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(回答先: あともう一点は、物の見方は人によりけりということです。当該の方には、ユダヤ支配という視点がなかったが、別の視点があった 投稿者 乃依 日時 2006 年 7 月 19 日 09:32:12)
及依さん、質問板(http://asyura2.com/0601/qa1/msg/179.html)では早々とご回答いただいていたのに返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
軍産複合体と国際金融資本って、複雑ですね。
一筋縄では理解できないものを感じます。
軍産複合体と国際金融資本が上下関係かつ対抗関係であるとのこと、いったん納得しかけたのですが、今回このスレッドで紹介された下山事件さんの投稿を見てまたわからなくなりました。
【http://asyura2.com/0601/dispute23/msg/628.htmlより】
>軍産複合体とは軍官僚と兵器産業だけのことではない。(略)
>軍産複合体とは、実のところ、軍産学政民の複合的システムであり、(略)
・・・・・・
>軍産複合体の忠実な執事となるか、国際金融資本の代理人となるか。日本の支配層を悩ませる選択が突きつけられている。
←今の日本の支配層は両方に君臨しているような気がするのですが。
それから、
【http://asyura2.com/0601/dispute23/msg/627.htmlより】
>グローバリズムはもちろん資本の論理であり、従って、反グローバリズムは国家の論理ということになる。
も、そう単純には言えないと思います。
だって国家を挙げてグローバリズムに猛進している国がたくさんあるわけですから(反グローバリズムの国家の方がずっと少ないでしょう)。
どうなんでしょうか。
他にもいろいろ聞きたいところですが複雑すぎて私自身ちょっと混乱していますのでこのくらいにしておきます。
後、おまけ。
『グローバル資本主義の物語その発展と矛盾』(著:倉田稔、出版社:日本放送出版協会)という本の抄録の一部です。
軍産複合体については言及がない(少なくとも言葉の上では)のですが、
国際金融資本について、ユダヤ系の財閥についても触れて説明してありおもしろいので転載します。
https://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/indexp.cgi?AC=1-17986より一部転載。
1 何が世界経済を動かすのか
ホブソンの理論
現代の世界経済を知るために、まず、イギリスの進歩的自由主義派経済学者、J・A・ホブソン(注1)(一八五八〜一九四〇)の学説に注目しよう。ホブソンは、二〇世紀の初頭に、主著『帝国主義論(注2)』を書いた。そもそも、帝国主義論というのは、現代世界の政治経済論といってもよい。そのうち、経済を論じたものとしては、マルクス主義(注3)派では、ヒルファディング(一八七七〜一九四一)の『金融資本論』、レーニン(一八七〇〜一九二四)の『帝国主義論』、ローザ・ルクセンブルク(一八七〇〜一九一九)の『資本蓄積論』などが、代表的である。特にレーニンの本は、「マルクス主義の新約聖書」といわれるほどに有名である。しかし私は、ホブソンの『帝国主義論』が、帝国主義論として一番すぐれていると考えている。その理由は、豊富な分析が行なわれていること、政治論が展開されていることによる。ホブソンの考えのほんの一部を、ここで紹介しよう。
「帝国主義で他の何ものにもまさって重要な経済的要素は、投資に関連ある勢力である」(J・A・ホブソン著/矢内原忠雄訳『帝国主義論 上』岩波文庫、一〇二頁)。
「(帝国主義が)誰のためになるのかという簡単な実際的質問を出すならば、その最初の最も明瞭な答は、投資家である」(同、一〇七頁)。
「イギリスの近代対外政策は、主として有利な投資市場をめざしての闘争であった」(同、一〇四頁)。
「イギリスは、しばらくの間は、とびはなれて最大の債権国であった。そして投資階級が私的な事業上の目的のために国家の機関を利用した政策は、イギリスの戦争と併合の歴史の中に、極めて豊富に例証されている」(同、一〇五頁)。
「侵略的帝国主義は納税者には甚だ高価につき、製造業者および貿易業者には甚だ価値が少なく、国民にとっては甚だ重大で測り知れない危険をはらむものであるが、投資家にとっては大きな利得の源泉であって、彼は自己の資本のため有利な用途を国内に見つけることができず、したがって彼の政府が彼を援助して有利かつ安全な投資を国外になさしむべきであると、主張する」(同、一〇六―七頁)。
「……これら金融業者の富、彼らの活動の規模、ならびに彼らの世界的な組織は、彼らをして帝国政策の主要な決定者たらしめる。彼らは帝国主義の事業について、最大の明確な利害関係を持ち、そして、その意志を国家の政策の上に強要する最も豊富な手段をもっている」(同、一〇九、一一一頁)。
「帝国主義とは、私的利益の所有者、主として資本家たちが、国外で自分の経済的利得を獲得するために、政府機構を利用することを意味する」(同、一五二頁)。
ホブソンの考えは現在でも有効である。現代の世界経済を指導しているのは、投資・金融業者である。ただし、主にアメリカのそれである。そして、それがより大規模になった。
注
(1)ホブソンの自伝としては、『異端の経済学者』(新評論)がある。
(2)Imperialism, A Study, 1902, 1905, 1948.
(3)マルクス主義は、カール・マルクス(一八一八〜八三)とフリードリヒ・エンゲルス(一八二〇〜九五)によって作られた科学的社会主義。社会主義は、生産手段の公有をめざす。
国際金融資本
ホブソンは、イギリスを中心にして帝国主義を論じた。一九世紀の世界経済は、イギリスが支配していたから、当時彼がイギリスを論じていたのは当然である。だが、現在ではアメリカが世界経済を支配している。二〇世紀、特に第一次大戦(注1)以後はそうである。
アメリカ経済は、一九世紀末にすでに国民総生産で世界第一位となった。一九世紀までは、主に国内的な発展をしてきたアメリカは、二〇世紀には南米大陸を金融的に、経済的に従属させた。第一次大戦では、アメリカはヨーロッパに武器を売り、大儲けをした。ヨーロッパは、戦争で疲弊し、破壊され、それをアメリカが経済的に援助した。これで、アメリカは世界の大国になった。
第一次大戦後も、ヨーロッパはアメリカの資本・資金で助けられた。さらに、第二次大戦でもそうであった。二つの大戦でヨーロッパが戦場になっているときに、アメリカは戦場にはならず、破壊されなかった。第二次大戦後、アメリカは決定的に世界の超大国になった。
現在、世界を経済的に支配しているのは、アメリカの投資・金融業者である。実際は財閥である。これを、国際金融資本と名づけておこう。以下、本書で国際金融資本と言うとき、主にアメリカのそれを指す。
金融寡頭制(financial oligarchy)という概念がある。金融寡頭制とは、少数の金融資本が国内の経済を支配している体制である。二〇世紀になって、競争的資本主義ではなく、独占(=寡占)的資本主義の時代になり、カルテル、トラスト、コンツェルンなどができる。この独占諸企業が大銀行群と結びつき、この双方の資本の癒着したものを金融資本という。
金融資本は、少数の資本(大企業)の結合体であり、その力が強大なので、国内の経済全体を支配することができる。こうして金融寡頭制が成立する。この金融寡頭制は、しかし、経済だけでなく、政治・社会の分野でも国を支配するようになる。また、対外政策でも強力な力を及ぼし、帝国主義政策の担い手になる。
これは、レーニンの『帝国主義論』(一九一七年)の第二章で定式化された。これらの有様は、ヒルファディングの『金融資本論』(一九一〇年)でも描写された。しかし、P・M・スウィージーたちは、銀行資本の力はそれほど強くないという反論をしている(注2)。ここで言う金融資本や金融寡頭制は、日本やドイツで、かなりの長い間存在していた。アメリカやイギリスでは、それほどではなかった。
さて、繰り返しになるが、本書で国際金融資本と言う場合、ここで述べたような複雑な内容を意味しないで使う。投資、投機、金融、株式会社支配などをする資本という、単純なことを意味する。国際的に活躍する、主にアメリカの金融資本という意味である。そのような意味で、今日の世界経済は国際金融資本が支配しているといえる。
注
(1)A・J・P・テイラー『第一次世界大戦』新評論。
(2)『政治学辞典』弘文堂。
財閥
アメリカが世界を支配するといっても、実際の世界経済において、大きな権力を持っているのは財界である。個人でも世界の所得番付のトップ一〇〇の中にアメリカ人が最も多い。企業でいえば、もっと多くなる。
ロックフェラー財閥は、シティ・バンク、チェース・マンハッタン銀行を所有し、また、石油資本として、スタンダード石油、テキサコ、エクソン、モービル、カルテックス、インターナショナル石油を持っている。
ロックフェラー財閥は、一九七三年には米欧日三極会議を作って、実際は米欧で世界の政治経済について協議している。そのうえ、二〇世紀に限っても、アメリカ大統領は、選挙でアメリカの財閥から豊富な政治資金を貰って、当選している。実業国家アメリカでは、国務長官や国務次官の多くが、財閥の社長や重役を務めている。
ロックフェラー財閥やモルガン財閥の人びとは、彼らの持つ大会社や大銀行の社長や重役になり、その関係者は、政府の閣僚、次官、補佐官などになり、政治を動かす。あるいは弁護士事務所に入り、ロックフェラーやモルガンの財閥の手助けをする。そして、やがては世界銀行の頭取や理事などになる。
多くのアメリカの企業が、超巨大財閥の影響下にあると言う。IBMはモルガン系であり、アメリカ三大テレビ、NBC、CBS、ABCは、ロックフェラーが関わっている。ITT(国際電信電話)とユナイテッド・フルーツはモルガンである。
アメリカの超巨大財閥系の企業は、エクソン(ロックフェラー)、GM(モルガン)、モービル(ロックフェラー)、フォード(ロックフェラーとモルガン)、IBM(モルガン)、テキサコ(ロックフェラーとモルガン)、デュポン(モルガン系)、スタンダード石油(ロックフェラー)、ソーカル(ロックフェラー)、GE(モルガン)などである(注1)。
英紙『サンデー・エクスプレス』は、一九九九年一一月、資産総額を現在の価格に換算した、今世紀の長者番付を発表した。一位ロックフェラー(一二四〇億ドル)、二位ビル・ゲイツ、三位ヘンリー・フォード、四位アンドリュー・カーネギー、五位リチャード・メロンである。上位一〇〇人のうち、六四人がアメリカ人であった。
経済学では、人びとが市場を完全に理解していることとして、理論を作る場合がある。しかし、実態は全く違う。特にアメリカでは、大企業は専門研究者を多量に雇って、市場を分析させ、これで儲けている。普通の人びとは、深く広く世界市場を知らない。非常に深い知識があるかどうかの点で、彼ら専門研究家とは大人と赤子の違いがある。彼らは、ビル・ゲイツが言うように、情報を多く集めて、整理し、利用する、ということを実行している。
近年登場してきたヘッジ・ファンドがそのいい例である。これは、多額の投資資金を集めて、ハイ・リスク、ハイ・リターンの投資をすることであるが、これを専門の投資家集団が行なうのであり、アメリカはこれで莫大な利益をあげる。株式のオプション(株を買う権利)価格の方程式を作ったことで、アメリカの経済分析家にノーベル賞が与えられる時代なのである。アメリカは、世界市場で儲けている。
注
(1)広瀬隆『億万長者はハリウッドを殺す 上・下』講談社。
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