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(回答先: 年末年始特別インタビュー 耐震偽造問題をどう見るか(6)神戸市の誤り 投稿者 gataro 日時 2006 年 1 月 03 日 10:04:34)
2006/01/03
http://www.janjan.jp/special/0601/0512250879/1.php
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●新しい社会への創造の鍵は何か
―住宅もそうですが、06年の通常国会には、市場化テスト法案も提出される予定になっています。この市場化テストというのは、究極の民営化政策をいわれ、要するに公務員がやっている仕事を民間の人材派遣会社など関係企業との入札にかけ、落札したところにやらせようというものです。
公務員は、給与が高いので、まったく民間の人材派遣会社などに勝てるわけはなく、これを使って公務員削減をやろう。いわば、公務員削減の切り札として、市場化テストを導入しようとしています。先生が指摘された雇用や医療なども対象とされています。もうすでに、駐車違反の摘発や刑務所の警備員、地方自治体では、指定管理者制度というかたちで導入されています。
早川:小さな政府というのは、民間でできることは民間でやってもいいわけですが、いまやられようとしていることは、民間ではできないことを無理やり民間にやらせようとしていることです。
私たちは、税金を納税していますが、国家は生命と財産を守る義務があるわけです。生まれてきて良かったという国でありたいと思いたいわけです。しかし、国土も国民も金儲けの手段にしてしまおうという流れです。
現代は、病気でいったら、かなり深刻な兆候があらわれたという時期ではないでしょうか。このとき、政治や経済、政策の歪みというものをしっかりと分析することが大事です。それによって、時代の本質をとらえられるかどうかが重要です。
本質をとらえて、マスコミも学者もいろいろな団体も含めて、野党の政治家も含めて追及していかなければならない。それが、非常に弱いと言わざるを得ない。人間の考える力がそがれているといえないだろうか。
●異変を感じ取る力
今の日本の社会は、異変がおきている。一つは、子供。子供が自分の親を殺す、友達を殺す。弱いものを狙う。これは、かつてなかったことだ。これは、日本社会が何か大きくまちがっている予兆ではないのか。異変とは、冬に茄子ができたとか、一晩中カラスが鳴いたとか、異変のまえには前兆がある。子供の心が、おおきく荒れているというは、前兆なのです。日本社会が狂っている証拠だとおもいます。
もう一つ、夏の暑さ、異常気象、地球温暖化ですね。オゾン層を排気ガスなどが破壊しているわけです。環境レベルで異変が起きている。
今回の耐震偽装問題は、ちょっと次元が違うが、日本の政治・経済・社会の行き詰ったところから起きた問題だ。これは、病魔に冒されているという医師の診断が必要だ。どこから来ているのだろうかという根源をつきとめることが重要だ。かゆいところに、膏薬をはっただけでは、何も解決しません。
そういうふうに追究する仕組みをつくらなければならない。今回の事件はそういうことを考えるチャンスではないのか。
住宅問題でも経験があります。旧住宅・都市整備公団の変質の問題です。かつて、家賃が払えないひとを公団が裁判に訴えて、追い出そうとしました。この方々は、年金生活になって、病気などで家賃を滞納したわけですが、訴えられた人が次々に自殺をされたという痛ましい事件がありました。
公団法第1条は、住宅に困窮する人々に対し、住宅を供給することを謳っているわけですから、これは、公団がかつての公団ではなくなった証拠だと感じ、公団住宅の自治会の集まりである自治協に、追われようとしている人への支援を要請しました。自治協は公団を国民のものへというスローガンを掲げています。幹部は、裁判は個別の問題だと取り合いませんでした。
そのことを、総会の挨拶で指摘しましたが、変質の兆候が現れたときに徹底的にたたかわなければ、どうなるかということです。今の、都市再生機構は、かつての日本住宅公団とは、まったく違うものになっているではありませんか。
●社会的変革の環
社会的反発力、復元力が日本は非常に弱い。アメリカのブッシュ政権、小泉政権もそうとうひどい。かつて、レーガン、サッチャー、中曽根、がひどいと言ってきたが、ブッシュは、その何倍もひどい。ソ連がなくなって、対抗軸がなくなって、勝手なことを始めた。ブッシュ、小泉というアメリカの大統領、日本国の首相として最悪です。
アメリカ社会は、そんななかでも抵抗力、復元力をもっているが、日本はそうとう弱い。だから小泉政権が安泰だ。社会的抵抗力というは、教育が根幹だ。それを日本は、崩してきた。何十年もかけて崩してきた。だから今日の日本となっているのです。
今起きている、耐震偽装も子供の犯罪も弱いものいじめも、考えない子供を育ててきた、御用聞きのような子供をそだててきた、教育の崩壊が根底にはあると言えないだろうか。ものを考える力をつけることが抵抗力につながるわけで、これは、大学の先生にも言えることだし、政治家にも言えることだ。
大げさなことを言っているように聞こえるかも知れないが、ヒットラーやスターリンのようなものが出てきて破局を迎えないためには、予兆を感じ取って、本質的な転換を図ること、そのことが今の日本に求められているのではないでしょうか。耐震偽装問題は、社会的変革への環を内在している問題だと思います。
―今日は、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。