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(回答先: 「これは。テレビで見た北朝鮮の建築技術と殆ど違わないじゃないか」 投稿者 hou 日時 2006 年 4 月 25 日 01:49:15)
http://www.geocities.jp/fghi6789/kensetsu.html
津軽海峡を跨ぐ青函トンネルは、日本が世界に誇る世界最長のトンネルだ。しかし、開業前の一九八七年、当時の大蔵省主計官はこのトンネルを、戦艦大和の建造、伊勢湾干拓と並べて「昭和の三馬鹿」と酷評した。
当時この発言は物議をかもした。しかし、私には、この発言はさほど過激とは思えない。実は、昭和の三馬鹿どころか世界の三馬鹿に入れてもいいくらいの国際級の歴史的超大馬鹿だ。こんな無意味な代物はさっさと水没させるのが正解と思っている。
異論もあろうが、少なくとも戦艦大和と比べて青函トンネルの方が馬鹿である事は間違いない。戦艦大和は航空機優勢の時流に乗り遅れた大艦巨砲主義の産物とされている。当時の大艦巨砲主義が間違いだった事は、今日では多くの人が知っている。昭和の軍人の思考能力を右寄りの人でさえ、悪し様に非難する。しかし、我々は結果を知っているから、大艦巨砲主義は間違いだったと言えるのだ。
当時の航空機は欠点が多く全面的に信頼できなかったので、大艦巨砲主義を支持した海軍首脳を責められない。最近の爆弾は殆ど命中するが、当時は極めて命中率が低かった。当時の飛行機は夜間飛行が困難で荒天に弱かった。陸上への着陸でさえ難しいが、揺れる空母の狭い飛行甲板への着陸はより困難だ。さらに空母は一般に戦艦より脆いし、飛行甲板があるので対空火器が少ない。
更に、肝心な事は日米開戦の時期だ。当時、航空機は目覚しく進歩していた。もし、日米開戦が十年早ければ、海戦は戦艦中心になっていた可能性もある。当時は、いつ日米間の戦争が起きてもおかしくなかった。そういう訳で、将来性はあっても不安定な飛行機を主力とするのをためらった。
そういう訳で、旧日本海軍が航空機優先に切り換える事に二の足を踏んだのは必ずしも愚かではない。米英にしても航空機優先になったのは太平洋戦争突入後だ。だから、大鑑巨砲主義に対する日本と米英の意識のずれはせいぜい四年だ。
それに対して巨大トンネルや巨大橋の無意味さについては、欧米人は何十年も前から気付いている。瀬戸大橋完成時の海外の評価は、技術力を評価するどころか、無駄な投資をこきおろしている。青函トンネル建設計画当時は航空機が発達しておらず、現在見られるような飛行機による日常的長距離移動は全く思いつきもしなかったのだろう。その点は戦艦大和と状況が似ている。
技術のための技術
青函トンネルを散々けなしたが、一体何が馬鹿なのか具体的に説明する。それは一言で言うと費用対効果だ。トンネル内の土砂の搬出量と長さの積は、トンネルの長さに比例するのではなく、通常、長さの二乗に比例する。だから、青函トンネルのように極端に長いトンネルは土砂運搬の効率が極めて悪い。
青函トンネルとほぼ同じ規模のユーロトンネルは赤字に苦しんでいる。ヨーロッパの大都市を結ぶ路線でさえ、経営難に陥っている。函館と青森を結ぶローカル路線が赤字で当然だ。また、トンネルの開通で地元は単なる通過地点となってしまった。
建設費だけで約六千九百億円、維持補修費、借金の利子を加えると間違いなく兆単位の出費だ。ゼネコンに対するお小遣いあるいは子供のように長さを競って喜んでいるのだとしても、外国人が費用を負担するのなら私は一切文句を言わない。
しかし、そんな金を中国人や韓国人が出してくれるとでもいうのだろうか。もちろん、そんな筈が無い。その金を負担するのはイギリス人でもアメリカ人でもなく、日本人だ。
そもそも、今の建設技術があれば、太平洋横断道路というような突飛なものは除いて、常識的に考えうる大抵の建造物は建設可能だ。現在の世界最高の建造物は五百メートル台だが、千メートルは十分いけるだろう。理論的にはいくらでも高くできる。採算を度外視すれば二、三千メートル級の構造物の建設だって十分可能だ。
しかし、そこまでする必要性がないから造っていないだけだ。もしかしたら、一万メートルだって可能かもしれない。
仮に時速四百キロの蒸気機関車の開発したとすれば、間違いなく世界最速の蒸気機関車であろう。ターボチャージャーを搭載したり、液化石炭を使ったりするなど現代の最新技術を盛り込んで、金をふんだんに使えば実現可能かも知れない。
しかし、列車の最速記録が五百キロを超えている現在、そんな物を作っても実用的な意味は無い。仮に実現できたとして、それを誉める人がいるだろうか。よほど暇で金を持て余しているとしか思われないだろう。
ソ連では、本土とサハリンを海底トンネルで結ぶ計画があったが、建設を断念している。日本は世界最大の海底トンネルである青函トンネルを計画通り完成させた。これらを比較して、日本の建設技術がソ連より上だったと無邪気に喜ぶのは間違いだ。
ソ連は単に土木技術が低くて海底トンネルを完成できなかったのかもしれない。しかし、結局、そんな物を造らなくて大正解だった。もし造っていたら、ロシアの経済状態は今よりもっと悪化していただろう。
技術自体が目的では困る。「世界最長のトンネルを造れるほど日本の建設技術は優秀だ」などと無邪気に喜ぶのは愚かな事だ。
莫大な維持補修費
現状では建設費を返済していくだけでも極めて困難なのに、それに負けないくらい厄介な問題がある。それは維持補修費だ。
準大手ゼネコンである(株)鴻池組建築技術部の社員教育用資料によると、コンクリート構造物の建設計画から解体までの一生にかかる建設関連費用のうち、調査費用、用地買収費用などを含めた初期建設費の割合は約二五%程度に過ぎない。
残りは維持費、補修費、解体費などだ。維持補修費が建設費の五、六倍になるのは当たり前で、十倍になる事もある。これほど維持補修費が大きい事は意外に知られていない。
青函トンネルの設備機器にかかる維持費は、将来的に年間七〇億円を超えると予想されている。
旧都庁舎跡に建てられた東京国際フォーラムの維持費は年間五〇億円に上る。都庁クラスでも年間数十億円の維持補修費がかかる。それらより遥かに規模の大きい青函トンネルでは、恐らく、年間の維持補修費は七十億円ではとても足りないだろう。
私は建築技術者だから、土木の維持補修費について正確には知らないが、一般に土木構造物の方が条件が過酷だから、恐らく維持補修費は建築物より高くなるだろう。
建造物の維持補修費は、経過年数や種類や立地条件によって違うが、老朽化した建造物の維持補修費の年間負担額は、初期建設費の一割程度とも言われている。そうすると青函トンネルの年間維持補修費は約六九〇億円という事になる。
年間の維持補修費が一千億円を超える可能性もある。突飛過ぎると思う人がいるかもしれない。しかし、その程度になっても全然不思議はない。
そもそも、維持補修費の予測は難しい。なにしろ青函トンネルは世界最大のトンネルだし、これに匹敵する規模のトンネルはユーロトンネルだけだ。
しかし、ユーロトンネルは青函トンネルの後に造られたので、将来の維持補修費予測の参考になりにくい。
日本の公共事業は建設費が当初の予測の三倍に膨れ上がる事が珍しくない。建設費より遥かに予測が困難な維持補修費が当初の予測の十倍を超えたとしても不自然ではない。そう考えると年間の維持補修費が一千億円に達しても何ら不思議は無い。
特に青函トンネルは、他の建造物と比べて過酷な条件が多い。なにしろ、長いから、点検や補修は困難を極める。また、海底トンネルは海水と接する。
コンクリートは意外に透水性が高い。もちろん、防水対策は施してあるだろうが、それでも、海水がどうしても染み込んでくるだろう。鉄筋は塩分に弱い。錆びると膨張し、周辺のコンクリートを圧迫する。列車の通行の合間を縫って、作業をしなければならないのも点検や補修を困難にする。
これらの理由から、青函トンネルの年間維持補修費が百億円を超える事はまず間違いないし、しつこいようだが一千億円になったとしても本当におかしくないのだ。
インチキくさいと思ったら自分で調べてみると良い。今の時代はインターネットという便利なものがある。あるいは、教えてくれるかどうか保障はできないが、役所や新聞社に聞いてみるという方法もある。この手の数字は素人でも比較的調べやすい。
工学的知識は必要ないし、手抜き工事のデータと違って、業者としては通常は隠す必要がない。公表された数字は比較的信頼性が高い。
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