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(回答先: 緊急報告・講師に何が(中) 宇治女児殺害事件(京都新聞) 投稿者 熊野孤道 日時 2005 年 12 月 16 日 23:12:21)
Yahoo!ニュースからhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051215-00000016-kyt-l26より引用
緊急報告・講師に何が(下) 宇治女児殺害事件
昨年6月、京都府宇治市内の学習塾経営者(39)は、学習塾対象の私立高入試説明会で近くに進出した大手塾の校長から声をかけられた。「あそこで塾を経営するのはしんどいでしょう。うちは人が欲しいので、いい条件で雇ってもらえますよ」。撤退勧告とも取れる遠回しな物言いにカチンときた。
■「7割児童通う」
近隣では5、6年前から大手塾の進出が相次ぐ。「資金力やブランド力を背景に勢力拡大を目指している。教育を担う塾ではなく、企業だなという感じがした」
少子化が進む一方、私立中や公立中高一貫校を目指す中学受験志向はむしろ高まっている。大手予備校の小中学校部門担当者(45)は「2002年度にゆとり教育が導入され、塾通いの子どもが増えた。府南部では7割ほどの児童が塾に通っているのでは」とみる。宇治市教委の03年の調査では、塾に通う子どもは中学2年で51%、小学5年でも45%に上る。
受験志向の高まりを背景に、従来の個人経営や中規模の塾に、大手進学塾が分け入る構図が見られる。別の塾経営者(52)は「新しく引っ越してきた人たちは、やっぱりネームバリューで選ぶ」ともらす。中でも、京進(本部・京都市下京区)は人気の高い個別指導を武器に、今年3月から府南部を含め全国で26校を新設、売上高は過去最高に達した。
一方、宇治市では2年前、小学校内に侵入した男が児童を刃物で負傷させる事件が発生した。全国で子どもを狙う事件が相次ぎ、「安全」を求める保護者の意識は高い。塾は有名校の合格者数や成績アップという実績に加え、「子どもの安全」さえ売り文句に掲げる。
■危機管理に“穴”
ある大手塾が、ホームページで「安心して学べる環境づくり」と掲げれば、他の塾も「最寄り駅まで引率します」「お子さんの塾への入出時刻をメール配信します」とうたう。各塾の担当者は「安全確保のニーズは高く、時代の流れだ」と口をそろえる。京進も、各校を「子ども110番のいえ」に登録するなど力を入れた。城陽校(城陽市)では今年10月末、不審者を想定した訓練を行った。校長は「塾も子どもを預かっており、危機管理を徹底したい」と強調した。だが、事件は起こった。
宇治神明校で、アルバイト講師の萩野裕容疑者(23)が女児(12)を刺殺した事件では、当時校内に正社員はおらず、萩野容疑者と女児は教室で2人きりになった。大手進学塾の担当者は「社員がだれもいないのに教室を開いたのか」と驚く。
今回の事件を受け、各塾は安全対策の見直しに乗り出した。ただ、萩野容疑者について教え子や保護者は「口ごたえしても、しゃあないなと受けとめてくれる、優しいお兄さんという感じだった」「小学校の卒業式にも来てくれた」と語り、残酷な事件とのギャップを埋められない人も少なくない。
教育の場では、教える側も、子どもも親も何度もつまずきながら、経験を重ねて学んでいく。監視カメラや適性検査を導入しても、人をみるのは人でしかない。事件の問いは重い。
(京都新聞) - 12月15日13時39分更新