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(回答先: 憲法世論調査:9条改正「反対」は62%(毎日新聞) 投稿者 スタン反戦 日時 2005 年 10 月 05 日 09:43:23)
憲法改正:毎日新聞世論調査 「10年内に改憲」予測54%
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20051005ddm010010021000c.html
毎日新聞の世論調査では、憲法改正への賛否だけでなく、さまざまな側面から憲法問題に関する民意を探った。過半数の国民が10年以内に改憲が実現すると予測していることや、改憲賛成派が志向する中身が必ずしも政界での議論と一致していないことなど、多様な意識を浮き彫りにした。【松尾良、田中成之】
◇「翻訳調改めよ」「首相公選制を」−−改憲賛成派
憲法改正賛成派に改めるべき点を三つまでの複数回答で聞いたところ「憲法の文章が翻訳調なので、分かりやすい日本語にする」と並び、「首相を国民の直接投票で選べる」首相公選制の導入が43%で、最多だった。また、改憲賛成派は「今の憲法が時代に合っていない」点を、反対派は9条改正につながる可能性をそれぞれ、その理由のトップに挙げた。
昨年9月のほぼ同様の設問に比べ「分かりやすい日本語に」は8ポイント増え、「首相公選制」は横ばいだった。敗戦後にGHQ(連合国軍総司令部)主導で起草した現憲法は英語から翻訳した経緯がある。「分かりやすい日本語に」との回答の多さからは、文体に違和感を感じる国民が多いことがうかがえる。
首相公選制については小泉純一郎首相が就任直後に検討に意欲を示したが、その後は議院内閣制との兼ね合いなどをめぐり反対論が台頭。衆院憲法調査会の報告書でも、慎重論が多数意見、と結論づけた。政界での議論失速と裏腹に、待望論は終息していない。
◇集団的自衛権、行使実現15%
安保・防衛関係は「自衛隊の位置づけを明確にする」が41%で、回答では3番目に多かった。しかし、現行憲法下で行使が禁止されると政府が解釈している集団的自衛権について、「行使できるようにする」との意見は15%にとどまった。特にこの点を挙げた女性は8%(男性22%)に過ぎず、自衛隊の役割拡大に慎重な傾向を示した。
また、自民党で導入論がある「国民の新たな義務を盛り込む」への賛成は11%と少なかった。公明党が主張している環境権など、新たな権利の必要性を挙げた人も20%とさほど多くない。全般的に国民が志向する改正点と、政界での改正論には、かい離も目立つ。
一方、改憲派に賛成の理由を聞くと「今の憲法が時代に合っていない」が56%と半数を超えた。「一度も改正されていないから」が18%、「今の憲法は米国に押しつけられたものだから」は10%で、かつて改憲派の主張の柱だった「押しつけ憲法論」はさほど重視されていないことが読み取れる。
逆に、憲法改正に反対する護憲派に理由を聞いたところ、「9条改正につながる恐れがある」が44%で、やはり9条問題が密接に関連している。「改正するほどの積極的理由がない」が26%、「国民や政党の議論がまだ尽くされたとは言えない」が17%で続いた。
◇9条、「平和に役立った」8割−−高齢層ほど積極評価
憲法9条が戦後日本の平和維持に役立ったと思うかを聞いたところ32%が「かなり役立った」、48%が「ある程度役立った」と答え、全体の8割が「9条」が果たした役割を肯定的に評価した。
「9条」は戦争放棄や戦力の不保持、交戦権の否認を定めたもの。自衛隊の存在そのものについても「合憲」か「違憲」かをめぐり議論が鋭く対立した経緯があり、自民党は、一貫して改憲論議のターゲットとしてきた。調査結果は、自衛隊の海外での武力行使や集団的自衛権行使の歯止めとなってきた「9条」が、戦後日本の平和の維持に果たした役割を肯定的に評価する国民意識を示したものと言える。
年代別で見ると、どの年代でも7〜8割程度が「役立った」としているが、若い世代ほど「かなり役立った」の割合が低くなる。70代以上では「かなり」と「ある程度」が37%で拮抗(きっこう)し、40代から60代でも「かなり」が30%台を維持するが、30代で25%、20代では20%に低下する。
特に、終戦時に10代前半だった70〜74歳(「かなり」41%、「ある程度」35%)と、「団塊の世代」にあたる55〜59歳(「かなり」40%、「ある程度」38%)では、「かなり役立った」の比率が高い。思春期に太平洋戦争やベトナム反戦運動を経験した世代だ。
また、「かなり役立った」と答えた人の中でも、47%が憲法改正に「賛成」と答え、9条についても21%が「変えるべきだ」と答えている。9条についての歴史的評価と今後の改憲論議はあくまで区別して考える層が存在することを裏づけた。
◇「改憲論議に関心」7割
自民、民主、公明など政党が進める改憲論議への関心を聞いたところ「かなり関心がある」が22%、「ある程度関心がある」47%で、7割弱が「関心がある」と回答した。「あまり関心がない」は23%、「まったく関心がない」は5%と、無関心派は3割弱だった。
00年9月の調査で「衆参両院の憲法調査会の活動に関心があるか」と聞いた際は、「非常に関心がある」12%、「ある程度関心がある」39%と、合計しても5割強にとどまっていた。同調査会での5年間にわたる議論や最近の改憲に向けた各党の動きによって、憲法論議への関心がある程度喚起されたとは言えそうだ。
ただ「かなり関心がある」と答えた層で「改憲に賛成」と答えたのは55%で平均の58%を下回り、「反対」と答えた人は43%で平均の34%を大きく上回った。改憲への「関心」の高まりは、必ずしも賛成論の強まりを意味するものではない。
◇改憲の時期予測、「3年内」も10%
憲法改正がいつまでに実現すると思うかを聞いたところ、10年以内の年数の選択肢を挙げ実現すると回答した人の合計の割合は54%で、過半数に達した。
「3年以内に実現する」が10%、「5年以内」は21%、「10年以内」は23%だった。一方で「10年以上先」は14%。「実現するとは思わない」も23%いた。
00年9月の調査では、「今後10年以内に憲法が改められると思いますか」との質問に、「思う」と「思わない」が28%ずつで拮抗し、41%の人が「分からない」と答えていた。今回の調査では、10年以内に改憲が実現するとみている人が過半数に達しており、5年前の調査からほぼ倍増。改憲が実現しないと思う人の割合は5ポイント減少した。憲法改正が国民にも遠くない政治課題として受け止められつつある様子がうかがえる。
◇自民草案最終段階、議論なお曲折も
自民党は新憲法起草委員会(委員長・森喜朗前首相)が今年8月に憲法改正草案の初の条文形式の原案をまとめ、11月22日の立党50周年記念党大会での草案公表に向け大詰めの段階を迎えている。しかし、草案全体を象徴する前文の文章化が遅れているほか、焦点の9条をめぐる最終調整も難航しており、最後まで曲折をたどりそうだ。
起草委は今年初めから10小委員会を置き、草案策定の議論を始めた。当初は4月中に条文化を終える予定だったが「自民党らしい案を」と主張する中曽根康弘元首相(前文小委員長)らと、「民主、公明両党の協力を得るため内容面で譲歩も必要だ」とする柔軟路線の対立もあり、作業は大幅にずれ込んだ。
8月の原案は、戦力不保持を定めた9条2項を全面改定し、「自衛軍」の保持を明記し、現憲法が禁じる集団的自衛権の行使を事実上容認。また「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚」するよう国民に求め、首相の靖国神社参拝をめぐり議論が起きている政教分離原則を緩和した。憲法改正の発議要件も、現行の衆参両院3分の2以上を、過半数と改めた。
一方、衆院選後の起草委の幹部会では草案作りで公明党への配慮を求める声も上がり、同党が主張する環境権など5分野の新たな権利を草案に盛り込む方向となった。与党が衆院の3分の2を超える議席を確保したことで、起草委幹部は「他党の反発を招けば、改憲が遅れる。むしろ慎重に対応しないといけない」と話す。しかし起草委内部からは「これだけ勝ったのだから、9条には原案の『自衛軍』ではなく、『国防軍』と書くべきだ」との声も出ている。
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◇世論の関心高まった−−舛添要一・自民党新憲法起草委員会事務局次長(参院議員)
改憲に6割が賛成した調査結果は、自民党の改憲草案策定や衆参憲法調査会の最終報告書など、最近の憲法論議の高まりに、世論が関心を持った結果だ。特に10年以内に改憲が実現するとの見方が多く、改憲の可能性は着実に高まっている。
「現憲法が翻訳調だ」との意見が多いことは、自民党の改憲草案における議論とおおむね一致する。焦点の9条は、1項の平和主義を守りながら、2項は自衛権を明記する方向で自民、民主両党の案が収斂(しゅうれん)しようとしており、この結果は心強い。9条を「変えるべきでない」との意見が多いのは、一括して改正の是非を聞いたため「平和主義までなくなる」と懸念を持ったのではないか。
◇国民も模索の段階−−枝野幸男・民主党憲法調査会長(衆院議員)
少なくとも憲法改正をタブー視する世論が終わったことは確認された。一方で「どう変わるのか」ということに危惧(きぐ)を強めている人が多い。
9条に関してもタブー視は外れた。しかし、改憲に6割が賛成する一方で、9条を「変えるべきだ」が3割にとどまったのは、「変え方によっては、平和主義がぐらつくのでは」との不安の大きさの表れだと思う。平和主義を守りながら今の状況に合わせるにはどうしたらいいか、国民も模索している段階ではないか。
憲法改正論議への関心はまだ低い。「かなり関心がある」が一番多くなるようでなければ、実際の国民投票はできない。国民投票法案などを丁寧に審議することで関心を高めることが必要だ。
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◇世論調査の質問と回答◇
◆あなたは今の憲法を改めることに賛成ですか、反対ですか。
全体 男性 女性
賛成 58 62 54
反対 34 33 36
◇<「賛成」と答えた方に>どのように改めるべきだと思いますか。(三つまで)
憲法の文章が翻訳調なので、分かりやすい日本語にする 43 36 50
自衛隊の位置づけを明確にする 41 48 34
集団的自衛権を行使できるようにする 15 22 8
象徴天皇制を見直す 14 11 18
国会の2院制を廃止して1院制とする 22 26 17
首相を国民の直接投票で選べるようにする 43 44 41
地方分権を現在より拡大する 18 21 14
国民の新たな権利を作る 20 19 22
国民の新たな義務を盛り込む 11 11 11
憲法改正の要件を緩和する 14 13 15
◇<「賛成」と答えた方に>改正に賛成する理由は何ですか。
今の憲法が時代に合っていないから 56 55 57
今の憲法は米国から押しつけられたものだから 10 12 9
今の憲法は制定以来、一度も改正されていないから 18 15 22
自衛隊の活動と憲法9条にかい離があるから 9 12 6
今の憲法は個人の権利を尊重しすぎているから 2 2 2
◇<「反対」と答えた方に>改正に反対する理由は何ですか。
今の憲法が時代に合っているから 8 7 8
改正するほどの積極的理由がないから 26 24 27
9条改正につながる恐れがあるから 44 43 44
個人の権利を制限したり、義務を規定する恐れがあるから 6 6 5
国民や政党の議論がまだ尽くされたとは言えないから 17 18 15
◆戦争放棄や戦力の不保持を定めた憲法9条を変えるべきだと思いますか。
変えるべきだ 30 38 23
変えるべきでない 62 57 67
◇<「変えるべきだ」と答えた方に>憲法9条は第1項で「戦争の放棄」を定め、第2項で「陸海軍その他の戦力を保持しない」と定めています。あなたは、1項と2項のどちらを変えるべきだと思いますか。
1項を変えるべきだ 13 11 15
2項を変えるべきだ 50 52 47
両方とも変えるべきだ 35 36 34
◆戦後の日本の平和維持に、憲法9条が実際に役立ったと思いますか。
かなり役立った 32 34 30
ある程度役立った 48 46 49
あまり役立っていない 11 11 11
まったく役立っていない 3 4 2
◆自民、民主、公明など各政党により、憲法改正に関する議論が進んでいます。あなたは、こうした議論に関心がありますか。
かなり関心がある 22 30 15
ある程度関心がある 47 46 48
あまり関心がない 23 17 28
まったく関心がない 5 4 5
◆あなたは、憲法改正がいつまでに実現すると思いますか。
3年以内に実現する 10 12 9
5年以内に実現する 21 24 18
10年以内に実現する 23 23 24
10年以上先に実現する 14 13 14
実現するとは思わない 23 22 25
注)数字は%、小数点以下を四捨五入。無回答は省略。複数回答は合計が100%を超える。
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◇調査の方法
9月2〜4の3日間、層別2段階無作為抽出法で選んだ全国300地点の20歳以上(9月30日現在)の男女4550人を対象に面接調査した。回答者は2418人、回答率53%。
毎日新聞 2005年10月5日 東京朝刊
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