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(回答先: 人格障害を世に知らしめる? 投稿者 memento mori 日時 2005 年 12 月 19 日 09:51:16)
memento moriさん、どうもです。
かなり的を射たレスを頂き、恐縮です。
ひとつだけ誤解があるようですが・・。
>これは「DSMを貼り付ける輩」のお返しですか。このくらい、あてこすられても仕方ないか。
>お手柔らかにお願いいたします。私も気をつけます。
ぜんぜんあてこすりではありません。
小生かなり意地も口も悪い人間ですが、あてこすりのつもりだったら最初からあんな書き方はしません。
意見は異なるにしろ、小生はmemento moriさんは極めて健全な思想をお持ちの方だと思っています。
ですから小生も“正面を向いて”memento moriさんと対話をさせて頂いている、とご理解ください。
さて、実は小生も、年内の書き込みがそろそろ難しくなってきました。
この先は年が明けるまで、睡眠時間半分になりそ・・。
memento moriさんとは有意義な議論ができそうなんで、また時間ができてからたっぷりとお話したいです・・。
>>正直、小生は人格障害者の人権より、彼らの犠牲となる無垢な子供たちの命を守るほうを優先します。
この意味なのですが、小生は常に「社会防衛」というスタンスを取っています。
いや、社会防衛というよりも、自身や自身の家族、また、ろくに抵抗することもできない幼い子供たちの安全というものを最優先に考えております。
正直言ってしまえば、緊急性のなさという意味で、警察、司法、教育、さらに医療行政にすら全く期待をしておりません。
アスペルガーを含む発達障害は「教育」というか、彼らを取り巻く生活環境が非常に重要な意味を持ちますが、人格障害については全く状況が違うということです。
これは極めて乱暴な表現ではありますが、例えば山奥に入るとき、熊の襲撃を避ける為に鈴を携帯する発想といいましょうか、こういった危機管理能力を身につける必要が絶対にあると思っています。
それはひとえに、「人格障害」という概念を学ぶということですね。
周囲にいる「へんな人」を、「へんな人」以上の観察眼をもって警戒するということです。
誤解を招きそうな言い方をしましたが、現実には人格障害(ここでは大多数を占める“境界性人格障害”の人々を主に意味しますが)を患って?いる人間にはパターン化した“言動”が認められますので、これを熟知しておけば日常における危険をある程度は回避できる。
予想がつくからです。
>危機管理は必要です。眼力が十分あれば先制攻撃なしに危機管理が可能ですが、予見能力があやういほど、恐怖に駆られて先制攻撃の誘惑が大きくなります。
>現在の診断基準の予見能力は十分ではないです。誘惑は大きいですね。
「わが身を守る」という意味において、これほど大切なことはありません。
「人格障害」という概念がない時代においては、人間には狂人とマトモの二種類しかいませんでした。
小生の本棚には、かなりクラシックな精神分析学の本が多数ありますが、その本が書かれた頃の専門家の認識が如何にお粗末なものだったか、お伝えする言葉もありません。
何かと批判の多いDSM-Yですが、現実には「分裂病」と「人格障害」をわけて分類?したことにより、分裂病の人々を謂れのない偏見から救った面もあるわけです。
以下は精神科医で評論家でもある和田秀樹氏の論文ですが、一般向けではないぶん歯に衣を着せず、極めて端的に人格障害について説明されています。
よろしかったらご一読ください。
http://www.sonpo.or.jp/business/library/public/pdf/yj20914.pdf
まっとうな「人権意識」と「社会防衛意識」には余りにも温度差がありすぎて、なかなか上手い表現手段がありません。
このへんは、人格障害を研究している専門家も頭を悩ませている問題ではないでしょうか?
裁判などで「被告は〜人格障害・・」といった表現をすると、一斉に世論から叩かれる。
大阪で姉妹を殺害した容疑者は「発達障害」だったらしい(まだわからない)けれども、そう報道されたことで、また「発達障害児の会」などが非難の声をあげるでしょう。
連日のように起こる悲惨な事件を前に、我々には何ができるでしょう。
学校にガードマンを配置する、スクールバスを運行する、必ず親が送り迎えをする・・。
こういった防衛策が無駄だとは言いませんが、根本的な解決には決してならない。
子供が一人で近所の駄菓子屋にも出かけられないような社会状況を放置しながら、この先も「人権」を金科玉条として「人格障害」や「DSM-Y」をタブー視続けるとしたら、社会の捕食者たる人格障害者の跋扈を甘受せざるを得ないことになる。
これ即ち、自身や自身の家族、子供たちがいつ彼らの餌食となっても“仕方がない”“運が悪かった”と諦める以外にない。
さらに恐ろしいことに、社会にとって危険な人格障害者は、世界的にも猛烈な勢いで増えているようです。
原因が何処にあるのか断言はできませんが、先進国に見られる特定のライフスタイルと密接に関係しているのだろうと小生は考えています。
(小生、ここ僅か数年で、人格障害者による犯罪と、同時に自殺と幼児虐待が“劇的に”増えてきた国に住んでいます。ここは伝統的な大家族制のもと、子供を大切にするカソリックを国教とする国なので、かつては幼児虐待が起こるなど想像すらできませんでした。)
小生の予測ですが、いずれは社会も「堪忍袋の緒が切れる」時がくる。
現在のように被害者の人権は等閑(なおざり)にし、加害者の人権ばかりが声高に叫ばれるような風潮が続けば、その反動でもっと悲惨な状況が生まれるのではないかと危惧するばかりです。
小生は今こそ、「社会防衛的医療」を創設すべき時代だと思います。
これを語るとまた長くなりますが、現在の医療概念は100%「患者保護」にあります。
つまりは殺人を犯し、裁判で「心神耗弱状態であった」という理由で無罪になり、その後精神病院に措置入院となったにしても、医者が「治癒した」と判断すれば即座に退院させられてしまい、退院と同時に「野放し」となってしまうのです。
これは少年院や刑務所を出た人間にも言えることです。
大阪の姉妹殺害事件の容疑者、山地悠紀夫は16の時に母親を殴り殺し、数年少年院にいただけで放逐され、今回うら若き二人の女性が犠牲となってしまいました。
一昔前の三菱銀行篭城事件など、似たような事件は枚挙に暇がありません。
・・・
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051220k0000m040170000c.html
<大阪姉妹殺害>山地容疑者、5年前に母撲殺 関係者に衝撃(毎日新聞)
大阪市浪速区で上原明日香さん(27)と千妃路(ちひろ)さん(19)姉妹が殺害され、室内が放火された事件は、山地悠紀夫容疑者(22)の再逮捕で、解決に向けて大きく動き出した。山地容疑者は、16歳の時にも母親を金属バットで殺し、約2年前に少年院を仮退院したばかりだった。繰り返された凶悪事件に、知人らは強い衝撃を受けている。再犯防止策が改めて問われることになりそうだ。
●孤独
山地容疑者は16歳の時に母親(当時50歳)を殺害し、中等少年院に入った。面会に訪れた付添人弁護士に「後悔している」と話したという。一方で「自分は追い詰められていた」などと自分を正当化する言葉もあったといい、弁護士は「自分の行為をしっかり受け止めきれていない印象だった」とも語った。
仮退院した03年10月から04年3月の本退院(期間満了)までは保護観察下にあった。弁護士によると、本退院後の同年4月、弁護士事務所を訪ね「将来やりたい仕事がある」と夢や目標を意欲的に話していたという。その後、電話や手紙で数回のやり取りが続いたが、秋ごろには連絡が取れなくなった。
山地容疑者は中学時代、卓球部に入っていたが、2年生の後半からほとんど登校しなくなり、卒業式にも出なかった。元同級生らは「友達付き合いはうまくなかった。小学生のころから切れやすく、短気で何をするか分からない感じがした」と話す。
●転落
大阪府警浪速署捜査本部の調べでは、山地容疑者は当初、地元のパチンコ店に勤めたが、人間関係などが原因で全国各地の店を転々とした。最近ではパチスロ機から不正にコインを引き出す「ゴト師」グループに出入りし、パチスロで生計を立てていた。今年3月には岡山県のパチンコ店で、特殊な機器を使ってコインを得ようとして、窃盗未遂容疑で逮捕されたが、起訴猶予に。その後、山地容疑者は7月上旬、ゴト師仲間の紹介で大阪にやって来た。
殺害事件後も、現場近くの公園や神社で野宿を繰り返すなどしていた。凶器とみられる果物ナイフが発見された神社も現場マンションからわずか500メートルの距離だった。
神社関係者は「昨日(18日)、警察の人が来て、初めて倉庫に人が入り込んでいたことを知った。迷い込んだ猫を追い出したりするため、倉庫は施錠していなかった。改めて調べたら、倉庫の奥には寝泊まりした跡があった。祭りの道具にかける毛布を使っていたようだ」と話した。
●衝撃
「立ち直っていけるという感触をつかんでいたので、ショックを受けている」と元付添人の弁護士は肩を落とす。
母親殺害事件当時、山地容疑者が働いていた山口市内の勤務先の男性は「当時、事件を起こした日も仕事に来ていたので驚いた記憶がある。5年前の反省が生かせなかったのか……」と驚きを隠さなかった。
【井上直樹、田中龍士、島田信幸、傳田賢史】
◇「最近、処遇困難な少年増えた」73%の教官
少年時代に母親をバットで殺害してから約5年後、再び殺人事件に関与したとして再逮捕された山地容疑者。
法務省のある幹部は「以前の事件からは時間がたっており、事件の内容も違うようだ。今回の事件を受けて、すぐに少年院の処遇や保護観察の在り方を見直さねばならないとは考えていない」と話す。捜査中ということもあり、現時点では同省として特別な対応は検討していない。
だが、渥美東洋・京都産業大法科大学院教授(刑事法)は「少年院など少年の矯正施設では、刑罰よりも少年の処遇が配慮されるが、現実の社会に即して他人との関係を築くプログラムは十分と言えない」と指摘する。続けて「英米では、犯罪予防、地域ぐるみの取り組み、少年を取り巻く関係者の連携と情報の共有――の3点を柱として、少年の社会性を取り戻す処遇方法が検討され、成果を上げている」と外国の取り組みを紹介。「少年の更生のために、みんなで監視し、よくなれば外に出す、悪くなればまた施設に戻すといった段階的な処遇が取れるよう、日本も抜本的な制度改革に取り組むことが必要だ」と強調した。
05年版犯罪白書によると、00年に少年院を出た者のうち17%が再び少年院に戻り、9%が刑務所に入っている。刑務所からの出所者の45%前後が5年以内に再び刑務所に入っていることと比べれば再犯率は低い。ただ、少年院退院者の就職決定率は男子32%、女子5%に過ぎず、再犯防止のために就職先を確保することが課題として浮上している。
また、少年院の教官を対象に実施した調査で、73%の教官が「最近、処遇困難な少年が増えた」と回答。思いやりや人の痛みの欠如を理由に挙げる教官が多かったという。【森本英彦、中尾卓司】
毎日新聞 2005年12月20日 1時35分 (最終更新時間 12月20日 1時45分)
・・・
この記事を書いた毎日新聞の記者にも、大変な認識不足がある。
この山地容疑者は少年院時代の鑑定で「発達障害」と診断されているので、ここで“思いやりや人の痛みの欠如を理由に挙げる教官が多かったという”というコメントを持ってくることは筋違いもいいところです。
こういった記事が、ますます発達障害と精神障害の混同を一般社会にもたらすこととなり、謂れのない誤解を発達障害児全般に貼り付けることとなる。
社会問題の最先端にいなければならない新聞記者からしてこの体たらくの状態で、「人権」という言葉や意識だけが先走りしている訳ですから、救いようがない。
まだまだ話したいことは山ほどありますが、そろそろタイムリミットです。
memento moriさん、また年でも明けたらおつきあいください。
今回忘年会から帰り、急いで書き殴ったもので、いきおい過激かつ支離滅裂な文章になったかもしれません。
時間ができたら、落ち着いてまとめようと思っています。