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(回答先: 性犯罪前歴者の出所後、1割が所在不明(日刊スポーツ) 投稿者 デラシネ 日時 2005 年 12 月 16 日 02:44:07)
【子どもを守ろう 小児性愛者の凶悪犯罪 どう防ぐ】
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20051217/ftu_____kur_____000.shtml
下校途中の小一女児が殺害される事件が相次ぐ中、群馬県高崎市の県営住宅で小一女児を殺害した隣人の被告(28)に九日、無期懲役の判決が下った。奈良や広島、高崎の事件に共通するのは、男が小児性愛の傾向を持つことだ。幼い女の子を狙う性犯罪の背景と対策とは−。日本犯罪学会会長の小田晋帝塚山学院大教授(72)に聞いた。 (岩岡 千景)
――残虐な少女殺害が連鎖的に起きています。
こうした事件が目の前にさらされたのは、幼女を連続殺害した宮崎勤被告=先月上告審結審=の事件以来。犯人には小児性愛だけでなく、相手を破壊、虐待することに快楽を覚える性的サディズムや、相手の所有物を性愛の対象とするフェティシズムなど、同一人物の中に多重の性的嗜好(しこう)障害が同居する傾向がある。
一連の事件は、殺す行為自体に快感を覚える「快楽殺人」の色彩も濃い。その点では、神戸児童連続殺傷事件や大阪の池田小児童殺傷事件などとも共通性が感じられる。
――この種の犯罪が増えてきた背景は?
中でも犯罪につながる障害は、性的サディズムだ。潜在的に興味がある人は、昔から少なくないかもしれないが最近、歯止めが利かないのは「疑似現実」の役割が大きい。
表紙は少女漫画のようで中身は暴力的なロリコンコミックや、ビデオ、DVD、インターネットなどの情報が自由に与えられることで、寝た子を起こす現象が起きる。もやもやした衝動に、モデルとなる具体的な行動の形を与えてしまう。
――「犯罪者予備軍」を「犯罪者」にする?
実際、私が鑑定した性犯罪の容疑者はたいてい、事前にポルノビデオなどを見ている一方で、現実の対人関係が少なく、幻想を肥大化させている。かつては一部のマニアにだけ流通していた異常性愛に関する情報に、今や誰でも接近できることが問題だ。
――どうしたらいいのか。
少女は性愛の対象として征服しやすい。そんな少女を狙った犯罪や快楽殺人の容疑者に着目すると、身体などにコンプレックスを抱いているケースが多い。
また幼少期に母親から愛されている安心感や基礎的信頼感が植え付けられておらず、情性の発達に障害が起きている例が目立つ。あるいは父親の存在感が薄いか専制的で、男性の成長モデルがなく、性的発達がスムーズにいかない例もある。
ある地方の小学校で、猫の手足を切って並べ、同級生の足を縛って階段から突き落とした児童の問題行動を、毎日、教員が隣に座って体に触れたり、ぎゅっと抱きしめたりして解消した例がある。幼少期に甘えられる子育てが必要だと思う。
――最近の女児殺害事件では何らかの不審者情報があった。こうした情報に敏感になる必要もあるのでは。
危険な人がいるとわかった段階で、真剣に捜査しなくては。三年前に猫と犬の虐殺が連続して起きた宇都宮市で、警察は二十代の男を検挙した。大げさという批判もあったが、「前兆」段階でブロックした成果は大きい。宮崎被告も最初は猫を殺したように、性的嗜好異常の犯罪者が幼女のように柔らかくて温かい猫殺しから犯行を始める例は多い。性犯罪は強制わいせつから強姦、殺人へエスカレートする傾向もある。犯罪者にとって、警察が自分を把握していることも、歯止めになる。
――高崎の事件で無期懲役となった被告も小児性愛の傾向を持っていたとされるが、ゆくゆくは仮釈放される可能性もあります。
子どもを対象にした性犯罪者は釈放後の動静を法務、警察行政が把握し、社会が「釈放後も気を付けながら受け入れる」方向に転換すべきだと思う。法務省から警察に提供が始まった性犯罪出所者の居住地などの情報の活用をもっと検討していくべきだろう。
法務省は受刑者の矯正教育を義務づけたが、医療的保護観察制度もつくったらいい。性犯罪者は「認知療法」で、自分の性的な異常性や被害者感情を認識し、行動をコントロールしていかなくてはいけない。さらに薬物治療もしていく必要がある。
――日本では薬物治療に、まだ抵抗感があります。
最近、ドイツや英米では、抗男性ホルモン剤を服用し、過剰な性欲をコントロールしているが、日本では治験すら認められないのが現状だ。だが、露出や痴漢行為で検挙され、自ら相談に来た患者に、説明した上で、同剤やいらつきを抑える安定剤を処方し、問題行動がやんだ例がある。薬物療法に、かわいがる対象を与えるペット療法を併用し、女児への執着を解消した例もある。
――ほかには。
性的嗜好障害の傾向がみられ凶悪犯罪に至っていない犯罪者も、犯罪行動から警察でチェック、分類し、危険が消滅するまで五年や十年の長期間、保護観察下に置き、場合によっては治療を義務づける。何かあれば照合できるようにもする。それをすればかなり、こうした事件を防げるだろう。