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(回答先: Re: 年末年始特別インタビュー 耐震偽造問題をどう見るか(3) 投稿者 gataro 日時 2005 年 12 月 30 日 17:13:36)
2005/12/31
http://www.janjan.jp/special/0512/0512250871/1.php?PHPSESSID=896034fc86277825517bbe31ebd42f30
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―私は、かつて特殊法人労連勤務時代に、「建設官僚の天下り白書」などを発表してきました。調査して面白かったことの一つに、高級官僚たちの行政改革や民間活力導入への対応があります。
80年代後半に民活が叫ばれたころの話ですが、財界や政府から民活・民活といわれ、建設官僚たちは、本省の……課や……部がやっていた仕事を外に出すわけです。公益法人を設立し、そこに丸投げする。そして、そこを官僚たちの天下り先にしました。民活を利用した天下り先確保だ。やっているところが変わっても、天下りすれば同じことがやれると考えているのかと思いました。
今回の建築確認の民営化でも、もともと役所には、技術の継承がない。人手不足もあるが、技術水準も追いつかない。だったら民間にまかせてもいい。財界やアメリカから圧力があるので仕方ない。どうせ民間になっても、民間確認機関に自治体や国から天下りすれば、同じことだというようなことだ。高級官僚たちは、政治家や財界幹部と近しいので、極めて安易なところがある。
しかし、今回の事件のように、やってはならないことがあるということだと思います。
●政府・自治体、業界団体・関係企業の責任徹底追及
早川:建築基準法の第1条は、国民の生命・健康・財産を守るということだとされています。それを守るために、規制が必要です。建築確認に時間がかかる、それなら人を増やし、教育すればいいわけです。それをやらないで、民間にまかせてしまうのは問題なのです。天下りすればいいという問題ではありません。
こういう事態となって、究明は重要だ。刑事責任を含めて追及されるだろう。だから、どういう点を改めなければならないのか、明確にすることが大事です。何が根本原因かと。
1990年代後半に金融機関の不良債権問題がありました。バブルに踊って金融機関はとんでもない貸し出しをやった。バブルが弾けて、それが不良債権化したわけですが、そのとき、金融機関や行政当局とくに旧大蔵省の責任追及が行われました。政策当局の責任追及はプロセス的に大事ですが、しかし、これは本質ではないのではないかと思います。
金融機関は、何に投資したのでしょうか。土地・不動産ではなかったでしょうか。本質は、土地投機・不動産投機を野放しにしたことにあるのは明らかではありませんか。
今回の問題でも、構造的には同じことで、住宅・土地を利潤追求の手段として野放しにして、さらに建築確認までも野放しにした、本質的には同じことではないか。
住宅建設を民間企業・市場原理にまかせば、必ず土地投機につながる。資本主義であれば、デベロッパーは、事前に土地を買うことは必要なことだ。金融と土地投機がつながり、バブルが起こった。不良債権問題でも本質的な問題まで踏み込んで解決されてはいない。
今回の問題でも、住宅取得の市場原理化が底流にあり、その上に構造改革路線とか新自由主義とかが重なり、いわば両輪となって起こっている。生命・財産が脅かされている今回の事態も、この本質を解明し、原因をあきらかにしていかないと、うやむやになってしまいます。
インタビューの映像配信もご覧ください。
早川和男(神戸大学名誉教授・長崎総合科学大学教授)氏に聞く
http://www.janjan.jp/special/0512/0512280022/1.php