたい気持ちを持つ人はこのタクシ−運転手だけではない。会社の経営者も従業員も、政府機関の役人も学校の教師も皆持っている。豊かになるために、皆が一所懸命にがんばっている。これは正に経済成長を牽引する原動力である。
しかし一方、金銭万能主義の社会風潮も流行っている。汚職も腐敗も蔓延している。それもカネのためだ。実際、今の中国では良い事も悪い事も、その源を遡れば、いずれもカネと切っても切れない関係にあるのだ。
(2006年1月3日)
http://www.geocities.jp/mstcj182/