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(回答先: Re: どうも、議論がかみあわないのですが・・ 投稿者 考察者K 日時 2006 年 1 月 09 日 08:41:37)
まず、状況認識や問題の捉え方が違うようです。
私としては、現状や問題を次のとおり考えています。
@「官製談合」は、「官」が楽をしたくて、入札制度を疎かにし、税の無駄遣いをしているのであって、政策としての中小企業対策とか地元企業育成とは別個の問題です。
A「官製談合」による公務員の汚職をふせぐため、地方自治体の一部では、すでに予定価格の公表を実施しているが、これは民間の自主談合をやめさせることにはならなかった。一方、国レベルでは、予定価格の公表は法律上限界があってできないため、まだ「官製談合」が継続している。それは天下りなども一つの原因。
B一方、談合は、民間の利益最大化のための手段であり、民間の入札ではなんら問題にもされないし、入社試験同様、むしろ形だけの入札でその実コネクションという形態すらありうる。
Cしかし、独占禁止法は、税の分野のみを対象としているわけではないが、特に税の有効利用の観点からも談合は一掃する必要がある。
D現在、過当競争によって、一部粗漏工事が発生しているのは、談合防止対策のせいではなく、自治体の財政難によって、発注額が減少したために競争率が高まった結果である。
E建設事業は、後戻りできないから、慎重さが必要だが、粗漏工事防止等は、別個の対策であり、建築確認許可の一部民営化の例をもって、談合防止はまちがいであるかにいうとすれば、全く関係のない話。
F小泉改革は、さまざまな欺瞞やもれがあり、形だけの改革という面がある。特に、民営化によって、入札制度の運用や裁量が広がり、そこから先は、問題がみえにくくにる危険性がある。
まだ、ほかにもありますが、とりあえずこれくらいにしておきます。
>Kも官製談合は方向的には廃止の方向に向かうと考えています。しかし、それは「本当に必要ないのならば」という事が前提になります。多分ですが、官製談合は必要だと思われていたから「あったのですし、無くならない」のです。Kの考えが正しいのだとすれば「どのような理由から必要だったのか?」を分析し、必要部分の分析と代替え措置が可能か否か?悪(マイナス要因)の部分の分析を行い「本当に廃止が良いのか?是正措置ではどうにもならないのか?」を考えるのがベストなのだろうと考え、それを問題提起している訳です。
一つは、官の側に、地元企業保護(国レベルでは国内企業保護)、零細企業保護という政策上の課題があること。いまひとつは、使い慣れているところを使うことで安心安全手がるに事業実施したいということでしょう。そして、さらにいえばそこに現実の汚職にもつながるような癒着の存在も出てくる。
しかし、入札の公正、公平、競争性という面と、企業育成という政策課題は別のものです。適度な競争性確保のために、たとえば地元企業に限るという条件を付した入札は制度運用の範囲内です。しかし、今地方財政がこれだけ逼迫している中で、公共料金値上げや福祉事業の一部の廃止によって住民に痛みをおしつけようとし、はたまた公務員の賃金カットなども続くなかで、いつまでもそのような地元優先や地元業界の秩序に応じた入札制度を温存していていいのかということです。まして、指定管理者制度は、不採算の第三セクターにかわって、民間参入に道を開いたという制度趣旨ですから、それまでの体質を引きずって議論することは全くナンセンスです。
いっておきますが、指定管理者制度は民営化ではありません。民間移管なのです。小泉は、民営化と民間移管をごっちゃにして、民営化でごまかしてしまったのです。それが国のやり方なのです。国家公務員を減らすことなど、仕事を地方におしつければ簡単なことなのです。確かに、郵政の民営化は現場レベルではたいへんでしょう。お役所体質のものが民営化をいきなり考えれば、根本がわからず、全体のバランスのとれないやり方をして、JR福知山の事故のようなことにもなるでしょう。でも、それは民営化などという中途半端さが原因なのです。本当は、事業撤退か、そのまま、公共の形を残したままで利益拡大を図るかのどちらかだったのではないかと思います。
>勘違いしてもらっては困るのですが、Kは「官製談合は正」と考えているわけではありません。「本当に全てが悪」とするのは正しいのか?と問題提起をしているのです。
ジャンさんの主張は「郵政民営化を前提にした小泉論法と同じ」だろうと考えています。「悪い事は悪い=一律的に廃止が正しい」というデジタル思考の二元論に陥っているのではないでしょうか?不必要な事ならば「今まであるわけが無く、仮にあったとしても早期に廃止出来るはず」なのです。必要な部分があるのだとすれば、そこを分析し、代替え措置を考えていく事が必要かもしれません。それによって「官製談合が本当に廃止できる環境ができる」のかもしれません。官製談合の問題点(いかに悪なのか)などはKもそれなりに知っているつもりです。
その上で「プラスの要素とマイナスの要素を分析し、本当にマイナス要因の方が大きいのか?を考えよう」としているのです。
「官製談合」は、犯罪です。マイナスどころの話ではありません。
「官製談合」という言葉を「地元企業育成策」という言葉に置き換えるなら、いくらかは意味は分かります。入札制度における地元優先は、運用の範囲で行われている現状ですが、全体としては民間の自主的談合構造を温存し、少なくとも地方財政レベルでは健全化の阻害要因であり、その代わりに少量手数料の値上げや賃金カットが必要になるでしょう。
>行き過ぎた価格競争は「品質の低下」と「労働賃金の不適正な低下」に繋がります。安ければ正義ではないのです。安すぎるのは「どこかに問題がある」と考えるべきでしょう。
適正な価格競争のレベルをどこにおくのか。建設事業の入札参加資格登録では、品質低下をもたらさないための技術力の判定も含めた厳格な経営事項審査制度が全国レベルで行われていますが、さらに、公共工事品質確保法によって、総合評価などによる品質低下防止策がすすみつつあります。また、下請け代金適正化法や、一括下請負禁止違反等に対する指名停止、営業停止処分などもあります。
労働賃金の低下については、単に入札制度が原因ではなく、全体の発注量の低下によるものと考えます。それは、景気変動の波をかぶっているのと同じです。むしろ、低賃金を助長するような派遣労働とか、労働法、労働運動の態様などを課題として考えるべきことで、すべてを入札制度に結び付けて考えるべきではないでしょう。
>ジャンさんの主張の方向では「良い社会にはならない」のではないかと考えています。
そうですか。
>護送船団方式、終身雇用と言った「甘えの構造」は廃止されていく方向性は確立していくでしょう。しかし、人間は二元論で割り切れるような生き物ではありません。「公務員に対する依存体質」は無くならないのだろうと思います。
そうかもしれませんが、「官製談合」は犯罪です。それなら犯罪がなくならないことを前提に刑法を改正しますか。
>最近ある郵便局員から聞いた話では「銀行と郵便局で同じ事をしても、郵便局では大きな苦情になるが、銀行で苦情になる事はない」と言う事です。例としていくつか聞いたのですが、時間過ぎに「入れない」で裏口から「送金を頼んだが断られた」という事例だそうです。そもそも「銀行なら裏口に回らない」のでしょうが、あり得る話ではあると考えます。
それだけ、「官」とか「公」に対する住民の期待と要求が強いということでしょうか。しかし、本来の行政改革は、そうした住民要求自体も、自らできることは自ら行えというものです。行政サービスはただではありません。過剰サービスは、不要な税を必要とさせるものです。課題要求にはきっぱり断ることでしょう。
>同級会の会計とか地域の会計などは公務員の比率が高いのだろうとKは考えています。
同級会については、市町村の場合、転勤がないでしょうからね。地域自治会、PTA全くもって人材不足。民間の雇用や労働条件から、つい公務員におしつけることが多いかもしれませんが、ある意味地域のことを知るのも公務員としては勉強にもなるでしょうな。最近は、そうした地域活動の実績を人事評価の一項目にしている都道府県もあるようですよ。
>都合の良いときには良いように利用しながら、自分らの税金の負担になった時には「一元的に削減しろ」というのはあまりにも虫の良い考え方でしょう。
確かに、赤字の原因の一つは、過大な住民要望や景気対策、建設業界保護だったかもしれません。しかし、公務員の身分は保障されていますから、まだ、民間の倒産に比べれば手厚いほうでしょう。
>社会コストの負担という意味において「国民は納税義務」があります。ここで自己中的にわがままを主張する風潮を考えていかなければ、この国に未来はないのだろうと考えています。
そのとおりですが、何がわがままかということの判断は簡単ではありません。むしろ近年の公的資金の投入の判断の是非のほうが問題があるかもしれません。