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(回答先: 年末年始特別インタビュー 耐震偽造問題をどう見るか(2) 投稿者 gataro 日時 2005 年 12 月 29 日 13:59:06)
2005/12/30
http://www.janjan.jp/special/0512/0512250868/1.php?PHPSESSID=c85f7a5d41d288c997e1afd112d6c958 から転載。
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●阪神大震災の教訓を逆手に取る悪いやつら
早川:先だって参考人質疑でしたか、ヒューザーの小嶋社長が、地震について云々と口走っていました。何のことだかと思ったのですが、あとでよく考えたら、彼は、阪神大震災の教訓を逆手にとっていると気がつきました。
どういうことかというと、地震が来て倒壊してしまえば、責任は追及されなくなる、うやむやになると彼は考えていたということです。
阪神大震災では、10数秒間に5,502人が亡くなりましたが、ほとんどが家の倒壊によるものでした。倒壊した家の下敷きになったり、倒壊した家が出火し、焼け死んだりしました。逃げればいいのですが、逃げられないのです。
被災者はお年寄りが多く、障害者、年金生活者、被差別部落の方、在日韓国・朝鮮人など社会的弱者という方々も多かったわけです。マンションも倒れたし、オフィスビルも倒れました。私は、阪神大震災の被害を住宅災害と呼んでいます。
なぜ、大災害になったのか。なぜ、沢山の人々が、そういうところに住んでいたのか。家の問題が究明されていないのです。
●大地震でも倒れない住宅をつくることが重要
被災された方々は、社会的弱者と言われる人々が多いといいましたが、これらの人々は、満足な家に住めない、差別されて住めない人もいたわけです。
阪神大震災のとき、どういうものが倒れたのか、なぜ倒れたのか、という究明がほんとうの意味ではされていない。公団などの公共住宅は、ほとんど倒れませんでした。倒れたのは、民間のマンションがほとんどでした。
オフィスビルも倒れましたが、なぜ倒れたかの究明をきちっとやっていれば、住宅政策なり、確認申請なりも98年以前のことも含めて効果を発揮したのではないかと思います。それがないから、ヒューザーの社長のように、地震があれば、と言われることになるのです。
1月17日近くになると阪神大震災の教訓が取りざたされるのですが、劣悪住宅に住んでいる人が犠牲になった。耐震補強の必要が言われるのですが、壊れるような家をつくることがなぜ、起こるのか。壊れない家を造っていれば、被害はもっと少なかったはずです。
コミュニティーが確立していなかったことに原因をもとめた防災学者もいましたが、90%が家屋の倒壊による圧死、窒息死という事実を見れば、コミュニティーも大事ですが、壊れるような家を再生産しないということが、一番大事なことではないか。
今回のマンション問題もそうですが、壊れる家・マンションをつくり続けていることが問題なのではないでしょうか。大地震でも倒れない家、マンションを造るとなると、市場原理では十分でない。公共住宅政策の重要さへと向かわなければならなくなるのです。3つ目の問題として、阪神大震災の教訓がまったく生かされていないといえるのではないでしょうか。
そういうことを、テレビ・新聞・雑誌などマスコミは、報道しないし、そういう視点もない。せっかく、欠陥が明らかになったのに、その本質を行政技術の不備に集約してしまおうという方向になっていることに懸念を持ちます。
耐震偽装問題は、構造的な問題、いま日本社会で繰り広げられている規制緩和・新自由主義の展開がもたらすあらゆる問題が集約されたものではないかと考えます。
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特集「これはもう政治家・官僚による詐欺、収奪だ」
http://www.janjan.jp/special/sagi/list.php