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(回答先: 生徒450人座り込み 法政一高(東京新聞) 投稿者 七瀬たびたび 日時 2006 年 4 月 19 日 21:22:04)
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm から転載。
4月19日(水)
昨日、『東京新聞』夕刊を開いてみて、ビックリしました。「生徒450人座り込み 法政一高」という見出しが、目に飛び込んできたからです。
記事の横にある写真には、校庭に座っている生徒達の写真が写っていました。男子生徒がずらりと並んでいます。
この記事には、次のように書かれていました。
茶髪禁止など校則が強化されながら、学校側から十分な説明を受けていないのが不服として、東京都武蔵野市吉祥寺東町三の法政大学第一高校(森田勉校長、生徒758人)の2、3年生約450人が18日朝、校庭に座り込み、学校側に抗議した。1960年代末の大学紛争当時は、「民主化」を求める学生デモに高校生が参加する姿も見られたが、最近では高校生が組織した抗議行動は極めて異例。都私学行政課も「大学紛争以降、大勢の高校生が座り込みやデモを行った例は聞いたことがない」としている。
この日の座り込みは、生徒会が主導。学校側には内密にしながら、休み時間に2、3年生の教室を一クラスずつまわり、「授業のボイコットなど、学校側とけんかをするのが目的ではない。話し合いを求めよう」と参加を呼びかけた。
約450人の生徒は始業時間の1時間前の午前7時半ごろから校庭に集合し、同8時すぎには校長による説明を要求した。これに対し、学校側は抗議行動があることを事前に知らなかったため、教諭らがあわただしく対応を協議。校長が不在だったため、副校長が校庭に出向いた。
同校によると、今の2、3年生の入学時には制服着用を義務付けていなかった。
しかし、校内の風紀が乱れているとして、創立70周年の今年から、頭髪を茶色などに染めることや耳などにピアスをすることを原則的に禁止。「高校生らしい服装」で登校するよう指導し始めたという。
さらに来年4月の三鷹市への校舎移転と男女共学化を前に、今年入学の1年生には制服着用を義務付けている。
吉川司副校長は生徒に対し「説明が不足したという面はあるかもしれない」と認めた上で、指導への理解を求めた。さらに、今回の抗議行動について「生徒会は校長に話し合いを申し込むことができる唯一の機関。ゲリラ的なやり方ではなく、正規の手続きをとってほしい」と呼びかけた。生徒たちは授業が始まる八時半には全員が校舎に入った。
生徒会長を務める3年の男子生徒(17)は「生徒たちの多くは言われたことを守って、髪も黒くし服装も改めた。それでもまだ『高校生らしい服装を』などと指導される。何の説明もないまま校則が厳しくなっており、自由な校風が失われる前に何か行動を起こしたかった」と話している。
これについて、昨日、コメントを書こうかとも思ったのですが、詳しい事情が分かりません。今日、研究所に行って、色々な情報が耳に入ってきました。
この事件の背景には「法政大学の変質」があるというのが、私の結論です。一種の「茶色の朝」がこの大学で始まりつつあるということ、その一連の動きのなかの一つが法政一高での生徒に対する管理強化であり、それに対する異議申し立てとして生徒達が立ち上がった(実際には座り込んだ)というのが、今回の事件であったと思われます。
「法政チャンネル」というウェッブがあります。そこには、次のような書き込みがありました。
法政一高、なかなかやるな。共学になっても自由や自主性は死守して欲しい。
ちゃんと学校側も生徒と向き合って欲しいな。
つまりこういうことだと思う。
法政一は今まで自由な校風の元で生徒の自主性を尊重する教育でうまくやってこれていた。なのにそれを理解しようともせずに大学側が「新しい真の付属校」を作ると言って男女共学、校名変更、新制服制定、制服着用義務、と次々に物事を決めてしまった。
今までは服装自由化にしても、生徒と学校側で話し合って決めていたのに今度は大学主導の改革だったことから、まともに生徒や保護者にも理解を得ようとせずどんどん物事を決めて後で説明するだけの態度に終始した。
市ヶ谷が司令塔になって吉祥寺を動かそうとしたから、無理なことが起こったんだよ。吉祥寺のことは吉祥寺が主体になって考えて議論を積み重ね、市ヶ谷の応援を求めるのが本来の姿なのに市ヶ谷が先走って何事も決めてしまうから、吉祥寺が混乱するんだよ。
大学役員達は猛省して欲しい。
先に私は、「一連の動き」と書きました。その一部は、このHPの読者なら、すでにご存じのはずです。3月17日付、18日付、19日付で書いた二つの出来事、中核派学生の逮捕と「役員等の選出方法の見直し」問題です。
ここには、大きく、見直した内容の問題性と、それを実行するプロセスの問題性という二つの問題がありました。とんでもない内容の見直しを行い、それを一方的・強権的に押しつけるということです。
今回の法政一高の生徒の決起にも同様の問題がありました。「法政チャンネル」の書き込みが指摘するような、「今までは服装自由化にしても、生徒と学校側で話し合って決めていたのに今度は大学主導の改革だったことから、まともに生徒や保護者にも理解を得ようとせずどんどん物事を決めて後で説明するだけの態度に終始した」「市ヶ谷が先走って何事も決めてしまうから、吉祥寺が混乱するんだよ」というプロセスの問題です。
もう一つ、茶髪やピアスが禁止され制服が導入されただけでなく、髪の毛の長さも決められ、来年度からは「刈り上げ」にするようにと、髪型まで指定されたという内容上の問題もあります。しかも、管理が強化されているのは、生徒だけではありません。
教員に対しても、男性はネクタイ・スーツ着用、女性は装身具着用禁止という「業務命令」が出されています。従来、学校運営の中心になってきた運営委員会は廃止され、校長を中心とした管理職による企画推進会議で全ての事柄が決められ、職員会議は伝達の場でしかなくなっているといいます。
東京都教育委員会が「職員会議での採決・挙手の禁止」を通達したことが大きな問題になっていますが、わが法政大学の一中高では、それを先取りするような事態が進んでいるというわけです。情けない限りです。「自由と進歩・進取の気象」という理念はどうなったのでしょうか。
唯一ともいえる救いは、今回の生徒達の決起です。良くやりました。「法政一高、なかなかやるな。共学になっても自由や自主性は死守して欲しい」という「法政チャンネル」の書き込みの評価する通りです。このような書き込みもまた、私としては評価したいと思います。
このような、自由を尊び、自主的な行動力に富んだ生徒を育成したことを、一高の先生方は誇って良いでしょう。私も、法政コミュニティの一員として、このような生徒達を誇りに思います。
一高の校長先生は、生徒達の思いをきちんと受け止め、話し合いに応ずるべきです。「何の説明もないまま校則が厳しくなっており、自由な校風が失われる前に何か行動を起こしたかった」という訴えに耳を傾け、いきすぎた規制を撤回するべきでしょう。
高校の当局者以上に、大学理事会の責任は重大です。付属中高の生徒や教職員に対する管理強化、ガバナンスを名目にした中央集権化、役員選考規定の突然の改変と大学教職員からの選挙権の剥奪、キャンパス内での立て看やビラの規制、これに抗議した学生に対する一方的な逮捕など、この間の一連の出来事は全て現理事会によって実行されてきました。
その結果、市ヶ谷キャンパスでの学生逮捕のニュースがテレビで放映され、附属高校での高校生の座り込みが写真入りで新聞報道されています。「法政大学は一体どうなっているのだ」と、一般の人々は驚き、受験を希望する高校生はいぶかしく思い、大学を卒業したOBは心を痛めていることでしょう。
どうして、このようなことになったのでしょうか。こんなことで、法政大学の評判が上がるとでも思っているのでしょうか。法政大学の大学院を出て、今、法政大学に職を得ている私としても、大変、残念に思います。
私はこれまで、「自由と進歩・進取の気象」という理念を信じ、「民主法政」との評判を誇りに思ってきました。その理念と評判を踏みにじり、泥まみれにしてしまった現理事会に、大きな怒りと憤りを感じざるを得ません。本当は、こんなこと書きたくないんですが……。