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耐震偽装に別ルート?「木村・総研」以外11件
耐震強度偽装事件で、姉歯秀次・元1級建築士(48)が構造計算書を改ざんした物件のうち、「木村建設」(熊本県八代市、破産)もコンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」(東京都千代田区)も関与していない物件が11件以上あることが、20日わかった。
うち6件は、開発会社「ヒューザー」(同)が建築主で、「スペースワン建築研究所」(港区)か「森田設計事務所」(世田谷区)が設計を元請けしていた。
警視庁と神奈川、千葉両県警の合同捜査本部は20日、ヒューザーと2設計事務所も捜索しており、今後、この3者と姉歯元建築士の接点についても解明を進める方針だ。 これまでに国土交通省が公表した強度偽装物件は計78件。うち木村建設が下請けを含めて施工した物件は42件。総研がホテル開業を指導した物件は24件で、双方が関係した物件は10件になる。残り22物件のうち少なくとも11件は、木村建設も総研も関与していなかった。
この11件のうち、ヒューザーが建築主となった分譲マンションが6件(未着工1件)を占める。元請け設計は4件をスペースワン、2件を森田設計が担当しており、姉歯元建築士はその下請けとして構造計算を行っていた。
木村建設は、篠塚明・元東京支店長(45)が姉歯元建築士に対し、鉄筋減らしを強く要請したことが、国会証人喚問などで明らかになっている。総研も、四ヶ所猛・チーフコンサルタント(67)が鉄筋減らしを促すメモを元請け設計会社に示していたことが判明している。
だが、ヒューザー、スペースワン、森田設計の3者と姉歯元建築士との接点は、明確にはなっていない。森田設計の森田信秀社長(55)は読売新聞の取材に、「ヒューザーの人から姉歯さんを紹介された」と話したが、問題発覚直後の先月26日に自殺。スペースワン側も姉歯元建築士に下請け発注した経緯などを一切、説明していない。
この3者の組み合わせによる耐震偽装物件は、ヒューザーなどと姉歯元建築士との関係を解明する糸口にもなるとみられ、合同捜査本部でも、ヒューザーと2設計事務所からの押収資料などの分析を急ぐ。
◇
合同捜査本部は20日午後も、姉歯元建築士の建築基準法違反容疑で、100か所以上の捜索を続け、建築物確認申請書や関係図面など多数の関係資料を押収した。
このうち千葉県市川市の姉歯元建築士の自宅兼事務所からは、ノートパソコンとプリンター、段ボール箱11個分の資料を押収した。
姉歯元建築士は、受注した業務の概要や出納状況などを過去5年にわたってA4判ほどの大きさのスケジュール帳に書き留めていたことが、千葉県の立ち入り調査でわかっており、捜査本部はこのスケジュール帳も押収したとみられる。
捜査本部は21日も、木村建設などに対する捜索を引き続き行う。
(読売新聞) - 12月21日3時6分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051221-00000001-yom-soci
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