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□連続ドラマ「西遊記」06年版 VS 78〜79年版 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1676022/detail
たかがテレビじゃないか 連続ドラマ「西遊記」06年版 VS 78〜79年版
当然のことながら、今週のメディアはホリエモン一色。とくに23日、逮捕当夜は各局とも大張り切りだった。そんな中で“ホリエモン・ナイト”を全く無視していたのがフジ。9時からの「西遊記」で23.8%、10時からの「スマスマ」が23.3%と平常運転でしっかり稼いでいた。
このフジの編成、私は悪くないと思う。この夜各局の横並び報道を眺めていたが、同じ内容の繰り返しばかりだった。まあ、逮捕当日に言えることなどそうはない。11時からのニュース番組までは「常連のお客さん」を大事にしようというフジの判断はうなずける。
さて、その「西遊記」。どうしても78年から79年にかけて放送された日テレ版と比べてしまう。主演は夏目雅子。女優で三蔵法師をという発想がすごい。フジもそれを踏襲したわけだが、夏目がりりしい青年僧侶に見えたのに対し、深津はせいぜい女子高の演劇部員。いっそ三蔵は尼さんだったという解釈&設定にすればよかったのに。
孫悟空は堺正章だ。当時は現在のような「かくし芸大会のおじさん」ではなく、バリバリのスターさん。その点で香取慎吾の起用は分かるが、演技とくに立ち回りにキレがない。大口あけてガハハと笑う絵ばかりが目立つのだ。猪八戒は西田敏行。過剰とも思えるハイテンションで大いに笑わせてくれた。フジ版の伊藤淳史はそれが抜擢の理由だとしても「電車男」のイメージのままだ。猪八戒は単なる軟弱者ではない。
また、前作で沙悟浄を演じていたのが後の“破産俳優”岸部シロー。そのとぼけた味は役どころにぴったりで、変に利口ぶる内村光良の沙悟浄より数倍もよかった。そして何よりフジ版最大の特徴は、このドラマからスタッフ、キャストの熱意が感じられないこと。違和感あふれるオーストラリアの風景など見ると本当は誰もやりたくなかったんじゃないの? とさえ思う。
23日の悪役は獏念和尚だ。夢がかなうと称して一般人を集め、実際は彼らの“現実”を食べてしまう妖怪だ。まるでライブドアと一般投資家みたいでホリエモン逮捕のこの日、フジはどうしても放送したかったのかも。
◆一本木 剛(いっぽんぎ・つよし) 業界を横断する“放浪のフリーライター”にして、テレビ6台を所有する“伝説のテレビウオッチャー”。
【2006年1月28日掲載】
2006年01月31日10時00分