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(回答先: 羽越線脱線原因、マイクロバーストか…事故調が有力視(読売新聞) 12月30日3時9分更新 投稿者 サラ 日時 2005 年 12 月 30 日 04:21:33)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051230-00000009-mai-soci
山形県庄内町のJR羽越線の特急「いなほ14号」が脱線転覆した事故で、原因とみられる突風が、上空から下向きに吹き付ける「ダウンバースト現象」だった可能性があることが国土交通省航空・鉄道事故調査委員会などの調べで分かった。現場周辺では小屋が吹き飛ばされる被害も起きている。流体力学の専門家は「列車が実際に受けた風速は40メートル以上に相当する」と指摘している。【山根真紀、佐藤薫、粕谷昭二】
山形地方気象台などによると、事故当時、現場付近では寒冷前線の通過に伴い積乱雲が発生していた。この積乱雲から吹き付けたダウンバーストが地面で横向きに変わり、線路の盛り土に当たって急激に吹き上がったとの見方ができるという。JR東日本によると、鈴木高司運転士(29)は同社の事情聴取に対し「橋梁(きょうりょう)通過後、雪交じりの風が吹き車体が傾いた。大きな力で一気に押し出された」と説明。さらに「縦揺れの強い衝撃があった」とも話している。
一方、現場から百数十メートル北の線路脇では農機具小屋の一部が線路を越えて約100メートル東へ吹き飛ばされた。小屋は50平方メートルのトタン製で線路の約10メートル西側にあったが、骨組みだけが崩れて残り、トタンが線路東側に落ちていたという。
また、現場から約6キロ西の酒田市広栄町では事故発生とほぼ同時の25日午後7時ごろ、風速40メートルに耐えられる国道7号の防雪柵(さく)が東へ約20メートル飛ばされていた。国交省酒田河川国道事務所によると、重さ105キロの鉄柵が5セット飛ばされ、コンビニエンスストアや住居の壁などに衝突した。柵1セットは鉄板(縦50センチ、横4メートル)4枚組。同事務所は「管内50カ所で過去15〜16年間に防雪柵が飛ばされたことはない」という。
一方、国立鶴岡高等工業専門学校機械工学科長の丹省一教授(流体力学)によると、列車は進行方向に向かって右斜め前から風を受けたとみられるが、時速100キロで走行中の瞬間風速を試算すると、風速計に記録された「10〜20メートル」よりはるかに強い40メートル超に達していたと分析した。同教授は「JRが設置する三杯式風速計(おわん形の風受けが3個ついた風速計)は平均的な風速の記録に向く半面、瞬間的な最大風速は計測しにくい」とも指摘している。
▽ことば(ダウンバースト) 発達した積乱雲の底から爆発的に噴き出す下降気流と、これが地面にぶつかって水平方向に広がる破壊的な気流をいう。秒速50メートルを超えることもある。航空機事故の原因となったり、建物や電柱などを倒壊させる場合もある。
◇現場に風速計を設置 山形県警、事故調
「いなほ14号」の脱線事故を捜査する山形県警は29日、事故現場の風を調べるため、現場付近で風速計の取り付けを始めた。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も別に風速計を設置する予定。
JRの風速計は事故現場から約900メートル離れた場所にあり、当時は警戒運転を必要としない「風速20メートル以下」を示していた。県警は風速計6個を現場周辺に高さを変えて設置する方針。既存の風速計が正しく動いていたか、風の流れはどうなっているかなどのデータを集める。【大久保渉】